バカらしく思うくらい易しい英文から始めよう
その経験から、短文暗唱をもとに、より実践的な学習トレーニングとして確立したのが「瞬間英作文」です。
瞬間英作文のトレーニングは、三つステージに分けて進めます。
第1ステージは、中学レベルの文型を使い、正しくスピーディーに英文を作る能力を身につけることが目標です。
学習に使う教材は、なんでもかまいませんが、単語や表現に難しいものがいっさい入っていないものを選んでください。具体的には、こんな感じです。
これは良い本です。
→ This is a good book.
彼女は私の先生です。
→ She is my teacher.
あの男の人たちは誰ですか?
→ Who are those men?
いかがでしょうか。きっと「簡単すぎる」と思ったでしょう。
でも、第1ステージでは、「バカらしいほど易しい文」を使うことが重要なのです。
難しい単語や表現が含まれていたら、その単語や表現を使うことにエネルギーを使ってしまいます。できるだけ簡単な例文を使うことで、速くたくさん英作文することだけに集中できるのです。
それに、英文を見れば簡単でも、いざ口に出して英作文をしようとすると間違ってしまうことが多いもの。私も最初の頃は、「これは本ですか?」を英訳しようとして「Is this is a book?」とisを2回口にしてしまう、といったミスをよくしていました。
皆さんも、実際にやってみれば、「わかる」と「できる」の差を実感できるはずです。
文型・文法別に練習して英文の「型」を覚える
教材を選ぶもう一つのポイントは、文型・文法別に例文が並んでいるものを使うこと。
例えば、
これは良い本です。
→ This is a good book.
これは正しくない。
→ This is not right.
これは塩ですか?
→ Is this salt?
というように、「this」を使った文型の様々なバリエーションが並んでいる教材を使うことで、「this」を使った文型をしっかりと身につけることができます。
第1ステージは、お稽古事やスポーツにたとえるなら、「型」を覚える段階です。テニスの初心者が素振りを繰り返して基本のフォームを覚えるように、同じ文型の英作文を繰り返すことで、英語を使いこなすための型をしっかりと固めましょう。
[教材の例:森沢洋介著『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』ベレ出版]