投資に興味があるものの、「種類が多すぎて決められない」という方もいるだろう。そこで、今回は代表的な金融商品である「外貨預金」と「株式投資」をわかりやすく比較する。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、自身の目的や投資スタイルに合うものを選ぶことが大切だ。それぞれの特徴を正しく理解した上で、自分に適しているものを見極めよう。
外貨預金のメリットとは ?
外貨預金のメリットは、まず金利差が挙げられる。世界には日本円よりも金利が高い通貨が多くあり、中には金利が4~5% (年利) に設定されているものもある。
また日本円から外貨へ、外貨から日本円へ交換するタイミングで為替差益 (※) を狙えることも、外貨預金のメリットといえる。外貨として保有している間に為替レートが円安方向に進むと、日本円に交換する際に為替差益を得られる。
(※) 為替レートの変動によって生じる利益のこと。
このように外貨預金は利益をコツコツと積み重ねられる可能性があるため、中長期の資産形成に適している。
外貨預金におけるデメリットとは ?
一方で、外貨預金のデメリットとしては、以下のような特有のリスクがある点が挙げられる。
外貨預金の主なリスク
・為替変動リスク:為替レートの変動によって損失が生じるリスク
・信用リスク:金融機関の財政悪化などにより、外貨を引き出せなくなるリスク
・流動性リスク:契約期間や換金の制限により、日本円と自由に交換できなくなるリスク
特に為替変動リスクには注意が必要で、外貨を保有している間に為替レートが円高方向に進むと資産が目減りしてしまう。円高の主な要因としては、投資先の国における災害や政治の混乱、紛争などが挙げられる。
投資先の国の状況によって損失が生じるリスクを「カントリーリスク」という。
株式投資のメリットとは ?
株式投資のメリットは、以下の3つの利益を狙えることだ。特に、配当金や株主優待は外貨預金にはないメリットといえる。
株式投資の利益 | 概要 |
---|---|
売買差益 (キャピタルゲイン) | 株式を売買した時の差益のこと。国内株では1日の値幅に制限が設けられている。 |
配当金 (インカムゲイン) | 業績が良かった場合などに、保有株式数に応じて株主に還元される利益のこと。銘柄によって分配される回数や金額が異なる。 |
株主優待 | 保有株式数に応じて付与される、現金以外の利益 (自社製品や割引券など) のこと。 |
株式は投資対象 (銘柄) が豊富であり、1日で株価が大きく変動するものもあれば、株価や配当金が安定しているものもある。銘柄の選び方を工夫すれば、短期から長期までさまざまな投資スタイルを実践できるだろう。
株式投資におけるデメリットとは ?
ここからは、株式投資におけるデメリットを投資スタイル別に見ていこう。
キャピタルゲイン狙いのデメリット | インカムゲイン狙いのデメリット |
---|---|
・売却するまで利益が確定しない ・利益や損失を予測しにくい ・短期間で大きな損失を被ることもある | ・まとまった利益を得るまで時間がかかる ・業績によっては配当金の減配や無配がある |
キャピタルゲイン狙いは「ハイリスク・ハイリターン」といわれており、投資先企業の信用不安やトラブルなどが生じると、大きな損失につながる点がデメリットとなる。一方で、インカムゲイン狙いは比較的ローリスクだが、特に個別株は投資資金に対する利回りが低いため (年間で数%ほど) 、まとまった利益を得るまで時間がかかる点がデメリットといえる。
外貨預金と株式投資のデメリットを比べると ?
ここまでの内容を踏まえて、外貨預金と株式投資の特性について考えてみよう。
外貨預金に影響する為替レートは、長期的に見ると一定の帯のレートを上下動している (例外あり) 。そのため長期保有を前提とする場合は、一時的に損失が生じても焦る必要はないだろう。評価損がなかなか解消されなかったとしても、外貨預金では金利差による利益を定期的に得られる。
一方で株式投資は大きな利益を狙えるが、キャピタルゲイン狙いでは短期間で大きな損失を被ることもある。銘柄によってはインカムゲイン狙いに切り替えることもできるが、そもそも配当金が出ない銘柄もあるため、よく確認しておきたい。
このように比較すると外貨預金のほうが低リスクで、安定した資産運用を実現しやすいといえる。ただし大きな利益を得ることは難しいので、目標金額が大きい場合は他の金融商品と組み合わせることも検討の余地がある。
投資資金や目標に合った運用方法を選ぼう
全体としては外貨預金のほうがデメリットが少ないが、外貨預金と株式投資に優劣はない。どちらにも適した投資スタイルがあるので、投資資金や目標に合った運用方法を選ぶことが大切だ。
事前にリスクを把握しておくと自分に合った運用方法を選びやすくなるので、投資を始める前に各金融商品に潜むリスクを確認しておこう。
(提供:大和ネクスト銀行)
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