「いつかは結婚したい」と思っていながら年収が少なくて結婚に対して不安を抱いている男性もいるのではないでしょうか。「お金」は大切な要素ですが、もっと重要なのはお金に対する「向き合い方」です。今回は、年収400万円の独身男性が結婚するために必要な金銭面での行動ステップについて紹介します。

年収400万円は日本人の年収のボリュームゾーン

資産管理
(画像=deagreez/stock.adobe.com)

国税庁の「民間給与実態統計調査(2018年度)」によると、日本の平均給与は約441万円です。男女別に見ると男性では年収400万円超500万円以下の人の割合が17.8%と最も多く、日本人男性の年収のボリュームゾーンとなっています。

ちなみに年収400万円超500万円以下の年収ゾーンを構成する人の平均勤続年数は11.5年であり、仮に大学を卒業後、新卒入社してから継続して同じ会社で働いているとすれば33~34歳という年齢です。次に日本人の初婚年齢を確認してみましょう。厚生労働省の調べによると2019年の男性の平均初婚年齡は31.2歳でした。

年収も年齢もあくまで統計上の平均のため、個人差があることは否めません。しかし、31.2歳で結婚するなら、年収は400万円程度で結婚している人が多いと考えることができるのではないでしょうか。そのため、「400万円の年収では結婚できないかも」と不安を抱えている人は安心してよいでしょう。そのうえで、「どのような金銭感覚を持てばいいのか」「お金をどう扱えばいいのか」について解説します。

女性が重要視するのは「性格」「顔」「お金」の順

女性が男性に求める条件として「学歴」「収入」「容姿」を兼ね備えた3高男性であったのはかつての話。最近では相手に対するこだわりも変わってきている傾向です。2020年2月に女性向け総合恋愛情報サイト「愛カツ(あいかつ)」を運営する株式会社 TOBEが恋愛結婚学研究所と共同で女性が「付き合う相手を決めるときの外せない条件」に関するアンケート調査を行いました。

同調査で、女性が重視するのは「性格」「顔」「お金」の順という結果が出ました。最近では「結婚してからも働き続けたい」という女性も多く、相手の収入を期待して結婚する人ばかりではなくなっているのかもしれません。それでも「お金」は結婚するために重要な要素です。ただし、現在年収が高かったとしても不透明な時代においてはいつ収入が下がるかは分かりません。

そのため「フローの年収ではなくストックとしての貯蓄のほうが重要」ということは知っておくべきでしょう。結婚生活が始まると2人で新たに形成していく家族のためにお金が必要です。自分で「お金の扱い方をコントロールして貯蓄ができる人であるかどうか」は円満な結婚生活のための大切なポイントになります。

ちなみに金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2019年)」によると年収300万~500万円未満の独身者の平均貯蓄額は約669万円ですが、中央値は130万円。とりあえずは、中央値の130万円を目指し、少しずつ積み上げていきましょう。

どうすれば貯められる?

結婚に向けて貯蓄を計画している人は、異性に「お金の扱い方」を認めてもらうためにも、「貯蓄体質」になれるように心がけてみましょう。貯蓄体質とは、必要な支出を除き、お金を使うことよりも貯蓄を優先できるよう意識し行動できる人のことです。まず実行したいのが「先取り貯蓄」です。先取り貯蓄は給料を使う前にあらかじめ決めた金額を貯金していく方法です。

給料が入って消費した後、お金が余れば貯金するというのでは計画的な貯蓄ができませんが、毎月一定額を貯めていけば確実にお金が積み上がっていきます。また、先に貯蓄分を除いておけば可処分所得が下がるため、無駄使いをなくすなどお金の使い方にもプラスの効果を期待できます。

年収400万円の理想的な家計簿の内訳は?

生活スタイルによっても異なりますが、独身で一人暮らしの場合は手取り月収の約15~20%は貯金するのが理想といわれています。仮に手取り月収が30万円だとすると4万5,000円~6万円を貯蓄に回すイメージです。なお、年収400万円でもボーナスの有無、金額によって手取り月収は違ってきます。貯蓄体質になることを目指すのならボーナスはあてにせず、手取り月収だけでのやりくりを心がけてみましょう。

貯蓄分を引いて残ったお金で生活費をうまくやりくりしていく方法の一つに費目ごとに支出割合を決める方法があります。生活スタイルや地域の物価などによって調整が必要ですが、理想の割合の目安を以下で紹介するので、自分の現状の支出と比べてみましょう。比較することで客観的にお金の使い方の特徴を知ることができるはずです。

独身男性の理想的な家計支出の割合

家計費目支出割合月収25万円月収30万円
住居費28%7万円8万4,000円
食費18%4万5,000円5万4,000円
水道光熱費4%1万円1万2,000円
通信費5%1万2,500円1万5,000円
保険料3%7,500円9,000円
趣味代4%1万円1万2,000円
被服・雑貨費4%1万円1万2,000円
交際費5%1万2,500円1万5,000円
日用雑費3%7,500円9,000円
その他6%1万5,000円1万8,000円
貯蓄20%5万円6万円
合計100%25万円30万円

ここで紹介した割合よりも多く支出している費目があれば「なぜ多くなっているのか」について一度考えてみましょう。例えば、食費に6万~7万円もかけている場合は外食や飲み会の回数が多いのかもしれません。先取り貯蓄をして、外食回数を減らすことでやりくりがうまくいく可能性が高まります。先取り貯蓄が実践できたら、次は将来のために投資について勉強を始めてみるのもよいでしょう。

冒頭にも述べたように年収400万円は日本人における年収のボリュームゾーンです。アンケート結果などから年収は400万円程度で結婚している人が多いことがわかり、さらに現代女性が重要視するのは「性格」「顔」「お金」の順だということを考慮すると、年収面で結婚できないということはないでしょう。大切なのは自分自身で「お金をコントロールできるかどうか」です。幸せな結婚を目指して、貯蓄体質になるための工夫をしていきましょう。(提供:Wealth Road