REIT(リート)とはReal Estate Investment Trustの略で、不動産投資信託のことだ。要は「不動産から得られる賃料を証券化したもの」。ニュースなどで目にしたことがある人も多いだろうが、REITとはいったい何なのか?どうしたら購入できて、その仕組や利回り、メリット・デメリットは?ここではREITの基本的な知識について紹介する。
簡単に理解するための5つのポイント
ポイント1 REITのメリットは不動産を小口で簡単に買える
REITのメリットは、不動産投資を少額からでも始められることである。1棟10億円のビルも1万株に分ければ1株あたり10万円。このように小口に分けることで、不動産投資のハードルが下がることはREITの大きなメリットと言える。
ポイント2 REITは通常の不動産投資よりも手間がかからない
通常、アパート経営などの不動産投資は管理費や修繕費が必要で、運営の手間もかかる。一方REITは株と同じように株式市場に上場されており、株式投資と同じ感覚で投資をすることができる。
ポイント3 REITは分散投資に向いている
一般的にREITは単一の不動産ではなく、複数の不動産で構成されている。つまりREITに投資すれば、複数の不動産に分散投資していることになるのだ。またREITは、小口で購入できるため、現物の不動産投資に比べて投資資金が少なくて済む。
ポイント4 REITは現物不動産よりも建物損壊リスクが低い
災害で建物が損壊してしまうこともある。しかしREITなら、現物の不動産よりもそのリスクは低い。REITは複数の不動産で構成されており、それらの不動産の一部を買っているのと同じなので、1棟のアパート経営よりも建物損壊リスクを抑えられるからだ。
ポイント5 REITは税制面でも有利
REITは、利益の90%を出資者に配当するという条件のもと、法人税がほぼ免除されている。通常の不動産投資では、賃料収入から維持費や固定資産税、銀行の利子などを引いた残りに対して所得税がかかる。REITでは、収益をそのまま分配金(株式では配当金にあたる)にすることができるため、投資家に資金を還元しやすい。
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>>>REITとは何か?簡単に理解するための5つのポイント(2019.12.7)
不動産投資信託の購入方法や注意点とは?
日本のREIT市場であるJ-REIT市場も2001年の開設から、投資商品として一定の地位を確立したと言える。J-REITの購入方法は至ってシンプルであり、基本的には株式と同じである。証券会社に口座を開き、株式同様4桁の銘柄コードを指定し、証券取引所にて売買を行う。手数料体系も株式と同様であり、NISAを使って購入できる。
だが、J-REITは株式と異なり、購入単位が1口単位となっている点に注意したい。国内株式は単元株数が100株へ統一されたが、J-REITはこの限りではない。また、税制も基本的には株式同様であるが、J-REITの分配金において総合課税を選択した場合には、株式の配当金と異なり配当控除の対象とならないので注意が必要だ。
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>>>今さら聞けないREITの話 不動産投資信託の購入方法や注意点とは?(2018.11.26)
REITの利回りは高いのか
一般的にREITの利回りは、株や債券よりも高い。J-REITの平均分配予想金利回りは2018年10月で4.21%であるのに対し、東証一部の利回りは2%、長期金利では0.13%である。利回りはREIT、株、債券の順で高く、この順番はここ10年で変わっていない。
利回りの計算方法、仕組みは?
例えば年間の予想分配金が5,000円、1口あたりの投資額が10万円の場合、式に代入すると、
・分配金利回り=年間予想分配金(1口当たり)÷投資額(1口あたり)×100
・利回り=5,000円÷10万円×100=5%
この例では、分配金利回りは5%となる。
また、仕組みについてはREITは投資法人(一定の資産を投資して運用することを目的として設立された法人)を通して、不動産投資と運用を行う。実際の不動産の運用や資産管理などの業務は、外部に委託される。実投資法人の証券を投資家が購入することで、間接的に不動産に投資をすることができる。つまり投資法人の証券(投資口)を購入することで、投資法人から分配金を受け取れるのだ。
REITのリスク
もちろんデメリットもある。それが下記の4つのリスクだ。
リスク1、価格変動リスク 買ったREITが値下がりする可能性も
リスク2、金利変動リスク 金利上昇で借入の利子が増える
リスク3、上場廃止リスク 上場廃止されると市場で売買できなくなる
リスク4、災害リスク REIT保有の不動産が被災した場合
REITにはリスクもあるが、現物不動産と比べ小口で購入でき、市場で簡単に売買できる。今回紹介したポイントや始め方、計算方法や仕組みなどを押さえつつ、REIT投資を検討してみてはどうだろうか。
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>>>REITの利回りは高いのか――計算法や仕組みは?【不動産投資 初心者】
構成・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES
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