本記事は、御子神翔吾氏の著書『SNS時代を勝ち抜く! 45秒でファンにさせる話し方』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています。
営業・SNSではなぜ話し始め45秒が重要なのか
営業において、皆さまはこういった場面を一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
- 自分で手応えを感じていたが最後の最後で断られてしまった
- 相手にもメリットのあることだが十分に伝わらなかった
- 初回の打ち合わせは好感触だが次回につながらない
中間トーク(プレゼンの資料構成や話の組み立て方、雑談の挟み方)やクロージング(最後の一押し)などテクニックに目がいってしまいがちですが、じつは導入部分でつまずいてしまっている場合が多いのです。
話し始めの印象が悪いと、聴き手側は不安感や不信感を持ってあなたの話を聞くことになります。中盤のトークがどれだけ素晴らしくても、聴き手側に聞く気がなければ馬の耳に念仏となってしまい、決して好意的に見てはもらえません。
聴き手は「この場を丸く収めよう」と笑顔で応対しますが、内心では真に納得することはありません。発信者が手応えを感じても最後に断られてしまう原因は、最初の45秒で聴き手の心をつかめていないからです。
コミュニケーションの成否は最初の45秒にあり
コミュニケーションの成功の鍵は、最初の45秒にあります。
学生時代の授業を思い返してみると、好きな科目は寝ることなくしっかり聞くことができるのに、苦手な科目は寝てしまっていたという経験はありませんか? 学生時代の授業も最初の1コマ目で興味が持てると、その授業は前向きに取り組めますし、最初で興味が持てなければ聞く意味なしとなってしまいますね。
それと同じように、例えば30分間のコミュニケーションであっても最初の45秒で興味が持てなければ、残りの時間でどれだけそのあとの内容が良くても耳に入ってきません。 45秒で興味を持ってもらうことが、コミュニケーションの成否を分けます。
45秒は「15秒×3ブロック」という意識を持つ
「話し始めの45秒が重要」だと繰り返しお話ししていますが、45秒の捉え方も重要です。
45秒を「15秒の3ブロック(塊)」と捉えます。15秒のブロックというのは、文字数にして240字です。時計を持って、本を片手に15秒のトークを体験してください。ゆっくり、中位、立板に水。これを3つ重ねて、45秒の導入部分、いわゆる「つかみ」にします。 45秒の中に3つの情報が盛り込まれることによって話に強弱がつきます。お笑い芸人やYouTuber が、淡々と一定のリズムで話すことはありません。かといって、ずっと山場の連続ではありません。話す長さ(尺)の中でここは控えめにして山場をより盛り上げようという部分や、ここは山場だからリアクションも大きく聴き手を惹きつけようという強弱が必ずあります。
この15秒ごとのブロックを意識することで、話し始めの45秒でお客さんをつかみ、その後、10分でも30分でも話をつなげていくことができます。
全体の時間配分に気を取られがちですが、まずは最初の45秒で感触をつかむこと、その45秒は「15秒×3ブロック」で構成されていることを意識しましょう。
SNSでも勝負は最初の45秒
最近のSNSの主流は、「ショートムービー」「ショート文字コンテンツ」です。TikTokは世界的な流行を生み出しましたし、追随する形でInstagram では「リール」という新機能が実装されました。YouTube でもショートムービーに特化した新機能をリリースしています。
SNS・インターネットの発達によって、より短く、コンパクトなコミュニケーションが求められています。従来の起承転結型の論理構成・三段論法も重要ですが、SNS時代では「ショートコミュニケーション」と「共感」が求められています。
短いコミュニケーションで相手の心をつかみ自分のファンを増やすことで、自分の挑戦を肯定する仲間ができ、自分のビジネスも展開しやすくなります。
現代のビジネスにおいてSNSを活用し、ビジネスに活かしていくことは必須であり、そのSNSでファンをつくるためには最初の45秒が何よりも重要です。