社員を定着させる工夫

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(画像=株式会社ZUU)

――  管理物件が増えていったら、やはり人も増やしていかないといけないですよね。そのあたりはどうお考えですか?

そうですね。急激には増やしてないですけれども、少しずつは増やしていかないと、と思っています。現地は今日本人を含む数名です。日本は私がメインで、あとは提携している会社とかパートナーさんが多いですね。

会社としては現地の雇用の安定が課題です。というのも、現地では「ジョブホッピング」と言われていますが、雇っても1ヶ月2ヶ月ですぐ辞めてしまうケースが多いのです。成長しているマーケットなので、どこも人手が足りていないですし、お給料もどんどん上がっていっていて、条件のいいところがあったらすぐ移ることができますからね。面接時に、1-2ヶ月の勤務をいくつも書いてある履歴書を多くみてきました。会社を立ち上げた頃は、特に不動産市場も伸び盛りでしたので、人材が定着しなかった時期がありましたが、最近は定着してきている方だとはと思います。 小さい組織のいいところは決定が早く鬼速で物事が進められる点で、トップとの距離が短く、お互い何をしているか比較的見える点です。日本と海外で距離があっても、密にコミュニケーションを取って日々試行錯誤しております。 また、スタッフには、「どうすればお客様にもっと喜んで頂けるか」「自分は会社にいくら貢献しているのか」「どうすればもっと価値をあげることができるか」を各々で認識してもらい、より個々が自分で考えて動いてくれることを目指して日々頑張っています。

コロナの影響は?

―― 今はコロナの影響で、買う方も現地へ行って実際に物件を見ることができないなどの弊害があると思いますが、どうですか?

普段は、「現地へぜひ行って物件や開発会社、弊社のカンボジアの支社を一度ご覧ください」とご案内をするのですが、今はそうもいきません。そういう意味では変化はあります。 ただし、最近ご案内をしている物件は、利回り保証と買取保証がついていますので、物件を買われている方の7割強の人は、普段でも現地を見ないでご購入いただいております。 それは、弊社へ信頼を頂いたり、開発会社と弊社との関わりも、1棟目2棟目と実績があって、今回3棟目になりますので、そういった長く多くのお客様をご案内させて頂いた点も信用になります。工事進捗の写真などもお見せしたりしていますので、大体の方は、現地に行かなくても、ご安心いただいてご購入いただいていますね。なので、物件によっては、コロナの影響で現地へ行けなくても、大きなネックにはならないですね。

しかも今は、円高にもなっていて、チャンスでもあるんです。カンボジアは米ドルですので、今は大セール状態ですよ。実際、お問い合わせは減っていない状況ですし、今だからこその商談も増えています。

カンボジアで一番の不動産会社になりたい

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(画像=株式会社ZUU)

―― 今は、日本のユーザーさんのすそ野を広げているということですが、今後の展開は?

目標としては、カンボジアで一番の不動産会社になりたいと思っています。 お客様も増やして、日本とカンボジアの架け橋になっていきたいという想いが あります。また、海外不動産投資に興味があっても、経験が無い方はどのように投資して良いか分からずなかなか踏み切ることが出来ません。又は、“不労所得”という夢のようなキーワードで幻想を見てしまい、情報格差によって不動産投資に失敗してしまうケースも。 我々は、ポテンシャルがある不動産をプロデュースすることで、モノとサービスが産まれる、実態のある不動産を創っていきたいと想っています。不動産を創る上で、人々のやりたいを応援したり、それぞれの想いを支えながら、不動産投資を誰もが楽しめる。そんな世の中を実現したいと想っています。

そうすると、やっぱり組織をどんどん大きくしていくことは必要になるのですが、急速に拡大するというのはあまり私の性格に合っていない気がしています。 社員を増やす時は、1人1人の考えをなるべく尊重したいですし、知識をつけて成長して欲しいと思いますから、時間をかけて育てていきたいんですよね。まずはそうやって着実に進めていきながら、少しずつ大きくしていきたいとは思っています。

―― なるほど。日本側の営業マンなども増やしていかないといけないところはありますよね?

そうですね、日本側でも私以外にも営業ができる人を採っていかないといけないなとも思っています。ただ、カンボジアのことを話せる人って、そう簡単にはいないんですよね。

他の会社さんで営業マンがたくさんいるところもありますけど、やっぱり現地に住んだ経験って非常に大きいんですよね。いろんな質問をやっぱりお客様から受けますし、ご購入いただくと、10年以上のお付き合いになるお客様もいらっしゃり、投資だけのお話でもないので。

かつ、現地に行かずに写真などを見せながらするセールスになるわけで、やっぱりただ説明の上手い「できる営業マン」というよりは、「この人だったら信頼をしてもらえるな」というのが必要だと思います。しかも金額が金額ですし、今後ずっとお付き合いしていかなければいけないですから。ヒューマンスキルとビジネススキルというのがありますが、この両方の面で満たしてないとできないですよね。

ということで、カンボジアに精通していて、そこをちゃんと現実味を持ってお話ができる人材というのはなかなか難しく、そこも今後の課題だと思っています。

―― カンボジアは可能性が大きい市場ですね。今後もカンボジアを中心にビジネスを広げていかれますか。

そうですね。私は比較的いろいろな国々を見ている方だとは思いますが、ここまで投資環境がいいのは、カンボジアしか考えられません。米ドルで取引できて、送金規制がなくて、外国人の受け入れを非常にオープンにしていて。まずはここの市場が大事だなと思っています。

カンボジアは、第二のシンガポールを目指しています。つまり、急成長する余地がまだまだあるということ。なので、これからもカンボジアの市場は成長し続けますし、弊社もそこで大きくなっていくことを目指していきます。(おわり)