【目次】
①マクアケIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/2更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【11/28更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社マクアケ
- コード
- 4479
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 中山亮太郎 /1982年生
- 会社住所
- 東京都渋谷区渋谷2-16-1
- 設立年
- 2013年
- 社員数
- 60人(2019年10月31日現在)
- 事業内容
- クラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」の運営等
- URL
- https://www.makuake.co.jp/
- 資本金
- 132,995,000円 (2019年11月8日現在)
- 上場時発行済み株数
- 10,966,000株
- 公開株数
- 2,545,000株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/11/25→1,500~1,550円に決定
- ブックビルディング期間:2019/11/26 - 12/02
- 公開価格決定:2019/12/03→1,550円に決定
- 申込期間:2019/12/04 - 12/09
- 上場日:2019/12/11→初値2,710円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 大株主
- (株)サイバーエージェント 71.36%
- KSK ANGEL FUND LLC 13.71%
- 中山亮太郎 5.05%
- 坊垣佳奈 2.45%
- 木内文昭 2.45%
- 堀越寶世 1.83%
- 生内洋平 0.55%
- 矢内加奈子 0.37%
- 森恵 0.37%
- 中村剛 佐藤啓 木曽恵里夏 0.27%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2016/09 単体実績
204,721 -87,459 -61,452 -31,103 - 2017/09 単体実績
478,961 61,579 43,478 83,365 - 2018/09 単体実績
958,003 156,189 112,890 196,255 - 2019/06 第3四半期単体実績
916,773 59,280 41,976 238,231 - ロックアップ情報
- 株式会社サイバーエージェント、KSK ANGEL FUND LLC、中山亮太郎、堀越寶世、坊垣佳奈、木内文昭は上場後90日目の2020年3月9日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 39億4475万0000円(2,545,000株×1,550円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 944,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社マクアケ<4479>はクラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」を運営する企業である。尚、サイバーエージェント<4751>の連結子会社である(株主シェア71%を保有)。
■事業内容詳細
同社は国内No1購入型クラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」を運営している。また企業向けに「Makuake Incubation Studio」サービスも提供している。
●「Makuake」サービスについて
「Makuake」サービスでは、クラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」の運営を手掛けている。同サービスは新しいアイディアや優れた技術等を用いた製品やサービスの実現を希望する、企業や個人とそのプロジェクトを支援する複数の個人を、インターネット上でマッチングするサービスである。
プロジェクト実行者が予め設定した支援額に応じ、リターンを目的として支援者が支援(購入金額の前払い)を行う仕組みであり、新製品・新サービスの予約購入サービスの側面も有している。
尚、「Makuake」サービスを活用したプロジェクト事例としては、『この世界の片隅に』のアニメ映画化支援が有名である。
●「Makuake Incubation Studio」サービスについて
「Makuake Incubation Studio」サービスは、企業等が有する研究開発技術を活用した新事業を創出するため、新製品の企画などを実現する各種インキュベーションサービスを提供している。
「Makuake」を出口に据えることで、消費者の反響を確認した上で量産化の意思決定が可能である。
■同社クラウドファンディングプラットフォームの特徴
同社ではプロジェクト実行者が「Makuake」サービスを活用する際に、全てのプロジェクトに担当キュレーターを配置し、コンサルティングサポートを実施している。
またプロジェクト成立後は、全てのプロジェクトに対しCSチームにて定期的な報告状況の確認を行い、支援者とのコミュニケーションを促すとともに、成果物納品までの見える化を実施している。
上記施策もあり、同社は既存会員のリピート購入による安定した顧客基盤を有し、プロジェクトが成立しやすい環境を整備している。
プロジェクトの決済総額は四半期毎に増加しており、2019年9月期Q4は16億円を突破した。またリピート決済率も74.9%と非常に高い水準にある。また会員数も右肩上がりに増加しており60万人を突破した。
■部門別売上高
2018年9月期 売上高9.6億円
・「Makuake」サービス 売上高7.0億円
・「Makuake Incubation Studio」サービス 売上高1.2億円
・「その他」サービス 売上高1.4億円
プロジェクトが成立した場合、プロジェクト実行者に対し手数料等を控除した支援金が提供されるが、同社の売上高は本手数料から構成されている。
また「Makuake」サービスを通じて創出された商品を、「Makuakeストア」にて販売取次するサービスも提供しており、本サービス等が「その他」サービスに該当する。サイトにおける販売実績に基づく手数料を同社は受領している。
■業績推移
2017年9月期 売上高4.8億円、経常利益0.6億円、当期純利益0.4億円
2018年9月期 売上高9.6億円、経常利益1.6億円、当期純利益1.1億円
2019年9月期 売上高13億円、経常利益1.3億円、当期純利益0.9億円
2020年9月期(予想) 売上高22億円、経常利益4.8億円、当期純利益3.3億円
大幅な増収が続いている。ただし利益面では2019年9月期は対前年同期比では若干の減益となった。
2020年9月期は大幅な増収増益を予想しており、利益は経常利益及び当期純利益ともに3倍以上の伸びを予想している。
尚、公開申請決算期は2018年9月期であり、期越え決算での上場である。
■財務状況
2018年12月期末時点で、資産合計9.6億円に対し純資産合計2.0億円、自己資本比率21%である。
借入金0.6億円に加え、支援者からの預り金が負債の部に5.1億円計上されている。一方で現預金6.9億円を保有。預り金と借入金の合計額より多額の現預金を有しており、財務的な懸念事項はない。
■資金使途
IPOにより21億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・事業サービス強化のためのシステム開発及び改修 9.5億円
・人材採用費及び人件費 5.0億円
・借入金の返済 0.7億円
ユーザー利便性の向上及び社内業務効率の向上などを目的とした、システム投資に調達金額の約半数が投じられる。
尚、公募株数980,000株に対して売出株数1,946,700株であり、売出株が公募株より多いIPOである。
■株主構成
親会社のサイバーエージェントが筆頭株主として71%の株式シェアを有している。第2位株主のKSK ANGEL FUND LLCはプロサッカー選手である本田圭祐氏が運営に関与するファンドである。
また中山社長は第3位株主(株主シェア5.1%)である。他は個人株主のみの状態であり、ファンドや法人の出資はない。
尚、サイバーエージェントは保有7,800,000株のうち1,315,000株を売出に拠出するが、IPO後も大株主に留まる考えである。
■まとめ