書かずに文章力がつく本の読み方とは?

なぜ、本の読み方ではなく、文の順番から説明したのか。

それは、「構造を意識しながら読む」視点が、この記事で紹介する読書術の基本だからです。文の仕組みを分析して読む習慣が身につけば、自ずと良い文章の構造を意識して書けるようになります。

文章は書かなければ上達しないという意見もありますが、闇雲に書いても上達しません。俯瞰的に読みこなす力があってこそ、良い文章が書けるようになるのです。

文章上達の第一歩は、リーダーとしての文とフォロワーとしての文に注目して読むこと。常に小段落の文頭を意識してください。まずは、これだけです。

慣れてくれば、文章を書くときもその基本ルールを守ろうとしている自分に気づくはずです。

応用編として、リーダーとしての文を隠し、フォロワーとしての文からリーダーとしての文を推測するという読み方もお勧めしています(参考1)。

フォロワーとしての文から「何が言えるのか」「何が言いたいのか」を推測し、リーダーとしての文は何かを考えることで、正しい文の順番や構成力を身につけるだけでなく、表現力も磨くことができるのです。

ただ、書き手と同じ一文を予想しなければいけないわけではありません。リーダーとしての文には、書き手の個性や価値観が強く表れるからです。

むしろ、フォロワーとしての文から独自の切り口を考える訓練を積むことで、オリジナリティー溢れる魅力的な書き出しを生み出せるようになるはずです。

こうした基本ルールを踏まえ、次はリーダーとしての文を抽出し、それをつなげて全体の文章を読んでみましょう。文章全体の骨格(スケルトン)が見えてくるはずです。全体のメッセージがより明確になるため、文章の本質を深く理解できます。