この記事は2022年9月28日(水)配信されたメールマガジンの記事「岡三会田・田・松本賢 アンダースロー(日本経済の新しい見方)『ネットの資金需要を日本の新しい財政規律の目安に』を一部編集し、転載したものです。
要旨
企業の過剰貯蓄がある中、景気の状態を考慮しない生のプライマリーバランスの黒字化目標は、財政規律の目安としてはマクロ環境が考慮されずに質が悪く、財政政策を過度に緊縮にしてしまう
企業と政府の支出する力であるネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)を消滅させ、家計に所得を回らなくしたことで、新自由主義は失敗
▽ネットの資金需要を消滅させたのが新自由主義の失敗
- ネットの資金需要を回復させ、家計に所得を回すことで、新しい資本主義が稼働
▽積極財政で新しい資本主義が稼働
グローバル・スタンダードでは、景気の状態を考慮する構造的財政収支が財政規律の目安(黒字=財政政策を緩和すべき、大きな赤字=緊縮すべき)
ネットの資金需要を用いた構造的財政収支を、マクロ環境を考慮できる質の良い新しい財政規律の目安とすべき
▽構造的財政収支は黒字になりすぎていた
構造的財政収支=ネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)−財政定数(=望ましいネットの資金需要=−5%)
財政定数は、新自由主義で0%、新しい資本主義では−5%となり、企業貯蓄率がプラスの間は十分な財政赤字が必要
構造的財政収支は黒字になりすぎていた
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