シンカー:岸田内閣の経済政策は、これまでの「新自由主義」型アベノミクスから、「分配・成長(新しい資本主義)」型アベノミクスであるキシダノミクスに変化し、不完全であったリフレ政策が家計に所得を回すようなより完成したもの(アベノミクス2.0)になる。新たな「分配・成長」型のアベノミクスは、金融政策は「財政拡大との合わせ技の緩和で2%の物価目標を目指す」、財政政策は「成長による増収を家計に分配することで、財政の複数年度主義に基づき、しばらくは十分な財政赤字を維持する大きな政府(政府の機能向上)」、成長戦略は「政府の成長投資と所得分配で企業と家計を支えて総供給と総需要の相乗効果の拡大」となる。まずは新たな経済対策を閣議決定した。財政支出ベースで56兆円程度となり過去最大で、マーケットの予想を上回った。マーケットは、小さな政府から大きな政府への財政政策の転換、そして財政支出を伴わない規制緩和などから財政支出を伴う分配と成長投資などを中心とする成長戦略への転換を過小評価していた。岸田政権の財政政策の成功には、市中のマネーの拡大(リフレ・サイクル)と家計に所得を回す力であるネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)を十分な水準に維持する必要がある。ネットの資金需要はこれまで消滅していて、リフレ・サイクルの力がなく、GDP比5%(25兆円)程度の恒常的不足、財政拡大余地(未使用の財源)になっていた。ネットの資金需要は、企業と政府を合わせた支出をする力であり、家計へ所得を回す力となる。ネットの資金需要が存在しなければ、分配すべき富も生まれない。岸田内閣の家計への分配は、給付金などのミクロなものに加え、ネットの資金需要を政府と企業の支出で拡大させるマクロの分配が主となる。日本では不足している家計への所得分配を財政支出で促進することが「成長と分配の好循環」の起点となる。ネットの資金需要を消滅させたままにしていたのが「新自由主義」型アベノミクスで、財政拡大で十分な水準に維持しようとするのが「分配・成長(新しい資本主義)」型アベノミクスの定義である。目先は、ネットの資金需要を−5%程度の適切な水準に維持するのに十分な経済対策になりそうだ。キシダノミクスが重視する家計への所得分配ができるマクロの構図が維持されることになる。分配に偏っていて成長戦略が見えないだとか、単発の経済対策では長期的な成長率を押し上げる力は小さいというのは的外れな論点で、ネットの資金需要を十分な水準に持続させる財政政策の方針の大きな転換が起こっていることをマーケットはまた過小評価してはいけないだろう。ネットの資金需要の維持には経済対策の規模が重要であり、その障害となる「バラマキ」とレッテルを貼って政策の可能性を封じてしまうような批判は、施したと上から目線になる強者と施しを受けて負い目を感じる弱者の分断を生んでしまうリスクになるため適切ではない。実質GDPがまだ新型コロナウィルス感染拡大前を下回っていて、この局面での経済対策の目的は成長促進よりも経済・生活防衛で、今回の経済対策が企業と家計の支援が中心になるは当然だ。来年の通常国会では、景気回復の促進策の追加と、民間からの意見を取り入れた成長投資の拡大を含む更なる経済対策が策定される可能性がある。2021年度の補正予算、2022年度の本予算、そして2022年度の補正予算の三段ロケットの財政拡大が、経済活動の回復を支えるだろう。財政拡大の方針が明確になったことで、2022年度の実質GDP成長率の予想を3.5%から4.0%へ引き上げる。2021年度の3.0%から大きく加速し、デフレ構造不況からの脱却への足掛かりとなるだろう。建設的ではない「バラマキ」批判などの職や所得を失う恐れのない安全圏からなされることが多い強者の論理に屈せず、岸田政権は国民の痛みや苦しみに共感して寄り添うポジションを明確にし、困窮した家計と企業、そして子育てと教育への支援を、最低限だが確保できたことで、連立与党が来年夏の参議院選挙で勝利する可能性は高まったと考える。

会田卓司,アンダースロー
(画像=PIXTA)

