この記事は2022年9月19日に「CAR and DRIVER」で公開された「映画『007』シリーズ公開60周年記念チャリティオークションのハイライト」を一部編集し、転載したものです。


映画『007』シリーズ公開60周年記念チャリティオークションのハイライト
アストンマーティンDB5は1964年の第3作からボンドカーとして使われている(写真はオリジナルモデル)

2022年9月28日、ロンドンのクリスティーズで映画007シリーズをテーマにしたオークションが開催される。1962年に第1作『007/ドクター・ノオ』が公開されて、今年は60周年を迎える。これを記念して開催されるチャリティ企画である。さて、クルマ関連では、どのようなモデルが出品されるのだろうか。

ジェームズ・ボンドといえば、ボンドカー。1964年の第3作『007/ゴールドフィンガー』で登場したアストン・マーティンDB5が有名だ。2021年に公開された最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』には、レプリカのDB5が使われているが、これがオークションリストに掲載された。

撮影で使われたスタンカーは、マニュアル仕様。ボディパネルはカーボン製で、両サイドには生々しい傷跡が残っている。ヘッドランプに隠されたマシンガンも装備。主催者による落札価格予想は150万〜200万ポンド(2億4,750万〜3億3,000万円)である。

アストン・マーティンはボンドの愛車V8ヴァンテージもオークションに出品予定である。これは映画用に改造された3台のうちの1台だという。落札価格は50万〜70万ポンドだ。

映画『007』シリーズ公開60周年記念チャリティオークションのハイライト
撮影のリハーサル中のランドローバー・ディフェンダー110 Ⓒ2020 Danjaq LLC and MGM_All Rights Reserved

ランドローバーのディフェンダー110、レンジローバースポーツSVR、ジャガーXFもオークションに出品される。

映画のアクションシーンの中で使われたディフェンダー110のスタントカーは、落札予想価格が30万〜50万ポンド。日本円にして4,800万〜8,000万円である。このほか2台のディフェンダーと、1台のレンジローバースポーツSVRが出品される。いずれも映画の撮影で使用され、映画の公開前に行われるプロモーション活動に参加したモデルだ。

映画には登場していないが、ディフェンダー110・V8ボンド・エディションも出品される。ボンド・エディションは世界300台限定で発売されたが、オークションに登場するモデルはワンオフモデル。SVビスポークが制作し、インパネの一部に60 Years of Bondのロゴをデザインしている。こちらの落札価格は20万〜30万ポンドと予想されている。ボンド・ファンはもちろん、スペシャルモデル・コレクターにとっては貴重な1台に違いない。

映画『007』シリーズ公開60周年記念チャリティオークションのハイライト
ディフェンダー110・V8ボンドエディション

007シリーズは、スリリングなストーリー展開、派手なアクションシーンを彩る名車たちと、見どころは多い。シリーズ第25作の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は新型コロナの影響で公開日が延期された経緯がある。

前作『007/スペクター』で現役を退いたジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)が、旧友の依頼を受けて危険な任務に復帰する展開。クレイグが主演するボンド・シリーズの最終作ともいわれている充実作だ。

作品を鑑賞して、オークションの動向に注目するのも一興かも。

Writer:カー・アンド・ドライバー編集部(松澤)

(提供:CAR and DRIVER