2019年も残すところあとわずかとなった。本特集では新たな年のはじまりを前に、金融業界の各テーマごとに、この一年を振り返っていきたい。
第5回のテーマは「ユニコーン企業」。HiJoJo Partners、CEOのスピリドン・メンザス氏に寄稿いただいた内容をお届けする。
2019年の米国市場は、IPO件数が増加するもパフォーマンスは低下
2019年はIPOを目指すユニコーン企業にとって追い風・向かい風ともに吹く一年だった。
米国のIPO市場全体では、年内のIPO件数は245件(前年比1.3倍)、資金調達額は合計で570億USドル(前年比1.4倍)に達する見込みで、そのうち2019年12月6日までにIPOした167件のパフォーマンスはプラス8.5%となった。
セクター別では、生活必需品、ハイテク、金融が特に好調だったが、通信サービスはマイナス27%と非常に低調であった。
IPOした銘柄全体のパフォーマンスは、電子署名サービスのDocuSign(ドキュサイン)<DOCU:NASDAQ>やクラウド人事給与サービスのCeridian(セリディアン)<CDAY:NYSE>、データ検索・分析ソフトウェアのElastic NV(エラスティック)<ESTC:NYSE>等の強い業績に支えられプラス26%と非常に好調で、セクター別のパフォーマンスは生活必需品、ハイテクが絶好調。素材が低調であった。(出所:Bloomberg)
2019年のIPO銘柄についてさらに詳しく見ていこう。まずはIPO後、評価額が大幅に上がった「勝ち組」から紹介する。
IPOし評価額が大きく上がった「勝ち組ユニコーン」3選
(データ出所:Pitchbook data, Inc. Bloomberg:2019年12月6日時点)