レクサスIS 2020年秋に本発売予定 新車ニュース
スポーツセダンの誘惑。最新モデルは「走りの頂点」を予感させる!
レクサスISが、内外装の変更を含めた大がかりなマイナーチェンジを受けた。現行3rdモデル(日本市場では2ndモデル)がデビューしたのは、2013年のデトロイト・ショー。今回の改良は、世界を代表するFRスポーツサルーンとしてのポジショニングを、いちだんと明確にする狙いがある。
まずエクステリアに注目してみよう。ボディサイズは全長×全幅×全高4710×1840×1435mm。ホイールベースは2800mm。従来比で若干だが大きくなった。全長は30mm長くなり、全高は5mm高く、全幅は30mmワイド。2800mmのホイールベースは共通。新型は、新設計の薄型ヘッドライトや一新されたスピンドルグリルと相まって、ワイドな印象が強まった。前後フェンダーの膨らみがいっそう強調され、いかにもFRベースのスポーツセダンらしいたたずまいを見せる。
斬新さが際立つのが、リア回りだ。左右が連結したリアコンビランプをはじめ、個性的なトランクリッドや絞り込まれたフェンダーラインなど、見るべき点は多い。立体的な造形は、上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする“寄絞り型構造〟と呼ぶ最新プレス技術のたまものである。
エクステリアトリムは従来どおり標準仕様とFスポーツの2種。Fスポーツはスポーティな雰囲気を高める専用デザインのフロントグリルやロワエアインテーク、19インチアルミ、リアスポイラーを標準装備する。
インフォテイメント機能一新。パワーユニットは全3種をラインアップ
インテリアも新鮮な印象をアピールする。2トーンのカラーコーディネーションが採用され、新たにタッチディスプレイを装備。インフォテイメント機能は、スマートデバイスリンクやアップルカープレイ、アンドロイドオートに対応。スマートフォンと10.3インチワイドディスプレイを連携させて、利便性の向上を図った。先進安全技術はレクサスの最新レベルを搭載する。
動的パフォーマンスも大幅に向上した。ISは生粋のスポーツセダンである。マイナーチェンジが単なる「お化粧直し」で終わらないのは当然だ。
エンジンのラインアップは3種類。3.5リッターV6DOHC24Vと2.5リッターの直4ハイブリッド、そして2リッター直噴直4DOHC16Vターボだ。
詳しいスペックは全ユニット未公表だが、2.5リッターハイブリッドはドライバーのアクセル操作に対するエンジン&モーターの駆動力制御を変更。いっそうリニアな加速レスポンスを追求した。2リッターターボのトランスミッションは、ドライバーの意図をくみ取って適切な変速を行うアクティブ制御付きである。
ボディは徹底的に強化された。サイドラジエターサポートの強化やフロントサイドメンバーのスポット打点追加、Cピラーからルーフサイドの構造最適化でボディ剛性をリファイン。ステアリング操作に対する応答性を大幅に引き上げるとともに、ノイズや不快な振動を取り除き乗り心地面も改善した。
足回りにも注目だ。新採用の19インチアルミ&タイヤでコーナリングフォースが大幅に向上。ホイールの 足回りにも注目だ。新採用の19インチアルミ&タイヤでコーナリングフォースが大幅に向上。ホイールの締結はハブボルト方式。従来以上に締結力が高まったうえに、軽量化にも貢献している。ハンドリングや制動フィールに好影響を与えていることは間違いない。
「スウィングバルブショックアブソーバー」の採用もニュース。微小なショックに対しても減衰を発生させることで、微速域におけるライドクォリティを引き上げた。
新型レクサスISの「走りの仕上げ」は、TTCS(トヨタテクニカルセンター下山)で行われた。開発陣が目指したのは、「ドライバーとのコミュニケーション能力に優れた、懐の深いクルマ」(小林直樹チーフエンジニア)。「数値では計れない感性評価にこだわり、ドライバーの意思に忠実でリニアな操縦性を追求した自信作」(伊藤好章・匠ドライバー)、という。
新型ISは「あらゆる走行シーンにおいて減速・操舵・加速がシームレスに繋がる気持ちよさを目指す」というレクサス独自の価値を追求した。新型ISには新世代レクサスのベンチマークとしての役割が与えられている。
ISはいまや貴重なFRベースのコンパクトスポーツセダンだ。スポーティなデザインはもちろん、その運動性能に対する評価は高い。世界販売台数は、約20年間で110万台近くに達する。
3rdモデルのビッグチェンジで、どのような「次世代レクサス・テイスト」が提示されたのか。期待は高まる。
(提供:CAR and DRIVER)