FX証券会社の口座開設を検討している人の中には、松井証券のFX口座「MATSUI FX」を候補の一つに入れている人もいるだろう。MATSUI FXにはどのような特徴があるのだろうか?今回は、松井証券のFX口座の概要・利用するメリット・デメリットなどについて分かりやすく解説する。
1,松井証券のFX口座(MATSUI FX)の特徴は?
MATSUI FXで取り扱う通貨ペアは、ユーロ/円などベーシックなものから豪ドル/NZドルといったややマイナーなものまで、全部で20種類。そのすべてで1通貨から取引が可能だ。
米ドル/円なども100円ぐらいから取引ができることになり、お小遣いなどちょっとしたお金で気軽にFX取引を始められる。
またスプレッドに関しても、「業界最狭水準」をアピールするだけあり、全体的に狭い水準となっている。詳細は後述するので、そちらも参照していただきたい。
2,松井証券のFX口座(MATSUI FX)の基本情報
松井証券の会社情報とFXサービスの取引ルールは、以下のとおりである。
<松井証券のサービス基本情報一覧(2021年3月5日現在)>
会社情報 | 会社名 | 松井証券株式会社 |
設立 | 1931年3月 | |
資本金 | 11,945百万円 (2020年3月末時点) |
|
自己資本規制比率 | 787.7%(2020年12月) | |
口座開設数 | 130万2,168口座 (2020年12月時点) |
|
信託保全 | 100%信託財産保全 | |
口座 | 口座開設手数料 | 無料 |
口座管理手数料 | 無料 | |
入出金・振替 | 入金方法 | 日本円 |
リアルタイム入金手数料 (即時入金) |
無料(会社負担) | |
出金日数 | 0:00~15:30は翌営業日、 15:30以降は翌々営業日以降に出金処理 |
|
出金手数料 | 無料 | |
リアルタイム入金 提携金融機関数 |
以下4つの金融機関 ・三菱UFJ銀行 ・三井住友銀行 ・みずほ銀行 ・ゆうちょ銀行 |
|
ツール・サービス | PC版取引ツール | FXトレーダー・プラス |
スマートフォン版 取引ツール |
松井証券FXアプリ | |
取引 | 通貨ペアの種類 | 20通貨ペア |
最低取引単位 | 1通貨単位 | |
取引上限 | ・全通貨ペア合計建玉上限1億通貨 ・全通貨ペア合計建玉上限2,000件 ※新規建の有効注文件数を含む ・1回あたりの注文数量は200万通貨単位まで |
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レバレッジ倍率 | 最大25倍 | |
取引手数料 | 無料 | |
注文方法の種類 | ・指値注文 ・成行注文 ・成行(ストリーミング)注文 ・逆指値注文 ・OCO注文 ・IFD注文 ・IFO注文 ・一括決済注文 ・FIFO注文 |
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スリッページ | あり | |
ロスカット アラート機能 |
・リアルタイム維持率120%未満:プレアラート送信 ・リアルタイム維持率100%未満:アラート送信、追証発生 |
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追加証拠金 解消期限 |
・維持率10%以上20%未満:追証発生日の翌々営業日11:30まで ・維持率10%未満:追証発生日の翌営業日11:30まで |
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ロスカット 発動水準 |
設定したリアルタイム維持率を下回った場合 (50%、60%、70%、80%、90%から選択) |
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利益と課税 | 申告分離課税 (20.315%) |
|
サポート体制 | 電話(平日7:00~23:00) (遠隔サポートサービスの利用も可能) |
3,松井証券のFX口座(MATSUI FX)のスプレットやスワップポイントは?
FX証券会社選びでは、スプレッド・スワップポイントも重要な要素だ。MATSUI FXではどのように設定されているのか見ていこう。
取扱通貨ペア別のスプレッド
MASTUI FXのスプレッドについて、DMM FXやGMOクリック証券のスプレッドと比較した。
<通貨ペア別スプレッド一覧表>
MATSUI FX | DMM FX | GMOクリック証券 | |
米ドル/円 | 0.2 | 0.2 | 0.2 |
ユーロ/円 | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
豪ドル/円 | 0.7 | 0.7 | 0.7 |
カナダドル/円 | 1.7 | 1.7 | 1.7 |
スイスフラン/円 | 1.8 | 1.8 | 1.8 |
ポンド/円 | 1.1 | 1.0 | 1.0 |
NZドル/円 | 1.2 | 1.2 | 1.2 |
南アランド/円 | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
トルコリラ/円 | 2.9 | ― | 原則固定対象外 |
メキシコペソ/円 | 0.3 | ― | 0.3 |
ユーロ/米ドル | 0.4 | 0.4 | 0.4 |
豪ドル/米ドル | 0.9 | 0.9 | 0.9 |
ポンド/米ドル | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
NZドル/米ドル | 1.7 | 1.6 | 1.6 |
ユーロ/豪ドル | 1.6 | 1.5 | 1.5 |
ポンド/豪ドル | 3.3 | 1.6 | 1.6 |
米ドル/スイスフラン | 1.7 | 1.6 | 1.6 |
ポンド/スイスフラン | 2.9 | 2.8 | 2.8 |
