この記事は2022年6月28日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=ELUTAS / PIXTA)

2022年6月21(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

先週は、岸田首相と黒田日銀総裁の会談や、中尾元財務官が「政府・日銀の介入の可能性は否定できない」と発言したことで少し円高に振れた場面もあった。

しかしながらこの2人の会談で円安懸念を表明したところで、ほぼ影響はないとみており、また中尾氏の発言もこう答えるしかないのではという雰囲気を感じる。

というのは、会見で記者がどのように質問したかはわからないが、例えば、「日銀のドル売り介入の可能性はゼロなのでしょうか」と質問した場合、「可能性はゼロです」とは言えないため、こういった回答になるわけだ。

もちろんこの発言だけを字面で見るとマーケットは反応するだろう。ただし、どちらの可能性もあるように言っておくことがいわば最も無難なため、こう答えたのではないかという気がする。

しかも米国が介入に対して否定的な中での介入というのはおそらく不可能だろう。米国はインフレを何とかしなければならないと奮闘中で、株が崩れようが何だろうがとにかく利上げをしている訳だ。

そんなときにドル高になれば、輸入物価水準は少しは安くなるので、米国がそれを止めることはないと思う。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは133.25~137.25円。今週はポジション調整が入るも底堅い週となりそうだ。

米ドル/円は先週、134円も割れなかったぐらいなので、133円台までは落ちていかないだろうが、押したところは買っていきたい。海外勢が出てくる欧州時間にはまたドル高方向に行くのではないか。なので下がったところは丁寧に押し目買いをするスタンス。

直近では136.71円付近で上値を止められているので、このレベルでは利食いも出やすいだろうし、これを抜けたからといって140円まで一気に棒上げするかと言えばそれはないと思っている。

137円台では上値抵抗がたくさん出ている。よってロングを仕込んでも137円に乗る手前、136円台ではしっかり利食いたい。基本は相場を見ながら押し目を買うスタンスを継続していきたい。

「365歩のマーチ」ではないが、「3歩進んで2歩下がる」の下がるときに高値でロングを持っていると切らされるので、ロングも利食ってまた次に押しをダメもとで指値を入れて置いたりと、回転させるほうがいいだろう。

また、ないとは思うがもし日銀が長期金利を0.25%から少しでも引き上げるようなことがあれば、これは相当円高に振れることになるだろう。よって念頭には置いておいたほうがいいが、ショートを振る気にはなれないので、しっかり利食いをしつつ、押し目を待つ、そんな戦略で考えている。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。