AIやIoTでは大企業に敵わない。だが……

インパクトカンパニー,神田昌典
(画像=THE21オンライン)

『非常識な成功法則』『2022-これから10年、活躍できる人の条件』など数々のベストセラーを輩出し、「日本のトップマーケター」にも選出されたカリスマ経営コンサルタント・神田昌典氏。

その神田氏が満を持して送り出すのが、最新刊『インパクトカンパニー』だ。本書によれば、仮想通貨の基礎技術として知られる「ブロックチェーン」こそ、中小企業の救世主になる可能性があるという。それはいったいなぜなのか。新著から抜粋してお届けする。

ブロックチェーンの何が「革命的」なのか?

世の中の様々な分野での活用が進められている「ブロックチェーン」。仮想通貨はもちろん、歯科医療を変えるべく立ち上げられた「デンタコイン」や、オーストラリア発の電力プロジェクト「パワーレジャー」、住宅などすべての資産を証券化することを目指す「トラストトークン」など、さまざまなサービスが立ち上がろうとしている。

では「なぜ、ブロックチェーンは革命的と言われるのか」――その理由について、少し歴史的な観点からお話ししよう。

ブロックチェーンによって進められているプロジェクト……その多くは、ブロックチェーンが登場する前はいずれも、政府などの中央集権の機関が関わっていた分野である、ということだ。

日本で言えば、歯科医療の報酬を定めていたのは政府による医療保険だし、住宅ローンや電力供給も、国の関与が強い分野だ。通貨制度は言うまでもない。こうしたシステムを維持するためには、国家のような中央集権の力が必要だったのだ。

ところが、ブロックチェーンが登場したことで、中央集権の機関を介さずとも、個人対個人(ピア・トゥー・ピア)で、これらのサービスが利用できるようになった。