【目次】
①サイバーセキュリティクラウドIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/13更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/9更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社サイバーセキュリティクラウド
- コード
- 4493
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 大野 暉 /1990年生
- 会社住所
- 東京都渋谷区東三丁目9番19号
- 設立年
- 2010年
- 社員数
- 31人(2020年1月31日現在)
- 事業内容
- AI 技術を活用したサイバーセキュリティサービスの開発・提供
- URL
- https://www.cscloud.co.jp/
- 資本金
- 174,250,000円 (2020年2月20日現在)
- 上場時発行済み株数
- 2,305,000株
- 公開株数
- 70,000株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/03/06→4,240~4,500円に決定
- ブックビルディング期間:2020/03/10 - 03/16
- 公開価格決定:2020/03/17→4,500円に決定
- 申込期間:2020/03/18 - 03/24
- 上場日:2020/03/26→初値9,210円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:あかつき証券
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 引受証券:エース証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:香川証券
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- Vector Group International Limited 16.48%
- (株)オークファン 14.33%
- GMCM Venture Capital Partners I Inc 13.21%
- 西江肇司 9.38%
- 武永修一 6.37%
- 大野暉 5.21%
- 海老根智仁 4.17%
- B Dash Fund 3号投資事業有限責任組合 3.74%
- (株)AMBITION 2.88%
- S173(株) 2.54%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2016/12 単体実績
66,720 -40,207 -40,328 -58,609 - 2017/12 単体実績
246,957 -46,840 -52,256 84,133 - 2018/12 単体実績
488,838 -27,525 -27,794 56,339 - 2019/09 第3四半期単体実績
579,414 121,674 102,877 159,216 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年6月23日まで、または上場後180日目の2020年9月21日まで普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 3億1500万0000円(70,000株×4,500円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 89,600株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社サイバーセキュリティクラウド<4493>はAI技術を活用したWebセキュリティサービスを提供する企業である。
■事業内容詳細
同社はWebサイト・Webサーバへのサイバー攻撃を可視化・遮断するWebセキュリティサービス「攻撃遮断くん」を展開している。世界有数の脅威インテルジェンスを活用し、最新の脅威にもいち早く対応することで、導入社数・サイト数でクラウド型WAFサービスとして国内1位を獲得している。
●WAFとは
Webセキュリティ対策を行う際は、Webアプリケーション、ソフトウェアやOS、インフラやネットワークなど、保護対象によって対策が異なる。この中でWebサイトを構成するWebアプリケーションをサイバー攻撃から守るために必要とされるのがWAF(Web Application Firewall)である。
WAFの提供形態としてはアプライアンス型WAF(ハードに組込等)、ソフトウェア型WAF、クラウド型WAFがあるが、「攻撃遮断くん」はクラウド型WAFである。
■「攻撃遮断くん」の収益モデル
同社が提供するクラウド型WAF「攻撃遮断くん」は、継続課金による安定的な収益モデルである。2018年12月期までのストック収益は94.9%であり、収益の殆どがストック収益となっている。
また2017年1月から2018年12月までの24カ月平均の解約率は1.1%であり、契約した顧客の殆どが継続的に同社サービスを導入している。
高いストック収益割合と低い解約率により、安定的な収益の確保が可能である。ただしストック収益が殆どであり、顧客数が少なく損益分岐点が超えるまで赤字が継続する。損益分岐点を超えた後は手堅く黒字が確保でき、顧客数の拡大とともに利益拡大が可能なビジネスモデルとなっている。
■その他サービス
クラウド型WAF「攻撃遮断くん」以外に、下記サービスも提供している。
・Waf Charm
機械学習を用いて最適なWAFルールを自動運用するAIエンジン「WRAO」により、顧客毎に最適なAWS(Amazon Web Services)ルールを自動で適用し、最新の脅威にいち早く対応する。
・AWS WAF Managed Rules
「攻撃遮断くん」及び「Waf Charm」で培ったAWS WAFにおけるルール設定ノウハウをもとにパッケージ化することで、セキュアな環境の素早い構築を可能としている。
■販売実績
2018年12月期の各サービスの販売実績は下記となっている。
2018年12月期 売上高4.9億円
・攻撃遮断くん 4.8億円
・WafCharm 0.1億円
また2019年12月期Q3時点では下記である。
2019年12月期Q3 売上高5.8億円
・攻撃遮断くん 5.3億円
・WafCharm 0.4億円
・ManageRules 0.1億円
「攻撃遮断くん」が売上の9割以上を占めている。WafCharmは現状1億円に満たない売上規模だが、着実な増収を見せている。
■業績推移
2016年12月期 売上高0.7億円、経常利益▲0.4億円、当期純利益▲0.4億円
2017年12月期 売上高2.5億円、経常利益▲0.5億円、当期純利益▲0.5億円
2018年12月期 売上高4.9億円、経常利益▲0.3億円、当期純利益▲0.3億円
2019年12月期 売上高8.2億円、経常利益1.4億円、当期純利益1.5億円
2020年12月期(予想) 売上高11億円、経常利益1.7億円、当期純利益1.4億円
毎期着実な増収を続けており2019年12月期に損益分岐点を超え黒字化した。2020年12月期も増収増益を予想している。
尚、2018年12月期が上場申請決算期であり、期越え決算での上場となっている。
■財務状況
2018年12月期末時点で資産合計2.9億円に対し純資産合計0.6億円、自己資本比率20%である。
借入金1.0億円に対し現預金2.0億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。
尚、2018年12月期の損益計算書は経常利益以下が赤字であるが、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローは+0.1億円であり既にプラスとなっている。
■資金使途
IPOにより2.8億円の資金調達を行い、開発体制強化及び販売体制拡充のための人件費・採用費に全額を充当する計画である。
尚、公募増資のみの計画であり売出の予定はない。
■株主状況
筆頭株主(株式シェア16%)のVector Group International Limitedはベクトル(東証1部:6058)の海外子会社。第2位株主(同14%)はオークファン(東証マザーズ:3674)である。大野社長は第6位株主(同5.2%)となっている。
また第3位株主GMCM Venture Capital Partners I Inc(同13%)以下、VCが11%の株式シェアを有している。VCはIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結済み。
事業会社、VC、個人が幅広く株式を所有する状態である。
■まとめ