この記事は2022年6月8日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年6月8日(水)の午前11時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
西原宏一 青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年6月7日(火)のマーケットは豪ドル/円が主役。きっかけはRBA。
まず予想は、0.4%の利上げだったところ、実際には0.5%の利上げで、マーケットは一時急騰する。しかし、この程度の差であれば、セル・ザ・ファクトで崩れるはず。実際に発表後の豪ドル/米ドルは急騰後一時大きく値を下げた。
しかし、マーケットは押した後反発。なぜならRBAは「安定的」という言葉を削除し、「今後数カ月にわたって豪州の金融情勢を正常化する過程でさらなるステップを踏む」と示唆したため。
モルガンスタンレーのエコノミストは、2022年7月と8月に0.5%、9月から11月に0.25%の追加利上げを行い、年末までにRBAの「より正常な」水準である2.6%まで引き上げる可能性があると見ているようだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
OIS(金利先物市場)は年末までに、豪州の政策金利は3.00%を超えていると織り込み始めている。FRBは今月、来月と0.5%の利上げを実施(米ドル/円の上昇要因)。RBAも2022年7月、8月と0.5%の利上げを実施(豪ドル/米ドルの上昇要因)。
豪ドル/円は、米ドル/円×豪ドル/米ドルの合成通貨ペアなので、豪ドル/円の上値余地は拡大するはずだ。
多くの各国中銀が金融引き締めを行なう中、株価の反落時に豪ドルが値を下げる局面があると思うので、そのリスクをうまく避けたいところだが、RBAの発表により、豪ドル/円は100円が視野に。戦略的には、豪ドル/円の押し目買いで臨みたい。
▽豪ドル/円 の日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。