本記事は、堀田 秀吾氏の著書『時間をムダにしない人の習慣』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
なぜかいつも時間が足りない人の共通点
歳をとればとるほど、「時間が足りない」と感じやすくなる
おそらくほとんどの人が、「歳をとればとるほど、時間がたつのが早くなる」「時間が足りなくなる」と感じているはずです。
その原因は一体何なのか。
19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネーは、この現象を「ジャネーの法則(Janet’s Law)」として説明しました。
ジャネーの法則によれば、人が体感する時間の長さは年齢の逆数に比例します。
つまり、10歳の一年は人生の1/10を占めますが、50歳の一年は人生の1/50。
年齢を重ねるほど、一年の「心理的な比率」が小さくなるため、時間がどんどん短く感じられるのです。
仮に80歳まで生きると仮定して、この法則を使って計算してみると、驚くべき結果になります。
- 40歳では、体感的に約86%がすでに経過
- 50歳では、約91%
- 60歳では、約95%
つまり、60歳の時点で、人生の体感時間のほとんどが過ぎている(残りは5%しかない)という計算になります。
20年もの時間が、体感時間ベースでは人生のたった5%。
そう言われるとかなり驚きますが、ジャネーの法則は「年々時間がたつのが早くなる」という感覚に対する、一つの考え方を提示してくれています。
時間を短く感じるのは「ルーティン化」
「体感時間の短縮」の原因としてはほかに、「脳のルーティン化」(自動運転モード)が考えられます。
子どものころは、見るもの・聞くものが新しく、脳は毎日をフル稼働で処理し、記憶も細かく残します。
しかし大人になると、日常の多くが「すでに知っていること」の繰り返し。
脳は刺激に慣れ、省エネモードに入り、「記憶する必要がない情報」としてスルーしてしまいます。
結果として、新しい記憶が減り、時間が短く感じられるのです。
今に集中することが、時間を取り戻す鍵になる
では、どうすれば、体感時間を回復させ、「時間がたつのが早い」「時間が足りない」と感じるのを防ぐことができるのか。
その、もっともシンプルで効果的な方法は「今、ここ」に集中することであり、目の前のことに集中することは、次の3つの効果をもたらします。
① マルチタスクをやめることで、脳のムダな切り替えを防ぐ
集中する対象が分散すると、時間が「細切れ」になり、一日が短く感じられてしまう。
② 新しい知覚が増え、時間の「密度」が高まる
目の前のことに集中し、新しい刺激を取り込むと、脳が再び活性化し、記憶が増える。
③ ポジティブな注意が幸福を生む(リウのポジティビティ・エフェクト)
注意を「今の快」に向けることで、感情が安定し、時間が豊かに感じられる。
ほとんどの人は、「今」にいない
ハーバード大学のキリングワースとギルバートは、オリジナルのiPhoneアプリを使い、13か国の、18歳から88歳までの5,000人に対し、「今、何をしていますか?」「今、どんな気持ちですか?」「今やっていること以外のことを考えていますか?」といった質問をし、回答を集めました。
その結果、46.9%の人が、今やっていることとは関係のないことを考えていたことがわかりました。
そして、そのようなときの幸福度は、心が今に集中しているときよりも明らかに低かったのです。
二人は、科学誌『Science』に掲載された論文で、「幸福に必要なことは、心身が今に集中することである」と結論づけています。
この研究が示すのは、「今、ここ」に集中できていない人は、「幸福と時間の両方を失っている」という事実です。
心が「今」にいないとき、私たちは幸福を感じにくく、そのうえで、時間を「ただ通り過ぎるだけのもの」にしてしまうのです。
とにかく目の前のことに集中する。
それこそが、加齢とともに足りなくなりがちな時間を取り戻し、しかも幸福度を高める、もっとも確実な方法なのです。
年齢を重ねれば重ねるほど、時間は加速していく。しかし、「今、ここ」に集中することで、体感時間を取り戻し、幸福度も高くなる。
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