【目次】
①️カクヤスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/10更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【12/4更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社カクヤス
- コード
- 7686
- 市場
- 東証2部
- 業種
- 卸売業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 佐藤順一 /1959年生
- 会社住所
- 東京都北区豊島2-3-1
- 設立年
- 1982年
- 社員数
- 1,513人(2019年10月31日現在)
- 事業内容
- 酒類・食品等の料飲店および一般個人向け販売
- URL
- https://corp.kakuyasu.co.jp/
- 資本金
- 100,000,000円 (2019年11月18日現在)
- 上場時発行済み株数
- 7,525,000株
- 公開株数
- 2,042,000株
- 連結会社
- 3社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/12/03→1,520~1,600円に決定
- ブックビルディング期間:2019/12/05 - 12/11
- 公開価格決定:2019/12/12→1,600円に決定
- 申込期間:2019/12/13 - 12/18
- 上場日:2019/12/23→初値1,866円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 大株主
- (株)SKYグループホールディングス 87.16%
- カクヤス従業員持株会 2.70%
- 佐藤順一 0.25%
- 田島安希彦 0.20%
- 並木吉彦 0.12%
- 赤坂敏明 0.12%
- 関口信彦 0.12%
- 森山雅司 0.07%
- 新里正 0.07%
- 川口雅博・・・他同率32名 0.07%
- 業績動向(単位:百万円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/03 単体実績
110,963 748 497 3,614 - 2018/03 連結実績
110,044 1,071 434 4,315 - 2019/03 連結実績
108,715 1,806 745 4,682 - 2019/09 第2四半期連結実績
55,198 805 510 5,006 - ロックアップ情報
- 株式会社SKYグループホールディングス、佐藤順一、田島安希彦、並木吉彦、赤坂敏明、関口信彦は上場後90日目の2020年3月21日まで、カクヤス従業員持株会は上場後180日目の2020年6月19日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 32億6720万0000円(2,042,000株×1,600円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 770,800株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社カクヤス<7686>は「なんでも酒やカクヤス」などの店舗を展開し、酒類や食料品の販売事業などを手掛ける企業である。外食産業等に対する業務用の出荷が7割を超えており、業務用主体の売上構成となっている。
■事業内容詳細
同社は「なんでも酒やカクヤス」を中心に事業展開を行い、酒類や食料品の販売を行っている。
「なんでも酒やカクヤス」はピンク色の看板が知られており、東京都23区を中心に横浜や大阪等にドミナント展開している。また一部エリアでは顧客先への無料配達サービスも提供している。
●店舗数
同社では「なんでも酒やカクヤス」に加えて、郊外型の大型店「KYリカー」、個人向けギフト花需要に応えるためお酒と花をセットで販売するセレクトショップ「CORK」も展開する。
2019年3月末時点で「なんでも酒やカクヤス」172店、「KYリカー」等32店を出店している。
「カクヤス」は全172店中、東京23区内が145店であり、東京23区中心の出店である。また「KYリカー」は32店舗中21店舗が神奈川県に所在する。
■売上区分について
同社は酒類販売事業の単一セグメントであるが、売上高は主に居酒屋やレストランなどの業務用顧客が対象の「業務用売上」、一般家庭やオフィスに配達を行う「宅配売上」、各店舗の一般来店客が対象の「POS売上」、同業者への販売となる「卸その他売上」の4つに分類されている。
2019年3月期の売上構成は下記である。
・業務用 71.2%
・宅配 14.8%
・POS 13.8%
・卸その他 0.2%
業務用が7割以上を占める状態である。
同社は業務用センターを首都圏と大阪府で11箇所(2019年10月末時点)有しており、業務用顧客に対し配達を行っている。また店舗と小型倉庫棟を173箇所(2019年10月末時点)配置しており、リヤカーや軽自動車での配達も行っている。
2019年3月期の出荷拠点別売上構成比は下記である。
・業務用センター 44.9%
・なんでも酒やカクヤス 47.9%
・KYリカー他 7.1%
業務用売上が70%以上を占めているが、実際の配送は業務用センターの比率も44.9%と大きいながら、店舗経由での配達が半数以上(なんでも酒やカクヤス47.9%、KYリカー他 7.1%)となっている。
■業績推移
2017年3月期 売上高1,110億円、経常利益7.5億円、当期純利益5.0億円
2018年3月期 売上高1,100億円、経常利益11億円、当期純利益4.3億円
2019年3月期 売上高1,087億円、経常利益18億円、当期純利益7.5億円
2020年3月期(予想) 売上高1,105億円、経常利益18億円、当期純利益9.5億円
※2018年3月期より連結決算
売上高は概ね1,100億円前後を推移する状態である。経常利益は2018年3月期の連結決算開始後は10億円を突破している。
2020年3月期は経常利益が対前年同期比で横ばいの予想であるが、当期純利益は若干の増益が予想される。2019年3月期は店舗等の減損を▲5.2億円特別損失で計上したが、今期は▲0.9億円に留まる見込みであり、当期純利益は増益の予想である。
2020年3月期はQ2(累計)で売上高552億円、経常利益8.1億円であり、通期予想達成に向け順調に進捗している。
■財務状況
2019年3月期末時点で、資産合計289億円に対し純資産合計47億円、自己資本比率16%である。借入金59億円に対し、現預金18億円と受取手形及び売掛金88億円を有している。
尚、貸借対照表上最大の科目は買掛金の137億円となっている。
また営業活動によるキャッシュ・フローは2018年3月期+3.8億円、2019年3月期+20億円とプラスで推移している。
■資金使途
IPOにより4.0億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・ECサイトの開発 0.7億円
・店舗のPOSレジ更新費用 1.0億円
・平和島流通センターの倉庫作業効率化投資 1.0億円
・「なんでも酒やカクヤス」の店舗新設及び改修資金 1.0億円
・長期借入金の返済資金の一部 0.3億円
店舗及び物流施設への投資に、調達資金の大半が投じられる。
尚、公募株数285,000株に対し、売出株数1,757,000株と売出株数が多いIPOである。
また東京証券取引所市場第2部への上場が予定されている。
■株主構成
筆頭株主は同社グループの持ち株会社である株式会社SKYグループホールディングス(株式シェア87%)である。尚、SKYグループホールディングスは2016年1月に持ち株会社体制への移行のため、株式交換により設立された。
金融機関やファンド、法人株主は存在せず、個人株主中心の株主構成となっている。
■まとめ