岸田内閣の経済政策は、これまでの「新自由主義」型アベノミクスから、「分配・成長(新しい資本主義)」型アベノミクスであるキシダノミクスに変化し、不完全であったリフレ政策が家計に所得を回すようなより完成したもの(アベノミクス2.0)になる。これまでの「新自由主義」型アベノミクスは、金融政策は「日銀の異次元緩和のみで2%の物価目標を目指す」、財政政策は「プライマリーバランス黒字化目標重視による、財政の単年度主義に基づく小さな政府(政府の機能縮小)」、成長戦略は「規制緩和やコスト削減による総供給の効率化」であった。新たな「分配・成長」型のアベノミクスは、金融政策は「財政拡大との合わせ技の緩和で2%の物価目標を目指す」、財政政策は「成長による増収を家計に分配することで、財政の複数年度主義に基づき、しばらくは十分な財政赤字を維持する大きな政府(政府の機能向上)」、成長戦略は「政府の成長投資と所得分配で企業と家計を支えて総供給と総需要の相乗効果の拡大」となる。

来年夏の参議院選挙に向けて、新しい資本主義に基づき財政支出による分配と成長投資で、国民の生活を豊かにし、経済成長のきっかけをつかむ結果を残すことを目指す。まずは新たな経済対策を閣議決定した。財政支出ベースで56兆円程度となり、2020年4月の経済対策の48.4兆円を上回り、過去最大で、マーケットの予想を上回った。マーケットは、小さな政府(政府の機能縮小)から大きな政府(政府の機能向上)への財政政策の転換、そして財政支出を伴わない規制緩和などから財政支出を伴う分配と成長投資などを中心とする成長戦略への転換を過小評価していた。分配と成長投資を軸に、2021年度の補正予算と2022年度の本予算を一体とした財政拡大が行われる。

岸田政権の財政政策の成功には、市中のマネーの拡大(リフレ・サイクル)と家計に所得を回す力であるネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支、マイナスが強い)を十分な水準に維持する必要がある。ネットの資金需要はこれまで消滅していて、リフレ・サイクルの力がなく、GDP比5%(25兆円)程度の恒常的不足、財政拡大余地(未使用の財源)になっていた。新型コロナウィルス対応のための財政支出で、ネットの資金需要は−5%程度(GDP比)の望ましい水準になったが、今後は家計への分配と成長投資を含めたデフレ構造不況脱却のための財政支出に徐々にシフトすることで、水準を維持する必要がある。ネットの資金需要は、企業と政府を合わせた支出をする力であり、家計へ所得を回す力となる。ネットの資金需要が存在しなければ、分配すべき富も生まれない。岸田内閣の家計への分配は、給付金などのミクロなものに加え、ネットの資金需要を政府と企業の支出で拡大させるマクロの分配が主となる。日本では不足している家計への所得分配を財政支出で促進することが「成長と分配の好循環」の起点となる。ネットの資金需要を消滅させたままにしていたのが「新自由主義」型アベノミクスで、財政拡大で十分な水準に維持しようとするのが「分配・成長(新しい資本主義)」型アベノミクスの定義である。

4−6月期に−8%程度である財政赤字の水準がしばらく続きそうだ。目先は、市中のマネーの拡大(リフレ・サイクル)と家計に所得を回す力であるネットの資金需要を−5%程度の適切な水準に維持するのに十分な経済対策になりそうだ。キシダノミクスが重視する家計への所得分配ができるマクロの構図が維持されることになる。分配に偏っていて成長戦略が見えないだとか、単発の経済対策では長期的な成長率を押し上げる力は小さいというのは的外れな論点で、ネットの資金需要を十分な水準に持続させる財政政策の方針の大きな転換が起こっていることをマーケットはまた過小評価してはいけないだろう。ネットの資金需要の維持には経済対策の規模が重要であり、その障害となる「バラマキ」とレッテルを貼って政策の可能性を封じてしまうような批判は、施したと上から目線になる強者と施しを受けて負い目を感じる弱者の分断を生んでしまうリスクになるため適切ではない。

