準確定申告留意点

所得と税額の計算期間は1月1日~亡くなった日までとなり、翌年の2月16日~3月15日までの間に申告と納税をします。払い過ぎていた場合には、還付金が戻ってくるかもしれません。

また申告には期限があり、亡くなった事を知った日の翌日から4カ月以内に申告と納税をしなければいけない事になっています。では、期限が過ぎたらどれだけの延滞税がかかってしまうのか、気になりますね。

超過から2ヶ月間は「年4.3%」、2か月を超えると「年14.6%」もの上乗せ税がかかります。さらに「遅れた」のではなく、故意に申請をしない「無申告」と判定されると、納付すべき金額の15%~20%が上乗せされてしまうのですから、速やかに申請を済ませた方が賢明でしょう。どうせ払わなきゃいけない税金なので、早め早めの対応が一番です。

準確定申告の申告者は?

相続人が準確定申告をします。

≪相続人が2人以上いる場合≫

各相続人の連署または、他の相続人の許可をとって氏名を付記し、各人が別々に提出する事が出来ます。

申告作業は難しくありませんが、相続税がかかる方は相続税がある場合はその申告と一緒に税理士にお願いする方が多いようなので、提出する書類を用意して専門家のアドバイスを受けた方が良いでしょう。

準確定申告に必要な書類について

  • 相続後に送られてくる公的年金等の源泉徴収票
  • 医療費の領収書(医療費控除で使います)
  • 社会保険料の領収書
  • 生命保険料控除の証明書

などが必要になります。どこに申告するのかというと、被相続人の死亡当時の住所地を管轄する税務署になります。相続人の住所地を管轄する税務署ではないので、申告場所にはくれぐれもご注意ください。

準確定申告の控除枠の種類

≪医療費控除≫

被相続人の死亡の日までに被相続人が支払った医療費が対象となります。亡くなった日付以降の入院費支払いは対象外なので、その医療費控除に関しては生計を一にする相続人が、自身の医療費控除として申告する事になります。

また、この亡くなった後に支払われた医療費は、相続上の「債務」として控除できるので、必ずコピーをとって保管していてください。申告時に使うと節税になります。

≪社会保険料・生命保険料・地震保険料控除≫

被相続人の死亡の被までに被相続人が支払った保険料の金額です。

≪配偶者控除・扶養控除≫

扶養の判定は被相続人の死亡の時の現況で判定されます。

被相続人の扶養親族になっていて準確定申告で扶養控除した場合でも、12月31日の時点で他の相続人の扶養親族に該当する場合、同じ年度分のその相続人の扶養親族になる事が出来ます。1人の扶養親族が、同じ年度に被相続人と相続人の扶養親族になる事が出来るという事です。これは毎年できる節税対策ではなく、準確定申告時に使える特別なケースでの方法ですので、ぜひ活用しましょう。

手続きでは、故人に敬意をはらう

被相続人が生きていた証、頑張ってくれた証で準確定申告が発生するわけですから、金額や手間の事は口に出さずに対処したいものです。被相続人への感謝の気持ちを添えて、申告をしましょう。納税の必要がなく、逆に還付金があるかもしれません。

準確定申告はそんなに難しい作業ではないけれど、相続税などが発生する場合は税理士に相談・依頼するケースが多いです。準確定申告はサラリーマンの方などで年町調整やその後の医療費控除などを申告したことがある方なら、似たような作業工程だとお解り頂けるでしょう。

被相続人がするはずだった申告を変わりにするだけ、しかも同じ年度でも扶養親族は被相続人と相続人の両方の扶養として申告が出来るので、減税対策にもなります。申告期限には十分気をつけて、早めの対応をはかりましょう。

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