この記事は2022年9月6日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
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2022年9月6日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

ロシアが欧州へのノルドストリーム1の供給を無期限停止するという報道が出ている。欧州全体、特に独を中心にエネルギー問題がなかなか解決しない状況だ。マクロン仏大統領も、国民に対してエネルギーの10%削減を述べており、これがうまくいかなければ供給を遮断すると発言している。欧州の景気悪化懸念からユーロは重くなるだろう。

確かに欧州は利上げを考えてはいるが、米国の利上げ幅や回数には到底及ばないため、ファンダメンタル的には、ユーロ/米ドルでは、どうしてもユーロ売り・ドル買いになってしまう。そしてそのドル買いが、結果的に米ドル/円を押し上げてしまう形となる。

なおかつこれだけ世界の金利が上がっている中で、日本だけがおそらく黒田日銀総裁退任まで利上げはないと見られている。よって、低金利で円を借りてドルで運用したほうが儲かるという発想となり、円キャリートレードが出てくるだろう。

また、G7財務相会議で鈴木財務相が「私を含め、円安に関する発言はなかった」と述べており、全世界が円安を容認していることがうかがえる。特に米国は、ドル高になれば輸入物価は下がるわけで、インフレ抑制に努めている米国にとっては、ドル高は歓迎な訳だ。となると介入も可能性はほぼなく、ますます円安が進むことが考えられる。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは138.50~142.50円。今週は、下値を固めながら「ドルの上値追い」をする週となりそうだ。

米ドル/円は、レベル感でショートを振りたくなる気持ちもわからなくはないが、買いから入るというスタンスが非常に重要となってくる。売りから入る場合はスキャルピングにとどめておいたほうが賢明だろう。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。