「働き方改革関連法」から感じ取れるものとは?
以上が、今回行われた「働き方改革関連法」による改正のポイントです。
全体として言えるのは「仕事に縛られる」という状況から、個人が自由に働くという傾向が強くなってきているのが見て取れます。それは残業時間の上限や年休取得の促進についても言えることですし、高度プロフェッショナル制度の導入やフレックスタイムの柔軟な運用が可能になったことなどにも言えます。日本人の働き方が成熟してきたとも言えますし、一方で、一人ひとりが自分の働き方に責任を負う必要が出てきているということでもあります。
これは労働基準法だけの話ではありませんが、法律が変わるときというのは、必ずその裏に何らかの時代の要請や意図のようなものがあるものです。そのあたりに注目すると、一見、無味乾燥に思える法律関連のニュースなども、楽しみながら読むことができるようになるのではないかと思います。
(『「働き方改革関連法」早わかり』より一部加筆・修正)
「働き方改革関連法」早わかり
いよいよ2019年4月1日施行開始!「働き方改革関連法」の内容をコンパクトに解説する、入門書の決定版が登場。「残業時間に上限ができる」「年休取得が義務化される」「残業代が高くなる」「高度プロフェッショナル制度が導入される」「フレックスタイム制が柔軟になる」「パート、契約社員、派遣社員の扱いが変わる」……これら今回の法改正には、はたしてどんな意味があるのか。そもそも、元々のルールはどういうもので、それがどのように変わるのか。それを、人事などの専門家向けではなく、あくまで一般社員向けに説く。一般社員にとっては、自分たちの権利を守るため。そして経営者や管理職にとっては、法違反をしないために。「新しい仕事のルール」の一番わかりやすい入門書。(『THE21オンライン』2019年02月25日 公開)
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