2019年に波紋を広げた「老後2,000万円問題」。老後の生活費を年金頼みにするリスクを広く世間に知らしめました。老後の不安を無くすためには、現役時代から自助努力によって資産を増やすことが肝心です。ではどうすれば自助努力で資産を増やせるのでしょうか。
自助努力による資産作りが必要な理由
「人生100年時代」がいずれ到来すると言われる中、仕事をリタイアしてからの期間は、現在の高齢者よりも長くなっていくことが考えられます。ということは、長く生きる分、それだけ多くのお金が老後に必要になるということです。
公益財団法人「生命保険文化センター」が3年ごとに実施している「生活保障に関する調査」の最新版(令和元年度)によれば、夫婦2人で老後生活を送る上で必要な金額は、最低でも月22万1,000円ほど、ゆとりがある老後を送る場合は月36万1,000円ほどだと考えられています。
長く生きる分だけこうした金額が貯蓄から消えていくため、そのことを想定して現役世代に資産を増やしておかなければ、最終的には「老後破綻」によって生活が困窮してしまう可能性があります。
公的年金や退職金に頼ることは危険
「年金があるから」と安心していてはいけません。老後2,000万円問題では、平均的な高齢無職世帯では年金だけでは老後の生活資金は補えないことが明らかになっています。
中には「退職金」をあてにしている人も少なくないと思いますが、コロナ禍のような経済ショックが起きると、長年勤めていた企業を退職金なしで解雇されるケースも出てきます。
そのため冒頭に触れた通り、現役世代のころから老後に向けた資産形成に努めることが重要なのです。
老後の生活資金をどうやって補うか
それでは老後の生活資金を補うためには、どのような手段があるでしょうか。
貯蓄:給料の中からなるべく多くを貯蓄に回していく
現役時代の給料の中からなるべく多くを貯蓄に回すよう努めていれば、老後を迎えた際にある程度の蓄えができている状態になります。毎月より多くの金額を貯蓄するためには、積み立て額をしっかりと決め、無駄使いをやめる努力などが求められます。
株式投資:預金の利息よりも大きなリターンが期待できる
資産運用で資産を増やすという手段もあります。そして代表的な資産運用の方法といえば「株式投資」です。預金とは違って元本が減るリスクもありますが、長期的にみれば株式市場は右肩上がりの状況が続いており、預金の利息よりも大きなリターンが期待できます。
日本では現在、「NISA」(少額投資非課税制度)という税制優遇制度もあります。株式投資などの利益や配当にかかる税金が非課税になるため、株式投資を始める際にはぜひ活用したい制度です。ちなみにNISAでは、運用をプロに任せる「投資信託」も対象となっています。
iDeCo:「もうひとつの年金」とも呼ばれる私的年金制度
日本には「iDeCo」(個人型確定拠出年金)と呼ばれる私的年金制度もあります。iDeCoでは自分で掛け金を拠出し、自らで運用方法を選び、将来的に掛金と運用益を「もうひとつの年金」として受け取っていく仕組みになっています。
掛け金の拠出は60歳までで、60歳以降に給付金を受け取ることが可能です。運用方法としては、「定期預金」「保険商品」「投資信託」があり、運用の成果次第では給付金の金額が大きく増えます。
自分に必要な老後の資金を把握することが第一歩
この記事では、老後の生活資金を準備するための手段について解説してきました。
まずは、自分が老後にどのような暮らしを求め、そのためにどのくらいの資金が必要になるかを把握することが重要です。その金額がある程度大きくなるなら、預金などよりも大きなリターンが期待できる「株式投資」や「iDeCo」が選択肢に入ってきます。
こうした準備は早ければ早いに越したことはありません。現役世代のころからしっかりと計画を立て、実際に行動に移すことが求められます。(提供=auじぶん銀行)
執筆者:株式会社ZUU
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