この記事は2022年8月31日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年8月31日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

リスクオフ局面にも関わらず、ユーロクロスが上昇している。ユーロ上昇の背景には次回ECB会合で0.75%の大幅利上げを主張する声が増えてきたためだ。「景気より物価」という流れになっており、FOMCと同様にECBも利上げ幅が0.50%なのか0.75%なのかでマーケットが揺れている。

そう言った意味で本日31日(水)発表の欧CPI(消費者物価指数)は結果が気になるところ。一方、ドルは上昇が一服しているものの、パウエルFRB議長以下、FRBボードメンバーはインフレと戦う姿勢を明確にしており、底堅さは健在。9月FOMCの利上げ確率も0.75%利上げを7割程度織り込む形で優勢に転じている。

もっとも利上げ幅に関しては今後のデータ次第としているため、本日31日(水)にADP雇用報告(民間統計)、明日9月1日(木)にISM製造業指数、明後日2日(金)は米雇用統計(政府統計)と続く米経済指標に向けて準備をしておきたい。

因みに本日31日(水)のADP雇用報告は政府発表の雇用統計と差異があることが多かったが、今回から算出方法がアップデートされるということで相関性が上がるのではないかと言われている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

世界的な金融引き締めモードに入っており、基本的にはリスクオフトレードを意識したい。ECBのタカ派化であしもとユーロは上昇しているが、欧州の脆弱な経済とリスク局面ではユーロの上昇は続かないとみている。欧CPIやECBなどビックイベント通過後には売り場を探してみたい。

ドルに関しては米経済指標に振らされるが、指標結果がよほどネガティブでない限り、上目線は継続。米ドル/円になるとリスクオフの円高もチラつくがここまできたら140円の攻防に期待している。また、月末のリバランスはドル売りの可能性が高いのでロンドンフィックスに向けて大きめのフローが入ってくるかもしれない。

▽米ドル/円の日足チャート

220831iguchiL
(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。