【目次】
①️日本インシュレーションIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/10更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/4更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 日本インシュレーション株式会社
- コード
- 5368
- 市場
- 東証二部
- 業種
- ガラス・土石製品
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 吉井 智彦 /1956年生
- 会社住所
- 大阪府大阪市中央区南船場一丁目18番17号
- 設立年
- 1949年
- 社員数
- 311人(2019年12月31日現在)
- 事業内容
- 耐火性能を有するゾノトライト系けい酸カルシウムを基材とする耐 火・断熱材料の製造・販売・施工及びその他周辺工事の施工
- URL
- http://www.jic-bestork.co.jp
- 資本金
- 743,760,000円 (2020年2月13日現在)
- 上場時発行済み株数
- 8,707,200株
- 公開株数
- 1,050,000株
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/03/02→920~940円に決定
- ブックビルディング期間:2020/03/04 - 03/10
- 公開価格決定:2020/03/11→940円に決定
- 申込期間:2020/03/12 - 03/17
- 上場日:2020/03/19→初値869円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 大株主
- 大橋ゆふみ 16.79%
- 大阪中小企業投資育成(株) 11.42%
- 大橋健一 9.22%
- (株)日本政策投資銀行 6.54%
- (株)大垣共立銀行 4.57%
- (株)三菱UFJ銀行 4.57%
- 日本インシュレーション社員持株会 3.72%
- 三菱UFJキャピタル(株) 2.23%
- 共友リース(株) 1.98%
- 三菱UFJ信託銀行(株) 1.75%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/03 単体実績
11,975,351 2,021,485 1,427,296 6,541,803 - 2018/03 連結実績
11,386,425 1,626,190 1,457,185 7,678,913 - 2019/03 連結実績
11,766,953 1,510,064 980,084 8,382,280 - 2019/12 第3四半期連結実績
10,141,969 1,407,292 956,850 9,089,995 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年6月16日まで、または上場後180日目の2020年9月14日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 9億8700万0000円(1,050,000株×940円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- なし
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 日本インシュレーション株式会社<5368>はゾノトライト系けい酸カルシウムを機材とした各種の保温材、防耐火建材当の製造、販売及び設計・施工などを行う大阪本社の企業である。
■事業内容詳細
同社はゾノトライト系けい酸カルシウム建材などの製造販売、並びにアスベスト関連のコンサルティング、除去工事等を行っている。
ゾノトライト系けい酸カルシウムは、熱に強いけい酸カルシウムの中でも特に熱に強い素材である。ゾノトライトの人工合成技術は同社が1966年に世界に先駆けて発明し、欧米の建材メーカーに技術供与を行った実績もある。
同社の製品は高層建築物や石油化学プラント、発電所等において、耐火建材、不燃材、保温材等として幅広く使用されている。同社は建築関連とプラント関連の2つのセグメントから構成されているが、対象となる製品カテゴリとセグメントは下記となっている。
●建築関連
同社はゾノトライト系けい酸カルシウム剤を基材として下記の建材等を提供している。
・耐火被覆材
・内装建材
・多機能材
また同社は建材等の販売にとどまらず、施工請負までを一貫して行う。更に建物に施工された吹付けアスベストやアスベスト含有建材の分析業務、除去工事も請け負っている。
●プラント関連
同社はゾノトライト系けい酸カルシウム剤を基材として、プラント向けにけい酸カルシウム保温材の製造・販売を行っている。
建築の耐火被覆材のノウハウを応用して、ゾノトライト系けい酸カルシウム材を基材としたプラントにおける鉄骨部材やケーブルダクトの耐火被覆材を提供する。また保温材の施行請負までを一貫して行っており、より高いレベルの品質管理を実現している。またプラントに施工された吹付けアスベストやアスベスト含有建材の分析業務、除去工事も請け負う。
■海外事業の推進
国内のけい酸カルシウム耐火被覆材市場において、同社は既に80%以上の市場シェアを有している。またけい酸カルシウム保温材出荷量でも約50%の市場シェアを有しており、国内市場ではガリバー的な存在である。
今後は海外事業の推進及び拡大を計画している。既にベトナムに工場を持ち生産を行っているが、ベトナム工場生産品の販路拡大のため、特に東南アジアにおける営業を各国の販売代理店と協調しながら一層の強化する計画。
■業績推移
2017年3月期 売上高120億円、経常利益20億円、当期純利益14億円
2018年3月期 売上高114億円、経常利益16億円、当期純利益15億円
2019年3月期 売上高118億円、経常利益15億円、当期純利益9.8億円
2020年3月期(予想) 売上高127億円、経常利益16億円、当期純利益11億円
※2018年3月期より連結決算
2020年3月期は対前年同期比で増収となる、売上高127億円の予想である。また経常利益は2020年3月期予想も含め15-16億円で安定的な推移を続けている。
今期(2020年3月期)はQ3で売上高101億円、経常利益14億円となっており、通期予想達成に向けた進捗は順調である。
■財務状況
2019年3月期末時点で資産合計140億円に対し、純資産合計84億円、自己資本比率60%である。
借入金22億円に対し現預金19億円を始め、流動資産を77億円有しており財務内容に特段の懸念事項はない。建物・機械・土地などで有形固定資産を合計53億円計上しているが、流動資産よりも少ない状態である。
尚、過去に建設現場等において石綿に被曝し肺がん等に罹患した作業員等が集団で国及び建材メーカーに対し損害賠償を求め訴訟を提起しており、同社も建材メーカーの1社として係争中である。健康被害補償引当金として1.0億円を計上しているものの、今後の裁判所の判断次第では更なる引当金の積み増しが迫られる可能性がある。
■資金使途
IPOにより10億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・岐阜工場の生産管理事務所建設に係る設備投資の一部 1.7億円
・国内拠点(岐阜工場、北勢工場)における建築関連及びプラント関連向け生産設備増強・合理化に係る設備投資並びに研究設備更新等 5.3億円 ・借入金の返済資金 3.0億円
主に国内拠点の設備投資に調達資金は充当される。
尚、公募増資のみを行い売出は行われない。
■株主構成
筆頭株主(株式シェア17%)の大橋ふゆみ氏は大橋会長(同9.2%)の配偶者。大橋会長は個人でも第3位株主(同9.2%)であり、大橋会長関連の株式シェアは26%となっている(他にも親族株主が存在)。尚、第2位株主は大阪中小企業投資育成(同11%)である。
第4位日本政策投資銀行(同6.5%)、第5位大垣共立銀行(同4.6%)、第6位三菱UFJ銀行(同4.6%)他、多数の金融機関が株主として参入している。
大橋会長関連の株主シェアは28%に留まるが、大阪投資育成の11%及び金融機関の保有株式及び取引先保有株を合わせると50%以上が安定的な株主に保有された状態である。
■まとめ