この記事は2022年9月7日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年9月7日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は144円台まで急上昇。歴史的な円安進行は新たなステージに突入している。世界的な利上げ局面のなか、我が道を行く日銀の政策スタンスとの対比が改めて意識されている格好だ。

主要通貨に対するドルの強さを表したドルインデックスも2002年ぶりの水準まで上昇しており、円安のみならずドル高の地合いでもある。

また、週明けからロシア産ガスの欧州向けパイプライン「ノルドストリーム1」の供給再開延期による欧州のエネルギー問題や、英トラス新首相の誕生と欧州通貨の材料も事欠かない展開が続く。

現在の為替相場の戦略やスタンス

2022年9月に入り、米ドル/円は既に4円以上上昇、ボラティリティも急上昇しているだけに上も下も値動きは速いだろう。ここから先、買い一辺倒とはいかないだろうが、高値更新のタイミングではそれなりに走ってくれるので短期ではついていける。

また、東京時間では本邦当局者から口先介入が入る可能性は高く、ヘッドラインから下に振らされる展開はあるだろう。ただし、実弾介入がイメージできず口先だけであれば、下がったところは買い場と考えたい。

イベントでは2022年9月8日(木)、ブラックアウト期間前最後となるパウエルFRB議長の発言が予定されている。先月のジャクソンホール会議と同じトーンであれば、今月のFOMCで0.75%の利上げが正当化されるだろう。パウエルFRB議長が先月から急変するとも思えないし、FRB、ボードメンバーの発言からも0.75%が既定路線との考えは変わっていない。

一方、ECBも2022年9月8日(木)は政策金利発表が予定されており、インフレの進行でこちらも0.75%大幅利上げの見方が多数となっている。しかしながら、エネルギー問題や付随する景気後退懸念など欧州経済は問題山積のため、大幅利上げとなってもユーロ買いが続くシナリオは描きにくい。ユーロはセルザファクトのような値動きも想定しておきたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。