岸田政権の成長戦略は、分配政策で家計に所得を十分に回して消費を増加させることと、政府の成長投資を呼び水としてグリーンやデジタル、先端科学技術などの投資フィールドをニューフロンティアとして活性化させることで、投資の期待リターンを上昇させ、企業が刺激されて投資を拡大するようにすることで達成する。これまでは家計への分配がなく、投資に消費が反応できなかったことで、投資の期待リターンを押し下げていた。官・民一体となった投資拡大で、資本ストックが積み上げ(資本投入量の増加)を目指す。企業の投資がイノベーションを生み、生産性が上昇し、雇用は拡大し、実質賃金も増加する。資本蓄積に全要素生産性を加えたものが労働生産性であり、労働生産性の向上は賃金上昇につながる。1990年代から企業貯蓄率は恒常的なプラスの異常な状態となっており、企業のデレバレッジや弱いリスクテイクカ、そしてリストラが、企業と家計の資金の連鎖からドロップアウトしてしまう過剰貯蓄として、総需要を追加的に破壊する力となり、内需低迷とデフレの長期化の原因になっていると考えられる。企業の投資を活性化し、企業貯蓄率を正常なマイナスに戻し、総需要を破壊する力を消滅させる必要がある。

岸田内閣の成長戦略は、規制緩和を含むコスト削減中心の改革から、政府の投資中心の改革へ転換する。財政資金を伴わない効率化のミクロ改革から、財政資金を伴う投資と分配のマクロ改革に軸を移す。前者は主に総供給のみに働くが、後者は総供給と総需要の両方に働く。政府の成長投資として財政資金を投入することでグリーンやデジタル、先端科学技術などの投資フィールドをニューフロンティアとして活性化する新しい形の成長戦略に力を入れることになる。新型コロナウィルス対策の財政拡大で復活させたネットの資金需要を、政府負担の財政支出による所得分配と成長投資で十分な水準に維持し、リフレ・サイクルと家計に所得を回す力を強くしていく。リフレ・サイクルと家計に所得を回す力が強くなることは、疲弊した家計を立て直し、消費意欲を向上させることなどで、企業の投資に対する期待リターンを増加させる。

これまでは家計に所得を回す力であるネットの資金需要が消滅していて、家計が疲弊して消費は強くならず、期待リターンは抑制されていた。新たな投資フィールドをニューフロンティアとして政府の成長投資で拡大することで、企業の投資を活性化することができるだろう。財政拡大によるネットの資金需要の復活が所得分配の力と金融緩和の効果を強くし、市中のマネーの拡大として株式市場を押し上げる。そして、ニューフロンティアの拡大で企業の投資行動が強くなれば、企業貯蓄率の低下に伴い、ネットの資金需要の中身は財政赤字から企業の投資に移行し、「成長と分配の好循環」が生まれる。

自民党の衆議院選挙の公約で最も力が入っていたのは、成長投資のメニューである。「成長投資とは、日本に強みのある技術分野を更に強化し、新分野も含めて研究成果の有効活用と国際競争力の強化に向けた戦略的支援を行うこと」と定義している。問題ははどれだけ大きな予算を付け続けられるかだろう。予算のつかない成長戦略は動かない。このメニューの周りには、官民一体となったマネーが集まっていくことで、株式市場の投資テーマになっていくだろう。今回の経済対策にはスタートアップ支援、クリーン・エネルギー、蓄電池、人工知能、量子、5G・6G、先端半導体などへの成長投資が含まれるだろう。

実質GDPがまだ新型コロナウィルス感染拡大前を下回っていて、この局面での経済対策の目的は成長促進よりも経済・生活防衛で、今回の経済対策が企業と家計の支援が中心になるは当然だ。政府の成長投資の大きなプランを作るにはやはり時間が足りなかったとみられる。来年の通常国会では、景気回復の促進策の追加と、民間からの意見を取り入れた成長投資の拡大を含む更なる経済対策が策定される可能性がある。2021年度の補正予算、2022年度の本予算、そして2022年度の補正予算の三段ロケットの財政拡大が、経済活動の回復を支えるだろう。そして、2023年度にはニューフロンティアの拡大で企業の投資行動が強くなれば、ネットの資金需要の中身は財政赤字から企業の投資に移行し、「成長と分配の好循環」が生まれるだろう。企業貯蓄率が正常なマイナスに戻り、企業の過剰貯蓄としての総需要を破壊する力が消滅し、2%の物価上昇の目標を達成することが、日銀の金融政策の正常化の必要条件であり、財政政策と金融政策の連携の緩和政策は継続するだろう。財政拡大の方針が明確になったことで、2022年度の実質GDP成長率の予想を3.5%から4.0%へ引き上げる。2021年度の3.0%から大きく加速し、デフレ構造不況からの脱却への足掛かりとなるだろう。建設的ではない「バラマキ」批判などの職や所得を失う恐れのない安全圏からなされることが多い強者の論理に屈せず、岸田政権は国民の痛みや苦しみに共感して寄り添うポジションを明確にし、困窮した家計と企業、そして子育てと教育への支援を、最低限だが確保できたことで、連立与党が来年夏の参議院選挙で勝利する可能性は高まったと考える。

