【目次】
①️モダリスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【7/17更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【7/13更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社モダリス
- コード
- 4883
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 医薬品
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 森田 晴彦 /1969年生
- 会社住所
- 東京都中央区日本橋兜町16番5号
- 設立年
- 2016年
- 社員数
- 3人(2020年5月31日現在)
- 事業内容
- コアとなるプラットフォーム技術である『切らない CRISPR 技術 (CRISPR-GNDM 技術)』を用いた遺伝子治療薬の研究開発
- URL
- https://www.modalistx.com/jp/
- 資本金
- 1,300,000円 (2020年6月26日現在)
- 上場時発行済み株数
- 27,200,000株
- 公開株数
- 2,700,000株
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/07/10→1,000~1,200円に決定
- ブックビルディング期間:2020/07/14 - 07/20
- 公開価格決定:2020/07/21→1,200円に決定
- 申込期間:2020/07/22 - 07/29
- 上場日:2020/08/03→2,520円に決定
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:エース証券
- 大株主
- (株)ライフサイエンスイノベーションマネジメント 17.86%
- 濡木理 16.07%
- 富士フイルム(株) 8.39%
- ファストトラックイニシアティブ2号投資事業有限責任組合 8.39%
- SBIベンチャー投資促進税制投資事業有限責任組合 3.75%
- 協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合 3.57%
- 片山晃 2.86%
- SMBCベンチャーキャピタル3号投資事業有限責任組合 2.68%
- Sosei RMF1投資事業有限責任組合 2.68%
- みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 2.59%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/12 単体実績
17,921 -141,200 -142,150 1,421,735 - 2018/12 連結実績
65,297 -213,390 -217,909 1,201,779 - 2019/12 連結実績
644,500 146,351 140,528 3,842,542 - 2020/03 第1四半期連結実績
13,000 -116,924 -118,286 3,724,455 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年10月31日まで、または上場後180日目の2021年1月19日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 32億4000万0000円(2,700,000株×1,200円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 2,903,200株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社モダリス<4883>は東京と米国に拠点を置く、遺伝子治療薬の研究開発を行う創薬系バイオベンチャー企業である。
■同社について
同社は東京を拠点にした本社機能チームと、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市を拠点にした研究チームから構成されている。2016年1月に創業され、2020年5月末時点で従業員総数16人に対しPhDは7人である。
同社は独自のプラットフォーム技術のCRISPR-GNDM(Guide Nucleotide-Directed Modulation)技術を用いた遺伝子治療薬の開発を主たる事業としている。
CRISPR-GNDM技術は同社が開発した独自の創薬プラットフォームである。本技術は目的遺伝子の発現(細胞内での出現量)をオン・オフすることを可能にしたものであり、「遺伝子スイッチ」として機能するユニークかつパワフルな創薬技術である。
■ビジネスモデル
同社のビジネスモデルは、パートナーに技術プラットフォームであるCRISPR-GNDM技術を解放し、パートナーの選定したターゲットに対してパートナーの資金で治療薬の開発を行う「協業モデルパイプライン」と、自社でCRISPR-GNDM技術を用いてターゲットの選定から治療薬の開発を行う「自社モデルパイプライン」の2種類がある。
●協業モデルパイプラインについて
協業モデルパイプラインでは、最初に製薬企業等のパートナーとターゲットの合意の基に共同研究開発契約を締結し、パートナーから共同研究開発の契約一時金を受領している。
契約後は同社米国子会社においてパイプラインの開発を行い、その進捗に応じて共同研究開発のマイルストーン収入を受領して、プロトタイプ分子の作成、システムの最適化、動物モデルでの検証を経て、ライセンスの契約一時金を受領する。
ライセンス契約締結後はパートナー単独または共同で開発を行う。その開発進捗に応じて同社は開発マイルストーン収入を受領し、上市後は売上の一部からライセンスのロイヤリティ収入及び、一定の売上条件達成後にセールスマイルストーン収入を受領する。
●自社モデルパイプラインについて
自社モデルパイプラインは、同社が一定の開発段階まで開発を進めた後に、パートナーとのライセンス契約を行い、ライセンスの契約一時金を受領する。パートナーはそれ以降の開発及び販売を引き継ぐ。パートナーは開発の進捗に応じて、同社に対し開発マイルストーン、上市後のロイヤリティ、セールスマイルストーンを支払う。
■パイプラインについて
これまでアステラス製薬株式会社、エーザイ株式会社とのライセンス契約実績がある。
2020年5月末時点で5品目の協業モデルパイプラインと2品目の自社モデルパイプラインを有しており、進捗状況は下記となっている。
MDL-201及びMDL-202のライセンス契約では契約一時金及びマイルストーンの合計で380億円以上の契約を締結しており、また上市後の売上に応じた販売ロイヤリティも設定されている。
■業績推移
2017年12月期 事業収益0.2億円、経常利益▲1.4億円、当期純利益▲1.4億円
2018年12月期 事業収益0.7億円、経常利益▲2.1億円、当期純利益▲2.2億円
2019年12月期 事業収益6.4億円、経常利益1.5億円、当期純利益1.4億円
2020年12月期(予想) 事業収益11億円以上、経常利益3億円以上、当期純利益2.5億円以上
※2018年12月期より連結決算
2018年12月期まで研究開発が先行し赤字が継続していたが、2019年12月期はパートナーと複数の共同研究を進めたことで、2つのパイプラインで遺伝子治療薬開発のライセンス契約を2本締結した。また新たなパートナーと共同研究契約の締結もなされて、本格的な事業収益(6.4億円)を計上し経常利益も1.5億円と黒字化している。尚、2019年12月期はアステラス製薬向けの販売実績が6.3億円であり、全体の98%を占めている。
今期(2020年12月期)は更なる増収増益を予想している。アステラス製薬からの開発マイルストーンなどの獲得をQ2以降に見込んでいる。尚、今期Q1時点では売上高0.1億円、経常利益▲1.2億円に留まっている。
■財務状況
2019年12月期末時点で資産合計39億円に対し、純資産合計38億円、自己資本比率98%である。
借入金なく現預金39億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。
■資金使途
IPOにより25億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・自社パイプラインの研究開発 21億円
・米国子会社の関連施設の増床等 3.4億円
調達資金の大半は自社パイプラインの研究開発費に充当される。
■株主状況
筆頭株主の株式会社ライフサイエンスイノベーションマネジメント(株式シェア18%)は森田社長が取締役を務める企業。また森田社長は個人でも株式シェア1.8%の株主である。森田社長の関係先で株式シェアが約20%保有されている。
第2位株主は社外取締役の濡木理氏(同16%)。第3位株主は富士フイルム株式会社(同8.4%)である。
第4位株主のファストトラックイニシアティブ2号投資事業有限責任組合(同8.4%)以下、多数のVCが出資を行っておりVC比率が30%を超えている。尚、VC株主はIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
■まとめ