残業時間の上限、年休の義務化、高プロ制度……何がどう変わった?

働き方改革関連法,布施直春
(画像=THE21オンライン)

2019年4月1日よりいよいよ施行される「働き方改革関連法」。70年に一度の改革と呼ばれるが、何がどう変わったのか、いまいち理解できていない人も多いだろう。

そこで、長年労働法や労務管理に携わり、近著『「働き方改革関連法」早わかり』を発刊した労務のプロ・布施直春氏に、「働き方改革関連法ってつまり何」について聞いてみた。

いよいよ始まる「70年に一度の大改正」

2018年6月に通常国会で成立し、2019年4月1日よりいよいよ施行される「働き方改革関連法」。誤解されがちなのですが、この「働き方改革関連法」とは、新しい一つの法律ができる、というわけではなく、労働基準法や労働安全衛生法、パートタイム労働法、労働契約法など労働関係の8つの法律に加えられる改正の総称を指します。

中でも一番有名なのが労働基準法でしょう。労働時間や休日、賃金など、労働条件の最低基準を定める法律で、まさに仕事における基本的なルールのほとんどが、この法律によって決められています。

ただ、「改正」とはいっても、巷で「70年に一度の改革」と言われているように、かなり大きなものとなっています。これまでも労働基準法を始めとした労働法は時代に合わせて適宜改正されてきましたが、これほど一気に、大きな改正が行なわれるのが珍しいことは事実です。

時代が変われば、働き方も変えるべき

では、そもそもなぜ、このタイミングで改正が行なわれることになったのか。これはやはり、昨今話題になっている「働き方改革」を、法律面から推進するためということになるでしょう。

働き方改革は安倍内閣の「1億総活躍社会」実現のために提唱されたものではありますが、政府の号令を待たずして、多くの企業が自主的にこの働き方改革を進めてきたという実情があります。それだけ、以前とは仕事のやり方が変わってきており、今までの人事体系や組織体制では、そうした動きに対応できないという危機感が、官民ともにあったということでしょう。

そもそも「労働基準法」が制定されたのは戦後間もない1947年。それから日本人の働き方は大きく変わってきました。戦後の復興期から高度成長期にかけては、モノを作れば作るほどどんどん売れていった時代。長時間労働が美徳とされ、「モーレツ社員」などという言葉が生まれ、「24時間戦えますか」というCMのフレーズがもてはやされるような時代でした。

一方、バブル崩壊後は一転、「モノ余り」「デフレ」の時代が長く続くことになりました。仕事の性質も変わり、長時間労働=成果とは言えなくなるとともに、ワークライフバランスの考え方も浸透。女性が働き手として存在感を高めるなど、多くの変化がありました。そう考えたとき、新しい時代に対応するための「働き方改革」はやはり、必然と言えるでしょう。