表1:スガノミクスからキシダノミクスへ

スガノミクスからキシダノミクスへ
(画像=作成:岡三証券)

図:リフレ・サイクルと家計への所得分配の力を示すネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)

リフレ・サイクルと家計への所得分配の力を示すネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)
(画像=出所:内閣府、日銀、岡三証券 作成:岡三証券)

表2:自民党の衆議院選挙の公約の中の成長投資

(成長投資とは、日本に強みある技術分野を更に強化し、新分野も含めて研究成果の有効活用と国際競争力の強化に向けた戦略的支援を行うこと。)

l 小型衛星コンステレーション等の衛星・ロケット新技術の開発や、政府調達を通じたベンチャー支援等により、宇宙産業の倍増を目指します。

l 宇宙・海洋資源、G空間、バイオ、コンテンツなど、新たな産業フロンティアを官民挙げて切り拓きます。

l 日本に強みがあるロボット、マテリアル、半導体、量子(基礎理論・基盤技術)、電磁波、電子顕微鏡、核磁気共鳴装置、アニメ・ゲームなど多様な分野につき、技術成果の有効活用、人材育成、国際競争力強化に向けた戦略的支援を行います。

l 産学官におけるAIの活用による生産性の向上や高付加価値な財・サービスの創出、5Gの全国展開、6Gの研究開発と社会実装を推進します。

l 国産量子コンピュータの開発に取り組むとともに、量子暗号通信、量子計測・センシング、量子マテリアル、量子シミュレーションなどの技術領域を支援します。

l 2030年度温室効果ガス46%削減、2050年カーボンニュートラル実現に向け、企業や国民が挑戦しやすい環境をつくるため、2兆円基金、投資促進税制、規制改革など、あらゆる政策を総動員します。

l カーボンニュートラルによる環境と経済の好循環実現のため、エネルギー効率の向上、安全が確認された原子力発電所の再稼働や自動車の電動化の推進、蓄電池、水素、SMR(小型モジュール炉)の地下立地、合成燃料等のカーボンリサイクル技術など、クリーン・エネルギーへの投資を積極的に後押しします。

l 究極のクリーン・エネルギーである核融合(ウランとプルトニウムが不要で、高レベル放射性廃棄物が出ない高効率発電)開発を国を挙げて推進し、次世代の安定供給電源の柱として実用化を目指します。

l 日本に世界・アジアの国際金融ハブとしての国際金融都市を確立するべく、海外金融機関や専門人材の受け入れ環境整備を加速させ、コーポレート・ガバナンス改革、取引所の市場構造改革、金融分野のデジタル化の推進などを通じて、資本市場の魅力向上を図ります。公平・公正・透明な金融市場への適正化を図り、金融商品に対する信頼確保に努めます。

l 未来の成長を生み出す民間投資を喚起するため、現下のゼロ金利環境を最大限に活かし、財政投融資を積極的に活用します。

l オープンイノベーションへの税制優遇、研究開発への投資、政府調達など、スタートアップへの徹底的な支援を行います。

l インフラの老朽化対策、地域の移動を支える地域交通や都市を結ぶ高速交通のネットワークの維持・活性化、地域での連携・協働の支援に取り組みます。

出所:自民党 作成:岡三証券

表:日本経済の見通し

日本経済の見通し
*寄与度**資金循環統計ベース(画像=出所:内閣府、総務省、財務省、日銀、Refinitiv 作成:岡三証券)

