「アジアの時代」はあと40年は続く!

これを踏まえてアジアを見ると、明らかに、これから本格的に景気が良くなる経済圏であることがわかる。

たとえば、中国を見てみると、第二次ベビーブームによって人口ボリュームが多い世代が40代後半の時期を過ごすのは、2025年ぐらいまで。中国の景気は心配されることが多いが、しばらくはベビーブーム世代が自分の子や家にお金を使うので、好景気が続くと予測できる。

東南アジアに関しては2030年代に40代後半の人が増え、インドに関しては2050年代に40代後半の世代が増える。

つまり、2050年代までは「アジアのどこかが景気が良い」ということになるのだ。

インドネシアやパキスタンが「テクノロジー大国」に?

また、アジアの国々の人口はますます増える傾向にあるが、人口の多さは、新しいテクノロジーを生み出す上でも、非常に重要だ。

人口とテクノロジーになんの関連があるのか、と思われるかもしれない。だが、どんなに優れた教育によって優れた技術者が育ち、その人たちが新しい技術を生み出しても、その新しい技術を取り入れる市場の規模が大きくなければ、技術は日の目を見ない。

人口が多く、しかも新しい物が好きな20代や30代前半の人たちが多くないと、新規テクノロジーは浸透しない。つまり中高年が多い国からは─―イノベーションを生み出すのは不可能ではないけれど─―なかなか困難。テクノロジー大国に、なりづらいのだ。

その点、アジアにはテクノロジー大国になれる条件を満たしている国がいくつもある。

国連の予測では、2050年に最も人口が多い国は、16億5898万人のインド、2番目に、13億6446万人の中国が続き、ほかにも3億2155万人のインドネシア、3億694万人のパキスタン、2億193万人のバングラデシュなど、トップ10に5つの国がランクインしている。他にもベトナムやミャンマー、カンボジアなど、人口を伸ばすと見込まれる国が目白押しだ。

こうしたデータを踏まえれば、アジアが、圧倒的に世界の成長とイノベーションの源泉になることに、疑いの余地はない。