この記事は2022年8月30日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=zephyr_p/stock.adobe.com)

2022年8月30日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言は、予想以上にタカ派だったという印象。米国はインフレが止まらないため、ここからマーケットの予想以上に大幅な利上げ(回数も含め)を継続していきそうなスタンスで、それに対しマーケットが強く反応した格好。

株が1000ドル以上下落したことに対してもFRBは「株式市場の下落はFRBがインフレ対策に真剣に取り組んでいるというメッセージを投資家が受け取ったことを示している」と発言しており、マーケットは正しい捉え方をしているといったところだ。

CMEのFedWatch(政策金利操作に関する確率を分析するツール)では、2022年9月と11月連動で、2回のFOMCで1.5%の利上げ予想というのは、ジャクソンホール前までは0%だった。つまりそれを予想する人はいなかったわけだ。

しかし、ジャクソンホール後には54.9%まで跳ね上がった。これは9月も0.75%の利上げを実施するが、11月も0.75%上げるという見方が半数以上になったということ。それほどFRBの利上げに対する積極的な姿勢を感じたからこそ、長期金利や米ドル/円が上がったのだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円予想レンジは、135.00~140.00円。これは2022年8月28日(日)の夜中に考えたもの。昨日29日(月)早朝の安値は137.37円付近だったが、そこから2022年8月29日(月)のうちに139円ちょうど付近まで吹き上がった。そのため予想レンジ上限まであと1円程度しかないが、140円というのはかなり大きな節目であるため、そう簡単には突破しないのではないかと思っている。

下は135円や136円にはもう戻らないかもしれないが、戦略的には米ドル/円の上昇が続くと見て押し目買い。具体的には136円台後半から137円台ミドルで押し目を買って、前回高値である139.39円付近などを意識しつつ、139円台で利食いをする買い回転で臨みたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。