ユーロ/ポンド | 1.1 | 1.0 | 1.0 |
豪ドル/NZドル | 2.5 | ― | ― |
DMM FXやGMOクリック証券はスプレッドが狭いFX会社だが、松井証券もほぼ同じレベルの狭さとなっている。
取扱通貨ペア別のスワップポイント
次に、スワップポイントについて比較してみた。長期保有をするトレーダーにとって重要な要素だ。
<通貨ペア別スワップポイント一覧表>
MATSUI FX | DMM FX | GMOクリック証券 | ||||
買 | 売 | 買 | 売 | 買 | 売 | |
米ドル/円 | 0 | -40 | 33 | -42 | 5 | -8 |
ユーロ/円 | -38 | 4 | -36 | 27 | -16 | 13 |
豪ドル/円 | 1 | -31 | 9 | -18 | 1 | -4 |
カナダドル/円 | 3 | -33 | 9 | -18 | 4 | -7 |
スイスフラン/円 | -43 | 13 | -51 | 42 | -23 | 20 |
ポンド/円 | 0 | -30 | 39 | -48 | 8 | -11 |
NZドル/円 | 3 | -33 | 12 | -21 | 1 | -4 |
南アランド/円 | 5 | -15 | 24 | -33 | 60 | -90 |
トルコリラ/円 | 36 | -46 | ― | ― | 41 | -44 |
メキシコペソ/円 | 2 | -12 | ― | ― | 40 | -70 |
ユーロ/米ドル | -59 | 19 | -72 | 63 | -26 | 23 |
豪ドル/米ドル | -41 | 1 | -12 | 3 | -5 | 2 |
ポンド/米ドル | -41 | 1 | -12 | 3 | -4 | 1 |
NZドル/米ドル | 0 | -40 | 3 | -12 | 1 | -4 |
ユーロ/豪ドル | -53 | 13 | -60 | 51 | -23 | 20 |
ポンド/豪ドル | 0 | -40 | 3 | -12 | -4 | 1 |
米ドル/スイスフラン | 18 | -58 | 63 | -72 | 24 | -27 |
ポンド/スイスフラン | 3 | -43 | 96 | -105 | 34 | -37 |
ユーロ/ポンド | -40 | 0 | -69 | 60 | -23 | 20 |
豪ドル/NZドル | -40 | 0 | ― | ― | ― | ― |
スワップポイントに関して、MATSUI FXはいまひとつという印象だ。買いスワップが、DMM FXやGMOクリック証券より低くなっている。
4,松井証券のFX口座(MATSUI FX)の5つのメリット
松井証券のFX口座を選ぶことには、下記5つのメリットがある。
メリット1,最低取引単位は1通貨
取り扱う20種類の通貨ペアについて、すべて1通貨からの取引が可能だ。米ドル/円やユーロ/円など、数百円で取引できる。
少額でスタートしてFX取引に慣れたい人も安心して利用可能だ。
メリット2,スプレッドの狭さが業界トップクラス
スプレッドについては先述したとおり、米ドル/円で0.2銭、ユーロ円が0.5銭などとなっている。DMM FXやGMOクリック証券にほぼ引けを取らない水準の狭さだ。
メリット3,レバレッジ倍率の設定が簡単
FX会社によっては、注文枚数や証拠金を調整するなど、レバレッジを自分でその都度設定しなければならないことがある。MATSUI FXはあらかじめレバレッジ倍率を選択する仕組みであり、そのような手間が発生しない。
レバレッジ倍率は1倍・5倍・10倍・25倍の4種類から選べる。初心者はリスクを抑えるため、1倍または5倍に設定するのがおすすめだ。
メリット4,夜間も電話サポートを利用できる
お客様サポート窓口の電話サポートは、平日7:00~23:00まで受け付けている。会社員など日中は電話できない人にも役立つサポートだ。
FXを始めたばかりで分からないことが多い初心者にとって、心強いサービスと言える。
メリット5,大手証券会社の安心感
松井証券は1931年に設立され、90年以上に及ぶ実績のある老舗の証券会社だ。大手証券会社の歴史と実績は利用者にとっての安心感につながるだろう。
5,松井証券のFX口座(MATSUI FX)の3つのデメリット
どのFX証券会社も、利用するうえで注意すべき点がある。MATSUI FXの場合は以下3点だ。
デメリット1,証券口座の開設も必要
松井証券ではFX口座だけを開設することはできず、必ず証券口座も開設することになる。入出金もFX口座で直接行うのではなく、証券口座を通す流れだ。
銀行口座とFX口座だけで入出金をしたい人には、やや手間がかかると言える。
デメリット2,支払いスワップが多い傾向
先述したとおり、スワップポイントに関してDMM FXやGMOクリック証券と比較すると、MATSUI FXはやや劣る印象だ。高金利通貨ペアのトルコリラ/円やメキシコペソ/円なども、他社より受け取りスワップが少なく、支払いスワップが多い傾向となっている。
デメリット3,スプレッドが開きやすい時間が長め
松井証券が発表している「提示スプレッド等に関する実績情報」を見ると、1:00~6:55の時間帯にスプレッドが開きやすい傾向がある。この時間帯に取引をする人は、スプレッドに注意が必要だ。
6,松井証券のFX口座(MATSUI FX)はどんな人におすすめ?
ここまで解説してきた内容から、松井証券のFX口座の利用に向いているのは、以下に当てはまる人だ。
・少額でFXを始めたい人
・スプレッドの狭さを重視する人
・FX口座と証券口座の両方を開設しても良い人
自分の重視する点と合致すると感じたら、MATSUI FXの口座開設を検討してみてはいかがだろうか。
監修者・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
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