米国株投資に興味を持つ投資家が増えている。パフォーマンスが優れていることに加え、上昇している銘柄がGAFAMやナイキといった身近な企業で、外国株の障壁が少なく勝機があることも要因だろう。今からでも遅くない、米国株投資の魅力を紹介したい。
日本株は30年ぶりだが米国株は毎年のように最高値更新中
日本株が30年ぶりの高値更新に沸いている一方、米国株はどうだろう。日経平均が過去高値をつけた1989年末のNYダウは2,753ドルであり、2020年末には30,606ドルに達している。日本株が30年ぶりの高値なのに対し、米国株はその間10倍以上になっているのだ。
米国にも、ITバブル崩壊やアメリカ同時多発テロ事件、リーマンショックなど、大きな株価調整局面は何度もあった。しかし、そのたびに景気は回復し、株価は切り返し、過去最高値を毎年のように更新している。株式市場では、右上がりの相場の方が利益を上げやすいのはいうまでもないだろう。
なぜ米国株市場は魅力的なのか ?
米国株の上昇を牽引しているのは、基本的には米国経済と企業業績だ。理論的には、経済成長の高い国の株や企業業績の成長する株が上昇する。日本に比べ、米国の方が潜在的なGDP成長率が高く、企業業績の成長率も高いことを株価は反映している。
GAFAMなどはよい例だろう。GAFAMは、米大手IT企業のグーグル (親会社アルファベット) 、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトの5社の頭文字をとった言葉だ。
GAFAMのサービスは、世界中のどこでも誰にでも使える、グローバルなプラットフォームといえる。GAFAMに代表される米国企業は、新しいビジネスを切り開きながら成長し、米国経済や世界経済および米国の株価を先導する役割を果たしている。
世界の株式時価総額トップ10は、米国企業のGAFAMとテスラの6社、中国のアリババとテンセントの2社、サウジアラビアのサウジアラムコ、台湾の台湾セミコンダクターの10社となっている (2021年1月末時点) 。日本はトヨタの47位が最高である。米国企業が魅力的なことは明らかだろう。
米国市場には、米国を代表する30銘柄で構成されるNYダウ、テクノロジー株やバイオ株など成長企業の比率が高いナスダック総合指数、時価総額の上位500社で構成されるS&P500指数という3つの代表的な株価指数があり、過去3年のパフォーマンスは以下のようになっている。
2018年 | 2019年 | 2020年 | |
---|---|---|---|
NYダウ | −5.6% | +22.3% | +7.2% |
ナスダック総合 | −3.9% | +35.2% | +43.6% |
S&P500 | −6.2% | +28.9% | +16.3% |
参考) 日経平均 | -12.10% | +18.2% | +16.0% |
過去3年では米国株指数のほうが日経平均より安定的上回っており、特にGAFAMなどが含まれるナスダック総合指数は素晴らしいパフォーマンスを上げている。
米国株が魅力的な理由は、日本人にとっても親しみ深い企業が多く、それらの株が主役であるため、初心者でも参加しやすいことだ。ネット証券でも多くの銘柄がスマホでも簡単にトレードできる上、市場情報や企業レポートも入手しやすくなっている。また、1株単位で売買できることから、日本株よりも小口資金で投資をスタートできることも魅力といえよう。
ただ、気をつけておきたいデメリットは、為替レートにより収益が変わってくる点だ。いくらドル建てで好パフォーマンスを上げても、為替が円高になると円ベースでは目減りしてしまう。また、米国市場の取引には時差があるため、日本から投資をする場合リアルタイムでトレードがしづらいということにも注意が必要だ。
2020年にはテスラが8倍に買われるなど大化け株が続出
2020年のS&P500指数を構成する銘柄の中で、最も上昇したのが電気自動車世界最大手のテスラだ。年間で743%の上昇、つまり8.4倍になっている。GAFAMでは、アップルが81%高、アマゾンが76%高、フェイスブックが33%高、マイクロソフトが43%高、グーグルが31%高だった。
そのほか、コロナ禍でZOOMミーティングの巣ごもり需要が爆発したZOOMは396%高、ナイキは41%高、ウォルト・ディズニーは25%高、ネットフリックスは67%高、コストコは33%高など高パフォーマンスを上げている。小型株などで情報が取りにくいような企業ばかりが上げているワケではない点がポイントだろう。
今後も米国株の動向に注目
足元では日本株の注目度も上昇している。日経平均のパフォーマンスがNYダウを上回る局面もでてきた。しかし、今までの実績と米国企業の今後の成長性を考えると、長期の資産形成の分散投資として米国株動向には注目しておくべきだろう。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、個別銘柄などの投資を推奨するものではありません。
(提供:大和ネクスト銀行)
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