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【目次】
①️関通IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/9更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/4更新】 ※有料会員限定

会社名
株式会社関通
コード
9326
市場
マザーズ
業種
倉庫・運輸関連業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 達城 久裕 /1960年生
会社住所
大阪府東大阪市長田一丁目8番13号
設立年
1986年
社員数
229人(2020年1月31日現在)
事業内容
主にEコマースを展開する顧客の配送センター業務を代行する「EC・ 通販物流支援サービス」等
URL
https://www.kantsu.com/
資本金
110,750,000円 (2020年2月13日現在)
上場時発行済み株数
2,875,000株
公開株数
850,000株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2020/02/28→470~490円に決定
ブックビルディング期間:2020/03/03 - 03/09
公開価格決定:2020/03/10→490円に決定
申込期間:2020/03/11 - 03/16
上場日:2020/03/19→初値1,032円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:みずほ証券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:エース証券
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:極東証券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:むさし証券
大株主
ロジ・エステート(株) 50.72%
達城久裕 20.29%
楽天(株) 9.13%
達城利卓 2.33%
達城利元 2.23%
達城裕佳 2.23%
達城太貴 2.13%
朝倉寛士 2.03%
松岡正剛 2.03%
(株)紀陽銀行 1.42%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2017/02 単体実績 
4,263,414 30,776 -25,344 130,829
2018/02 単体実績 
5,254,794 139,563 55,980 202,334
2019/02 単体実績 
6,468,296 103,944 78,583 466,788
2019/11 第3四半期単体実績 
5,319,951 154,180 104,371 563,675
ロックアップ情報
指定された株主は上場後180日目の2020年9月14日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
4億1650万0000円(850,000株×490円)
潜在株数(ストックオプション)
189,500株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社関通<9326>はEコマースを展開する顧客の配送センター業務などの代行を手掛ける、大阪に本社を置く企業である。楽天<4755>と資本業務提携を行っている。


■事業内容詳細
同社は物流サービス事業として下記サービスを提供している。

・EC・通販物流支援サービス
・受注管理業務代行サービス
・ソフトウェア販売・利用サービス
・物流コンサルティングサービス
・楽天スーパーロジスティクスサービス

またその他事業として、外国人技能実習生教育サービスなども手掛けている。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●EC・通販物流支援サービス
EC・通販物流支援サービスは、主にEコマース及び通信販売事業を展開する顧客の販売商品の入庫、在庫管理及び出庫等の配送センター業務を受託し、顧客に代わり配送センター業務を行うサービスである。

2000年頃のインターネット通販の黎明期から培ってきたノウハウを持ち、そのノウハウを自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」に機能として搭載すること等により、サービスを提供している。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●受注管理業務代行サービス
EC・通販物流支援サービスの上流工程に位置し、Eコマースにおける購入者の注文内容の確認、電子メール対応や入金確認、出荷指示データ作成等の業務を受託している。

●ソフトウェア販売・利用サービス
同社で開発して利用し成果のあったソフトウェアを顧客に提供するサービスである。倉庫内業務の効率化を実現する「クラウドトーマス」、クラウド型のチェックリストシステム「アニー」が主力製品となっている。

●物流コンサルティングサービス
同社のノウハウを活用し、物流現場改善による生産性の向上による効率化等を目的としたコンサルティングサービスである。

●楽天スーパーロジスティクスサービス
同社は2019年2月に楽天株式会社<4755>と資本・業務提携している。同年3月に「Rakuten Fulfillment Center Amagasaki」(兵庫県尼崎市)を開設しサービス提供を開始した。楽天が主に楽天市場の出展者向けに提供する物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」の業務を受託し、楽天の顧客に同サービスを提供している。


■拠点
下記のように関西中心の拠点構成であるが、関東にも3拠点を有している。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■主要顧客
2019年3月期に全体売上高の10%以上を計上した主力顧客は下記となっている。

・クックデリ株式会社(高齢者向けの食事の配送:売上割合12%)
・株式会社グァルダ(アパレルの通信販売:同11%)

ただし2020年3月期Q3時点では全体売上高の10%以上を計上する顧客は存在しておらず、幅広い顧客を対象にサービスを提供している。


■業績推移
2017年2月期 売上高43億円、経常利益0.3億円、当期純利益▲0.3億円
2018年2月期 売上高53億円、経常利益1.4億円、当期純利益0.6億円
2019年2月期 売上高65億円、経常利益1.0億円、当期純利益0.8億円
2020年2月期(予想) 売上高74億円、経常利益2.1億円、当期純利益1.3億円

年間約10億円の着実な増収を続けており、2020年2月期は経常利益2億円・当期純利益1億円の大台突破を予想している。ただし2019年2月期の経常利益率は1.6%と低水準に留まる。

今期(2020年2月期)はQ3時点で売上高53億円、経常利益1.5億円であり、通期予想達成に向けて進捗は順調である。


■財務状況
2019年2月期末時点で資産合計53億円に対し純資産合計4.7億円、自己資本比率8.8%である。

借入金40億円に対し、現預金19億円を保有している。

物流施設向けの土地11億円、建物5.6億円を始め有形固定資産合計18億円を計上。借入金により物流関連施設所有のための資金調達が行われた状態である。


■資金使途
IPOにより3.1億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。

・EC・通販物流支援サービスにおけるソフトウェアのバージョンアップ 0.7億円
・埼玉県和光市に新設の物流センターの物流設備等 0.9億円
・兵庫県尼崎市に新設の物流センターの物流設備等 1.6億円

調達資金の大半は物流センターへの設備投資に投じられる。


■株主構成
筆頭株主(株主シェア51%)のロジ・エステート株式会社は遠藤社長の資産管理会社である。また遠藤社長は個人でも第2位株主(同20%)。遠藤社長の関係先で株主シェアの70%以上が所有されており、安定的な株主構成である。

第3位株主は資本・業務提携を行っている楽天(同9.1%)。

また紀陽銀行(同1.4%)及び同行の系列の紀陽リース・キャピタル(同0.6%)が株主参入している。


■まとめ