相手の幸せを考え、商品の先の「ストーリー」を伝えよう

トーク術,髙田明
(画像=THE21オンライン)

相手に「伝わる」ように伝えることは難しい。巧みな話術で観る人を惹きつけ、多くの人に様々な商品の魅力を伝えてきた髙田明氏。髙田氏の話し方・伝え方にはどんな秘密があるのか。そのテクニックと想いをうかがった。

最初の30秒で面白いと思ってもらえないとダメ

ラジオやテレビで商品を紹介して25年以上。まさに、通信販売界のレジェンドとも言えるジャパネットたかた創業者の髙田明氏。2015年にジャパネットたかたの社長を退いてからは、Jリーグ V・ファーレン長崎の社長を務めるとともに、『髙田明のいいモノさんぽ』(BSフジ他)で日本各地の隠れた名産品を紹介している。髙田氏が考える「『わかりやすく』『面白く』伝えることの重要性」とは。

「わかりやすく、面白く話すことはとても大事。なぜなら、人は自分が興味のある話しか聞いていないからです。どれだけ長く話を聞いても、頭に残っているのは自分が関心のある話だけだったりしませんか。だから、自分が言いたいことを伝えるためには、相手に興味を持ってもらえるように面白く、わかりやすく話さなくてはならないのです。

そのために重要なのは『話の導入』です。私は、自分が紹介する番組では、最初の30秒、1分が面白くなかったらダメだと思っています。テレビをつけて、番組の最初の2、3分が面白くなかったらザッピングしますよね。本も同じ。タイトルとか表紙を見て、ページを開いて最初の2、3行読んで面白くなかったら読まないでしょう。なんでも、最初の導入部分で『先を見たいな』と思ってもらえるような工夫が必要なのです。

導入部分に興味を持ってもらえれば、次は何があるのだろう……と続きを見てもらえます。そこで重要なのが伝える内容の構成。能の世阿弥の言葉を借りるならば『序破急』です。『序』は導入、『破』は展開、『急』は結論。現代の言葉で言えば、いわば『起承転結』ですね。とはいえ、常に最初が『序』でなければいけないわけでもなく、時には序破急の順番が入れ替わっても構いません。序破急という『論理性』を持って話を組み立てることが、わかりやすく伝えるうえで大切なのです」