少額から投資ができ、経験が浅い人にとって取り組みやすい投資の一つに、不動産の投資型クラウドファンディングがある。高額の資金が必要となる従来の不動産投資と違い、クラウドファンディング会社が組成するファンド(投資商品)に対して複数の投資家から匿名組合出資という形で資金を集め、その資金を原資として投資用不動産の取得や運営を行い、家賃収入や売却益を各投資家に分配するものだ。投資家にとっては初期投資額が少なくて済み、不動産の管理も管理会社が担ってくれるといったメリットがある。近年、人気が高まりつつある投資方法だ。
その不動産の投資型クラウドファンディングを扱うビットリアルティ(bitREALTY)株式会社は2019年からサービスをスタートした注目のオンラインマーケットだ。各ファンド(投資商品)の年換算の想定利回りは3.5%前後で2021年8月31日時点での累計投資額は39億円を超えている。そんな不動産のオンラインマーケットであるビットリアルティが投資家を惹きつける4つの特徴を紹介しよう。
①大手2社によるジョイントベンチャー
ビットリアルティは2017年6月、ケネディクス株式会社と株式会社野村総合研究所の合弁会社として設立された。
ケネディクスは国内最大級の不動産アセットマネジメント会社だ。綜合ユニコム株式会社が2021年2月~3月にかけて行った不動産アセットマネジメント会社の運用資産ランキングによると、不動産運用資産残高は約2兆3,400億円で、業界トップとなっている。
一方、野村総合研究所は金融ITソリューションの分野で多くの実績を残している。2021年9月13日(米国時間)に公表された金融ITサービス企業の世界ランキング「IDC FinTech Rankings TOP 100」に12年連続でランクインし、海外の企業が上位を占める中で10位に選ばれている。
不動産アセットマネジメント会社 運用資産残高ランキング(上位10社)
※出典(1)文末に記載
順位 | 会社名 | 運用資産残高合計 |
---|---|---|
1 | ケネディクス | 2兆3408億円 |
2 | 三菱商事・ユービーエス・リアルティ | 1兆6835億円 |
3 | 野村不動産投資顧問 | 1兆5910億円 |
4 | 東急不動産キャピタル・マネジメント | 1兆4600億円 |
5 | 三井不動産投資顧問 | 1兆4350億円 |
6 | トーセイ・アセット・アドバイザーズ | 1兆1135億円 |
7 | 大和リアル・エステート・アセット・マネジメント | 1兆691億円 |
8 | 三菱地所投資顧問 | 8954億円 |
9 | 東京建物不動産投資顧問 | 7834億円 |
10 | ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント | 7052億円 |
IDC FinTech Rankings Top 100(上位10社)
※出典(2)文末に記載
順位 | 会社名 | 本部所在地 |
---|---|---|
1 | ファイサーブ | アメリカ |
2 | フェデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ | アメリカ |
3 | コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ | アメリカ |
4 | SS&Cテクノロジーズ・ホールディングス | アメリカ |
5 | インフォシス | インド |
6 | バーチュ・ファイナンシャル | アメリカ |
7 | グローバル・ペイメンツ | アメリカ |
8 | NCRコーポレーション | アメリカ |
9 | ディボールド・ニクスドーフ | アメリカ |
10 | 野村総合研究所 | 日本 |
ビットリアルティは、不動産投資とアセットマネジメントに関して豊富な知識を有するケネディクスと、金融ITサービス企業として抜群の実績を誇る野村総合研究所、それぞれの長所を融合させた企業なのだ。
②ノンリコースローンを証券化
ビットリアルティが扱うファンドは、実物資産そのものに投資するのではなく、実物資産等が証券化されたファンド(投資商品)に投資する形をとっている。
なお、競合他社では投資家から集めた出資金を原資とし、不動産業者などに対してコーポレートローンとして貸しつけるソーシャルレンディングの形をとるところが多い。ただ、コーポレートローンは不動産そのものではなく、事業会社に対して貸付を行うものであるため、その事業会社の事業性に関する倒産リスクなどがある。また、投資した資金が目的外使用されるリスクも含んでいる。
一方、ビットリアルティのファンドはノンリコースローン、すなわち対象不動産のみを担保として組成されるもので、実物資産そのものや不動産事業会社ではなく、実物資産を証券化したファンドに投資することになる。これらの仕組みによって、投資家は関係先の倒産等による影響を回避できるため、資産管理の安全性につながるというメリットがある。
③プロが投資している物件に個人で投資
ビットリアルティのファンドが投資している物件は、機関投資家や金融機関など、プロの投資家がすでに投資している物件だ。プロの投資家が注目し、実際に投資している物件がそろい、インターネットを通じて幅広い投資家に提供する形となっている。
個人で不動産投資を行う場合、それが投資に値する物件かどうかを自己責任で見極めなければならないが、「プロの投資家も投資している物件」であれば、安心感は高まるだろう。
④信託口座での徹底した資金管理
出資者の出資金は信託口座に入金され、その資金は実物資産そのものや不動産事業業者ではなく、実物不動産や実物不動産関連債券等が証券化されたファンドに投資されることとなる。
また、ファンドごとにビットリアルティが別々の口座を開設し、投資家の資産は信託口座からファンドの口座へと振りこまれて分別管理される。つまり、投資家から集めた資金はビットリアルティの口座を経由することなく、投資する商品の口座に信託口座から直接、預け入れられる形となる。
ビットリアルティが行うのは出入金の確認のみで、同社のクレジットリスクからは完全に隔離されているため、万が一、同社が経営破綻するようなことがあっても、資金は保全されることになる。
信頼できる大手企業が運営し、プロの投資家も投資している物件を対象としている上、関連企業等のクレジットリスクも回避できるビットリアルティのファンドは、投資の新しい選択肢になるはずだ。最低投資金額が10万円ということもあって株式よりも手軽に投資ができ、安定した利回りも期待できる。不動産投資を考えている人はもちろん、初めて投資をしようと迷っている人にもおすすめのファンドと言えるだろう。
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【出典】
(1)綜合ユニコム株式会社 運用の「潮流」|月刊PM編集部「不動産AMの運用資産実態、運用スタイルのコア志向が明確に」
(2)株式会社野村総合研究所|「野村総合研究所、金融ITサービス企業の世界ランキングで第10位」