本記事は、堀田 秀吾氏の著書『時間をムダにしない人の習慣』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
最強のコスパ習慣。教えるつもりで学ぶ
インプット中心で学んだことはなかなか身につかない
勉強したことをなかなか覚えられない。
仕事で学んだことがなかなか身につかない。
そうしたことが起こる原因の一つとして、「学び方」がインプット中心になっていることが考えられます。
ワシントン大学セントルイス校のネストイコらは、学生たちを
① 「後で(誰かに)教える」ことを前提として学ぶグループ
② 何も前提とせずに学ぶグループ
の2つに分け、一定時間学習をさせた後で、テストを行いました。
その結果、①のグループは、②のグループより、成績が有意に高かったのです。
学んだことを、後で誰かに教えるためには、
• 分解
↓
• 再構築
↓
• 例に落とし込む
というプロセスが必要です。
たとえば、「利息」という仕組みについて学び、人に教えるとき、たいていは、
- 分解:
学んだ内容を「利息とは何か」「利息はなぜ発生するのか」
「元金とは何か」「単利と複利の違いは何か」などに分ける。 - 再構築:
教える相手が混乱しないよう、筋道立てて組み立て直す。 - 例に落とし込む:
「たとえば1,000円を年利10%で預けたら、1年後に利息が100円ついて、1,100円になる」など、わかりやすい例を挙げる。
という流れになるのではないでしょうか。
そして、このプロセスの中でも、特に「再構成」が、得た知識を長期記憶へ移す鍵だと言われています。
一方、ただ漫然と教科書を読んだり人の話を聞いたりする「インプット中心の学習」では、どうしても情報をそのまま受け取るだけになってしまうため、「分解→ 再構築→ 例に落とし込む」のプロセスが起こらず、記憶に定着もしないのです。
教える意識が「学習の自動化」を起こす
ここで大事なのは、「実際に誰かに教えなくても良い」という点です。
つまり、「後で誰かに教えるつもり」で学ぶだけで、脳の中で自然と「分解→ 再構築→ 例に落とし込む」のプロセスが発生し、学んだことが定着しやすくなるのです。
「なかなか学んだことが身につかない」という人は、ぜひ次の習慣を実践してみてください。
① 人に教える(聞いてもらう)
新しいことを学んだら、「明日、部下(家族)に5分で説明するなら?」と考えながら整理しましょう。
そうすると、学んだことに対する理解が深まり、記憶に残りやすくなります。
② メモを「講義ノート」にする
話を聞いたり資料を読んだりしながらメモを取る場合は、ただのメモではなく、定義/例/図解まで入れ込み、「誰かに渡す教材」のつもりで書きましょう。
そうすると、どこに理解不足があるかが一発でわかるようになります。
誰かにわかりやすく教えるつもり、伝えるつもりで学ぶ。
それこそが、もっともコスパよく記憶を定着させる方法なのです。
「教える」ことは、単なるアウトプットではない。頭の中で学習内容を整理し、深い理解へ導くための、もっとも効率的な学習技術である。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
- 時間が足りない人の共通点、体感時間が縮む科学的な理由
- やる気は待つな、5秒だけ動けば脳が回り始める
- 最強のコスパ習慣、後で教える前提が記憶を強くする
- 集中力が落ちるのは疲れじゃない、飽きる前に休む新常識
- サンクコストが人生を削る、「ここまでやったのに」を手放す思考法
- やる気が出ない日は利他が効く、誰かを喜ばせると脳が動く
