本記事は、堀田 秀吾氏の著書『時間をムダにしない人の習慣』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
飽きる前に休む
集中力が落ちるのは、疲れるからではなく飽きるから
「仕事でも勉強でも、集中するというのは、わき目もふらずにその作業を続けることだ」「集中力が切れるのは、脳が疲れたときだ」。そう思っている人は少なくないでしょう。ところが、実はその考え方こそが集中力を下げています。
イリノイ大学アーバナシャンペイン校のアリガとレラスは、「集中力が切れるのは脳のエネルギーが減るから」という定説に対して新しい説を唱えました。
彼らによると、集中が続かなくなるのは、脳が同じ目標に慣れてしまい、「この作業をがんばろう」という目的を少しずつ忘れてしまうためだといいます。
つまり、集中力が落ちるのは「疲れ」ではなく、「飽き」なのです。
ちなみに、彼らが研究で、被験者たちに単調な課題を長時間続けさせたところ、集中力は時間とともに下がりましたが、途中で「数字を思い出す」など別の刺激を短時間挟むと、集中力の低下が起こらなくなりました。
わずか数秒の切り替えが、脳を再び活性化させた。
つまり「休む」とはサボることではなく、脳を再起動することなのです。
25分集中して5分休むと集中力を維持できる
この考え方を実践的に仕組み化したのが、「25分間の集中作業と5分間の短い休憩を繰り返すことで、集中力を維持する」というポモドーロ・テクニックです。
生みの親は1980年代のイタリアの大学生、フランチェスコ・チリロ。
彼は「集中力が弱い」と悩む普通の学生で、試験勉強に身が入らず自己嫌悪に陥っていました。ある日、「せめて10分だけでも集中できるか試してみよう」と思い立った彼は、キッチンにあったトマト型のタイマーで時間を測ってみました(ポモドーロとは、イタリア語で「トマト」の意味です)。
そして10分、15分、20分と少しずつ時間を伸ばしていったところ、彼がもっとも心地よく集中できた時間が25分だったのです。
このメソッドは、「集中の天才」が作ったのではなく、集中できなかった一人の学生の工夫から生まれたわけです。
また、理化学研究所の水野の研究では、45分の作業中に脳の活動を観察すると、やる気をコントロールする側坐核の働きが次第に鈍っていくことが確認されました。
ところが、被験者に「残り10分です」と残り時間を伝えるだけで、報酬を得たときに反応する脳の部位が強く働き出したのです。
同時に、「疲れた」と感じるときに活動する脳の部位の反応は低下。
つまり、時間を区切ることが脳をリフレッシュさせ、集中を「もう一度立ち上げる」きっかけになるのです。
今すぐできる集中力を維持するための3ステップ
これらの研究からわかるのは、大事なのは「集中し続ける」ことではなく、「集中の波をつなぐ」ことだということです。
25分集中し、5分休む。区切り、休み、また始める。
こまめに脳を休ませながら進む人のほうが、結果的に長く、深く、効率よく走り続けられるのです。
ですから、集中力を維持させたい人は、ぜひ次の3ステップを実践してみてください。
【STEP1】25分だけ集中する
最初から長くやろうとしてはいけません。
タイマーをセットして、25分間「だけ」没頭してみましょう。
【STEP2】5分だけ完全に離れる
25分集中したら、5分休憩します。
そのときも、座ったままスマホを見るのではなく、立ち上がって違う動作をしてみましょう。
コーヒーを淹れる、軽く歩く、深呼吸をする……。
とにかく、脳を切り替えることが目的です。
【STEP3】「あと○分」と声に出して区切る
作業を再開したら、「あと10分だけ」「あと3問だけ」と残りを具体化。
この声がけが、脳の「やる気スイッチ」ともいえる側坐核をもう一度活性化させます。
特に、納期や締め切りが迫っているときなどは、休憩をとる時間を惜しいと感じるかもしれませんが、そういうときにこそ、集中と休憩のメリハリをつけ、効率を上げましょう。
25分集中したら5分休憩。
これを繰り返して集中の波をつなげよう。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
- 時間が足りない人の共通点、体感時間が縮む科学的な理由
- やる気は待つな、5秒だけ動けば脳が回り始める
- 最強のコスパ習慣、後で教える前提が記憶を強くする
- 集中力が落ちるのは疲れじゃない、飽きる前に休む新常識
- サンクコストが人生を削る、「ここまでやったのに」を手放す思考法
- やる気が出ない日は利他が効く、誰かを喜ばせると脳が動く
