9月30日、大手製薬メーカーの塩野義製薬 <4507> の株価が一時7745円まで買われ、年初来高値を更新した。今年3月5日の年初来安値5372円から約7カ月で44.1%の上昇である。背景には同社が開発する日本発の新型コロナウイルス感染症のワクチン、および経口タイプの治療薬への期待が指摘される。

10月4日には自民党の岸田文雄総裁が、衆参両院の首相指名選挙で第100代の内閣総理大臣に選出され、新内閣が発足した。岸田政権は新型コロナウイルス等の感染症対応を一元的に担う「健康危機管理庁(仮称)」の創設を明言しており、塩野義製薬は政策関連銘柄としても注目されているようだ。

今回は塩野義製薬の話題をお届けしよう。

塩野義製薬、ワクチン開発が最終治験段階に

塩野義製薬,株価
(画像=artswai / pixta, ZUU online)

米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、世界の新型コロナウイルスの感染者数は10月6日現在で累計2億3500万人を超え、死者数も同480万人を突破している。WHO(世界保健機関)によると先進国のワクチン接種率は人口の50%を大きく超えているが、一方でアフリカ大陸で接種を終えた人は人口の3%余りにとどまるなど、先進国と途上国の間で接種を受ける機会の格差が広がっている。現在、ファイザーやモデルナ等のワクチンが普及しているが、今後は身体への負担が少なく、効果的に免疫を誘導することができる「経鼻ワクチン」の開発が期待されるほか、治療薬の開発も重要となる。日本では塩野義製薬がワクチンや治療薬、中外製薬 <4519> が治療薬の開発に取り組んでいる。

ちなみに、塩野義製薬は2020年の日本の製薬メーカーの売上ランキングで第8位、時価総額ランキングで第7位(10月6日現在)で、研究領域として感染症や精神・神経系疾患に注力する企業だ。特に感染症ではインフルエンザやヒト免疫不全ウイルス(HIV)治療薬などで実績があり、新型コロナウイルスのワクチン、治療薬でも期待が寄せられている。

注射を必要としない「経鼻ワクチン」への期待も