今すぐ本を出しなさい
水野 俊哉 (みずの・としや)
作家、出版プロデューサー、経営コンサルタント、富裕層専門コンサルタント。著書にシリーズ10万部突破のベストセラーとなった『成功本50 冊「勝ち抜け」案内』(光文社)の他、『「法則」のトリセツ』(徳間書店)、『お金持ちになるマネー本厳選「50冊」』(講談社)、『徹底網羅!お金儲けのトリセツ』(PHP 研究所)、『幸福の商社不幸のデパート』『「99%の人が知らない」人生を思い通りに動かす大富豪の教え』(いずれもサンライズパブリッシング)など27 冊、累計40万部を突破している。最新刊に『今すぐ本を出しなさい ビジネスを成長させる出版入門』(秀和システム)

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自分がナンバー1になれるジャンルはどう探す?

ナンバー1がない人は、自分でジャンルを作ろう

もしも「自分には立派な肩書がない」「派手な経歴など持ち合わせていない」という人でも、心配はいりません。何も思い浮かばないという人は「このジャンルであれば、自分はナンバー1だ」と言えるものを探し、それを自分の強みとして全面に前に出すのがおすすめです。

そんなに簡単にナンバー1のものなんて見つからない……と思ってしまうかもしれませんが、大丈夫です。その場合は、まだ誰も立ち上げていないようなジャンルで、勝負をすればいいのですから。

例えば、「コーヒーに詳しい人」は日本中たくさんいるでしょう。でも、例えば、「〇〇 のコーヒーに詳しい人」であれば、どうでしょうか。

「コンビニ販売のコーヒーについて日本で一番詳しい」という庶民的なもの。

「5つ星ホテルのラウンジコーヒーについて誰よりも詳しい」というハイクラスなもの。

「東京都の港区の喫茶店のコーヒーについて誰よりも詳しいもの」というエリアを限定したものまで、非常に幅広いジャンルを立ち上げることができます。

ニッチ過ぎて誰にも需要がないのではと思ってしまうかもしれませんが、誰もそのジャンルに強い人がいないものであればあるほど、案外ニーズは高いものです。

自分にとっては当たり前のことがテーマになることもある

それ以外なら、プロならば当然の知識だけれども、素人は知らないという業界知識を解説するというのも手です。

例えば、プロの料理人が教える、美しい刺身の切り方やうまい和食の作り方などがあれば、知りたいと思う人は多いのではないでしょうか。

案外探してみれば、「あなたにとっては当たり前のことでも、世の中の大多数の人にとっては知らない知識」をあなた自身が持っている可能性は非常に高いのです。

ぜひ、一度自分の能力の棚卸ろしにトライしてみてください。

流行はどうやって取り入れる?

流行のキーワード×得意ジャンルの組み合わせでヒットが生まれる

後は、流行のキーワードと自分の得意ジャンルを掛け合わせてテーマを組み合わせるというのもコツです。

例えば、ここ数年はアドラー心理学が話題になりましたが、この「アドラー」というキーワードと「おそうじ」をテーマを掛け合わせて、ヒットを出したのが東京在住の主婦だった丸山郁美さんです。

彼女は、2013年に、サンケイリビング新聞社主催の主婦の技を競うSHUFU-1コンテストで準グランプリを受賞。アドラー心理学のポイントを抽出して、応用したおそうじ術を提案し、『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』(かんき出版)を出版して、話題になりました。

「おそうじ」はごくごくありふれたテーマに感じられますが、流行のテーマやキーワードと掛け合わせることで、既存のものとは一味違うジャンルを立ち上げることができるのです。

ブログやSNSは出版に役立つ?

無名の高校教師でも何冊もの本を出せた理由

自分にはたいした肩書がないと思ったとしても、見せ方次第ではヒットメーカーになれる可能性もあります。

実際に私の周囲を見てみても、高校の先生や主婦、大学生など、ごくごく当たり前のような肩書の、「目立つ実績が何もない人」たちが本を出しているケースもまれにあります。

例えば、私のセミナーの元・受講生の一人である「マロン先生」こと栗田正行さんは、現役の高校教師でした。仕事を続けているうちに「本当にこの仕事だけでいいのか」「何か自分の強みを見つけたい」と思い、本の執筆を志したそうです。

ただ、もちろん知名度も何もない普通の高校の先生が本を出すのはなかなか難しいもの。

そこで、彼が始めたのがブログでした。自分の教育論や勉強法、子育て術などについて、自分のブログで情報発信をしていくことにしたのです。

ブログで何年間も地道に執筆を続けていった結果、次第に読者は伸びていき、固定の読者層を確保。その功績が出版社側からも認められて、現在では何冊もの本を出す著者になっています。

出版社側もブログやSNSを重視している

自分の情報にはどういうニーズがあるのか。

また、どういう情報に人は価値を見出すのか。

その感覚を養っていくには、ブログやSNSはとても有意義なものだと思います。

しかも最近は、出版社側も本を出した後のPR効果や潜在読者のことを考慮して、インターネット上で固定の読者層がいる人を重宝する傾向にあります。SNSのフォロワーが1万人以上だったり、ブログの読者数が数十万人以上、メルマガ読者が数千人以上など、具体的な数字を一定のラインとして定めている会社もあるほどです。

時間はかかりますし、誰もがネットを使う時代だからこそ簡単ではないと思うかもしれませんが、今から地道にインターネット上で情報発信を始めていけば、数年後にはあなたにとって貴重な財産になっているかもしれません。