仮想通貨やブロックチェーンの台頭によって、近年では世界中の金融サービスに変化が生じている。なかでもWEB3.0をはじめとした分散型サービスは、一般投資家の資産運用にも影響を与えるものだ。

今回はネクストフロンティアとして注目したいWEB3.0やDefiの概要に加えて、分散型サービスが金融業界・投資業界に及ぼす影響などを解説する。

WEB3.0とは ? 従来のWEBとの違い

ネクストフロンティアはどこ?WEB3.0、Defiとは?
(画像=EZPS / stock.adobe.com)

WEB3.0とは、「次世代のインターネット」とも称される新たな技術のことである。分散型ネットワークを基礎にしている点が特徴的であり、主に仮想通貨で有名なブロックチェーン技術 (※) が用いられている。

※ 複数のユーザーで取引データを共有・管理する技術のこと。

現時点ではあくまで開発段階・テスト段階だが、WEB3.0は以下のような中央集権性による課題を解決する技術として注目されている。

○中央集権性 (※) による課題
・大企業などの管理者がマージン (利益) を搾取する
・管理者のセキュリティが甘いと、情報の漏えいリスクなどが高まる
・個人情報をユーザー自身で管理できない など
※ 管理をする権力や決定権などが、ひとつの組織などに集中すること。

では、従来の技術である「WEB1.0」や「WEB2.0」とは、具体的にどのような点が異なるのだろうか。

主な違いWEB1.0WEB2.0WEB3.0
時期1990~2004年2005年~2020年~
コミュニケーション一方向双方向エンゲージド
焦点企業や組織コミュニティ個人
評価指標ページビュークリック単価ユーザーエンゲージメント (サービスへの愛着度)
データの取り扱い各ユーザーが所有ユーザー同士で共有ユーザー同士で統合
具体例個人のウェブサイトやブログ、メールなどTwitterやYouTube、FacebookなどのSNSBraveやIPFSなどのプラットフォーム

SNSをはじめとしたWEB2.0の台頭によって、ネットユーザーのコミュニケーションは双方向になり、組織よりも小さなコミュニティに焦点が当てられるようになった。それに対してWEB3.0は、コミュニティよりもさらに小さな「個人」に焦点を当て、個人同士の緊密なコミュニケーションを実現している。

Defiとは ? 仮想通貨の新たな運用も可能に

近年注目されている技術としては、「Defiサービス」と呼ばれるものも押さえておきたい。

Defiはブロックチェーン上で構築される金融型のアプリケーションであり、日本語では「分散型金融」のように訳される。WEB3.0と同じく、ユーザー同士でシステムやデータを管理し合う仕組みなので、金融機関のような中央管理者は存在していない。

DefiのメリットDefiのデメリット
・中央集権性よりも手数料を抑えやすい
・世界中どの地域からでも利用可能
・取引時間を削減できる
・トラブルがユーザーの自己責任になる
・ユーザーが増えるほど処理が追いつかなくなる
・地域によっては規制されるリスクがある

Defiは投資とも関わりが深く、「イールドファーミング」と呼ばれる仕組みによってすでに資産運用としての形ができている。これは、仮想通貨をDefiサービスに貸し出すことで、その見返りに利息や手数料収入を受け取れるシステムだ。

現時点ではいくつか課題を抱えているものの、上記のデメリットを解決できるような技術が確立すれば、世界中の金融サービスがDefiに置き換わるかもしれない。

なぜ分散型のサービス・プラットフォームが注目される ?

ゲーム内のアイテムを自分の資産にできるアプリや、仮想通貨を貸し借りできるサービス (レンディングサービス) など、すでにWEB3.0やDefiは多くのユーザーから利用されている。では、なぜ分散型のサービス (プラットフォーム) は世界中で注目されているのだろうか。

その主な理由としては、次の3つが挙げられる。

○分散型のサービスが注目される理由
・金融機関を介さないため、送金手数料などを抑えやすい
・データの改ざんがほぼ不可能であり、セキュリティ性が高い
・サービス内で使用される仮想通貨 (暗号通貨) に、投資的な価値がある

一方で、一度記録されたデータを削除できない点や、データが増大し続ける点など、分散型サービスにはいくつか課題も残されている。また、サービス内で取引される仮想通貨についても、現時点では値動きの幅が非常に激しいため、法定通貨にとって代わることは難しい。

とは言うものの、分散型サービスが台頭し始めたのは最近のことなので、今後新たな技術によって次々と課題が解決される可能性は十分に考えられる。

分散型サービスの台頭により、資産運用の形も変化していく

WEB3.0やDefiなどの分散型サービスの台頭により、最近では資産運用の形も変化しつつある。

なかでも前述のイールドファーミングやレンディングサービスは、比較的分かりやすい例だ。分散型サービス内で仮想通貨が価値をもつことにより、今では単なる売買だけではなく、仮想通貨の貸し借りによって利益が発生するようになった。

また、大手の資産運用会社がブロックチェーン関連のファンドを立ち上げるなど、分散型サービス関連の金融商品も着実に増えてきている。証券会社を運営する国内グループ企業が、新たに仮想通貨取引所を開設している点も、仮想通貨の注目度が上がっている証拠と言えるだろう。

まだ先の話にはなるが、このスピードを維持したまま技術が発展していけば、個人間だけでさまざまな金融商品を取引できるような分散型サービスが誕生するかもしれない。

WEB3.0やDefiはネクストフロンティアになる可能性を秘めている

WEB3.0をはじめとする分散型サービスは、今後も世界中で注目される可能性が高い。そうなれば、サービス内で使用される仮想通貨の価値も変わってくるので、現在の法定通貨や金融商品にも大きな影響が出てくるだろう。

特にWEB3.0やDefiはネクストフロンティアになる可能性があるので、今後も引き続き動向をチェックしておくことが重要だ。

(提供:大和ネクスト銀行


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