満室オーナーチェンジ物件
もし、あなたが不動産投資家で一棟のアパートを探していたとします。そして、その際に一棟のアパートが満室の状態で売りに出されていたらどうでしょうか。ラッキーと思われますか、それとも何か怪しいと思いますか。ラッキーと思われた方は、注意が必要です。なぜなら、透明性や流動性が低い不動産を売買する際には、特に情報の非対称性という問題がでてくるからです。
ある物件の売り手は、その物件に関わる全ての情報を持っています。しかし、それに対してその物件をこれから購入しようとする買い手は、売り手の持っている全ての情報を得ることはありません。そして、買い手は限られた情報を元にして判断を行わなければなりません。そのため、購入後自分が想像していた物件の状況と、実際の物件の状況が違うといったことが起こってしまします。以下では、こうした情報の非対称性の問題の影響を最小限にするために、特にどういった情報を手に入れ、最終的な判断を下すべきかを見ていきます。
物件の情報
オーナーチェンジ物件の売買にあたっては、原則として貸借人が居住している室内を見ることができません。賃貸借契約の内容と外観を確認しただけで数千万円の買い物をすることになりますので、内部の状況がどんなに悪くなっていても貸借人が退出するまで分かりません。ですので、築年数の浅い物件ならそれほど問題にはなりませんが、築年数の経ち、リノベーションやリフォームも行われていない物件には、特に注意が必要となってきます。少なくとも自分が目にすることができる外観等については、しっかりと調査を行う必要があります。その上で室内につきましては、室内の附属設備の種類など書面で分かるものについてはしっかりと確認し、後は限られた入居者に関する情報を元に自分なりに室内状況を推測して、最終的な判断を下します。
入居者の情報
満室オーナーチェンジ物件で貸借人が居住している室内を見ることができないのと同様に、問題となるのが入居者に関する情報です。。近所迷惑行為をする入居者がいたり、滞納しがちな入居者がいたりしても、こうした悪い情報は売り手の口から出てくることは、少ないのではないでしょうか。ですので、こうしたことを前提として、売り手には何回も違った聞き方で入居者について聞いてみましょう。そうすれば、少しは多くの入居者情報が得ることができます。
また、物件の近くにコンビニや喫茶店があるようでしたら、そこで働く人達にその物件や入居者について単刀直入に尋ねてみては如何でしょうか。何か問題があるようでしたら、間違いなく彼らの記憶に残っているはずですから、何か出てくるでしょう。逆に「分かりません」という答えが返ってくるのなら、特に問題がないことを示唆していることになります。