田キャノンの政策ウォッチ:経済対策の詳細

政府は新たな経済対策「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を19日の臨時閣議で決定した。財政支出ベースで55.7兆円、うち国費が43.7兆円、地方の負担分や財政投融資を加えた財政支出が12兆円に上る。財政支出と民間資金を加えた事業規模は78.9兆円に上る。2021年度補正予算案には31.9兆円(一般会計31.6兆円、特別会計0.4兆円)を計上。経済対策には2020年度予算の繰越金や2021・2022年度の新型コロナ予備費(それぞれ1.8兆円、5.0兆円)も含まれている。今後の予定は、12月6日をめどに臨時国会の召集、会期は2週間程度、閣議決定案を補正予算案に落とし込む作業に約2週間かかるため、12月上旬に補正予算案を提出、12月中旬に補正予算成立を目指す。2022年度予算編成と税制改正の閣議決定は補正予算成立後で普段よりも遅くなるだろう。以下は、経済対策の抜粋である。

l 18歳以下の子供への10万円給付、対象は約2,000万人、総額2兆円程度。5万円を先行して給付、来年春をめどに残り5万円を原則子育て関連に使途を限ったクーポンで支給。給付対象は夫婦のうち高い方の年収960万円以下、全対象の9割を占める。

l 教育、住居費負担の軽減など、子ども・子育て支援策を強化。

l 住民税非課税世帯を対象に1世帯10万円給付。

l 厳しい経済状況にある学生を対象に10万円給付。

l 困窮されている方々には、生活困窮者自立支援金の拡充、最大30万円を支給、困窮状態が続いている場合は追加で更に30万円給付。

l 事業復活支援金として、事業者向け給付金を最大250万円給付、11月から3月までの5か月分。個人事業主は50万円。

l 政府系金融金融機関による実質無利子・無担保融資と危機対応融資は来年3月まで継続。

l 中小企業の事業再構築、採算性向上への助成を拡充、最大1億円を支給。中小企業支援に3兆円程度の給付金。

l 雇用調整助成金の特例措置を3月まで延長。

l ガソリン、灯油価格の高騰を踏まえ、農業や漁業、運送業などへの支援。石油元売り等に対し、価格抑制原資の支給。原油高対策には予備費でも対応。

l 10兆円の大学ファンドの年度内創設。現在は4.5兆円程度積み上げている。

l ワクチン、治療薬の国内開発の支援。

l クリーン・エネルギーへの投資、蓄電池製造拠点の国内立地を支援する補助金。

l 人工知能、量子などの分野での研究開発を複数年度にわたって支援する基金の設置。

l 経済安全保障強化に5000億円投入。

l 先端半導体の国際共同開発と半導体工場の国内設備投資を支援。

l 6G共同開発に補助金、2021年度補正予算案に数百億円計上。

l デジタルを活用した地域活性化への大規模な交付金。地方創生臨時交付金の拡充。

l マイナポイント、最大2万円付与。新たな取得者に5000円分、カードを健康保険証としての手続きをした人に7500円分、預貯金口座と紐づけした人に7500円分。

l 観光支援事業Go To トラベル再開、来年1月中旬ごろに再開、4月下旬からの大型連休後も継続。補助上限は1月に1万3000円相当、連休後に1万1000円相当。

l 介護職や保育士、看護師らの収入引き上げ。看護師は来年2月から1%程度の処遇改善、段階的に3%程度まで引き上げる。

l デジタルスキルの職業訓練や能力開発、正社員化、処遇改善に予算を大胆に投入し、3年間で4000億円の施策パッケージを設ける。

l 防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策の推進・豊かな田園都市国家を支える交通。物流インフラの整備。

l 2020年度予算の繰越金や決算剰余金を活用。

l 財政の単年度主義の弊害是正に配意。

l 2021年度補正予算は16カ月予算として、一部は2022年度当初予算に計上。

l 一人当たり賃上げを後押しする税控除率の大胆な引き上げ。

l 大企業がスタートアップのイノベーションを応援する税制拡充。

出所:各種報道 作成:岡三証券

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岡三証券チーフエコノミスト
会田卓司

岡三証券エコノミスト
田 未来