投資においては、売り・買いのタイミングを逃さないことが重要だ。今回は、相場を見極める際の判断基準となるダブルトップ・ダブルボトムについてわかりやすく解説する。ファンダメンタルズ分析だけでなく、テクニカルな指標を参考にすることで、さまざまな角度から売り・買いのタイミングを見極められるようになるだろう。
「ダブルトップ・ダブルボトム」とは
ダブルトップとダブルボトムは、株価のチャートに現れる特徴的な形のことだ。ダブルトップは売りサイン、ダブルボトムは買いサインとされている。それぞれの特徴や、具体的な売り・買いのタイミングについて解説していこう。
●「売りサイン」であるダブルトップ
「ダブルトップ」は、相場が2つの山を示し下降するチャートの形を指す。「2つの山」「毛抜き天井」と呼ばれることもある。
この形がチャート上に出現したら、その後は下降トレンドに入る可能性が高いと予測できる。
ダブルトップができる過程を時間軸で説明する。
- 相場が一度上昇し、Aで天井をつけた後、下降を始める。
- Bで反転し再び上昇するが、Aを超えられずCから再び下降する。 (CはAより低い山になることも多い)
- 前回安値のBとDを結ぶ線を「ネックライン」と呼ぶ。ネックラインを超えると、本格的な下落を始める。
ここで売りサインとされているのは、前回安値のBとDを結んだネックライン、つまりDの時点を突破したタイミングだ。
なお、Dで再び上昇を始め、「トリプルトップ」を形成することもある。
●「買いサイン」であるダブルボトム
「ダブルボトム」は、相場が2つの谷を示し上昇するチャートの形を指す。「2つの谷」「毛抜き底」と呼ばれることもある。
この形がチャート上に出現したら、その後は上昇トレンドに入る可能性が高いと予測できる。
ダブルボトムができる過程を時間軸で説明する。
- 相場が下降し、Aで安値をつけたあと、上昇を始める。
- Bで反転し再び下降するが、Aを下回らずCから再び上昇する。 (CはAより浅い谷になることも多い)
- BとDを結んだネックラインを超えると、本格的な上昇を始める。
ここで買いサインとされているのは、前回高値のBとDを結んだネックラインを突破したタイミングだ。
なお、Dで再び下降を始め、「トリプルボトム」を形成することもある。
ダブルトップ・ダブルボトムの見極め方
ダブルトップ・ダブルボトムは、高値圏や安値圏で現れることが多い。発生頻度も高いことから、投資家に人気がある。
そのため、多くの投資家はダブルトップでネックラインを超えれば売りを意識するし、ダブルボトムでネックラインを超えれば買いを意識する。こういった多くの売り手・買い手の心理が合わさり、ダブルトップやダブルボトムが形成される傾向があるともいえるだろう。
ダブルトップ・ダブルボトムの騙しと回避方法
ダブルトップの後は下降トレンド、ダブルボトムの後は上昇トレンドに入る可能性が高いと解説した。しかし、相場がセオリーに当てはまらない動きをすることもある。
ここでは、相場がセオリー通りに動かない「騙し」の発生をどう見極めればいいかを解説していく。
●ダブルトップの騙し・回避方法
ダブルトップの後は下降トレンドに入る可能性が高いものの、まれに価格が戻って再び上昇に転じることがある。「ダブルトップの騙し」と呼ばれる現象だ。
ダブルトップの騙しを回避するには、「レジスタンスライン」を参考にすることが効果的である。レジスタンスラインとは、上昇する相場の高値の目安となる上値抵抗線のことだ。
レジスタンスラインに沿ってダブルトップが形成されたときは、騙しの可能性が下がり勝率が高くなる。
●ダブルボトムの騙し・回避方法
ダブルボトムの後は上昇トレンドに入る可能性が高いものの、まれに価格が再び下落に転じることがある。「ダブルボトムの騙し」と呼ばれる現象だ。
ダブルボトムの騙しを回避するには、「サポートライン」を参考にすることが効果的である。サポートラインとは、下降する相場の安値の目安となる下値支持線のことだ。
サポートラインに沿ってダブルボトムが形成されたときは、騙しの可能性が下がり、勝率が高くなる。
「ダブルトップ・ダブルボトム」を知ることで相場の方向性を予測することができる
ダブルトップ・ダブルボトムは多くの場面で登場するチャートの形であり、相場の方向性を予測する重要な判断材料となる。ダブルトップ・ダブルボトムについて知っておくことで、テクニカルな視点からも売り・買いのタイミングを判断できるだろう。
(提供:大和ネクスト銀行)
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