「投資」には必ずリスクがあり、外貨預金も例外ではない。ただし、リスクとの付き合い方を押さえておけば、安定した資産運用を実現しやすくなる。
本記事では外貨預金に潜むリスクや、リスクの管理手法などをわかりやすく解説する。
投資に「リスク」はつきもの
投資における「リスク」とは、金融商品の価格が予想と異なる動きをすることで、損失を被る可能性があることをいう。利益を見込んで投資したものの思うようにいかず資金が減る可能性もある、と考えると分かりやすいだろう。
投資というと株式投資や投資信託などをイメージするかもしれないが、「投資」には、すべて同じリスクが潜んでいる。外貨預金も例外ではないので、投資する前に正しい知識を身に付けておくことが大切だ。
外貨預金にはどのようなリスクがある ?
では、外貨預金には具体的にどのようなリスクが潜んでいるのだろうか。特に押さえておきたいリスクとしては、以下の4つが挙げられる。
外貨預金の主なリスク | 概要 |
---|---|
為替変動リスク | 為替レートの変動によって、外貨の価値が下がるリスク。円高に振れると損失が発生する。 |
金利変動リスク | 政策の見直しなどの影響で、外貨の金利が下がるリスク。金利が下がれば、受け取れる利息も少なくなる。 |
カントリーリスク | 政策変更や政権交代、紛争、テロといった政治的・経済的要因によって、その国の通貨価値が暴落するリスク。 |
手数料リスク | 為替手数料や送金手数料などが利益額を上回ることで損失が発生するリスク。手数料の仕組みは金融機関によって異なるため、事前に確認・比較しておく必要がある。 |
特に為替変動リスクやカントリーリスクは資産運用に大きな影響を及ぼし、短期間で大きな損失を被ることもある。そのため外貨預金においても、他の投資と同様に「リスク管理」が重要となる。
リスクとの付き合い方を知っていれば、リスクを抑えやすい
投資のリスクを完全になくすことはできないが、付き合い方を理解しておけばリスクはある程度抑えられる。ここからは、外貨預金におけるリスク管理の手法を見ていこう。
●余裕資金を運用する
余裕資金とは使い道が決まっておらず、かつ当面は使う予定がない資金のこと。余裕資金で投資を行うと家計を圧迫する恐れがないため、仮に損失が発生しても生活に困窮する心配はない。
現時点で自分の余裕資金を把握できていない場合は、まず資産を以下の3つに分けて、それぞれの金額を確認してみよう。
- 日常的に使う資金:生活費や急な出費に充てるお金
- 今すぐではないが使い道が決まっている資金:子どもの教育費や車の購入費用、すでに運用しているお金など
- 余裕資金:上記以外のお金
余裕資金は家計の状況によって変動するため、定期的に見直すように心がけたい。
●複数の通貨を運用することでリスクを分散する
複数の通貨を運用する「分散投資」も、外貨預金のリスク管理に役立つ。
例えば、日本円を米ドルとユーロに換えておくと、いずれかの地域でカントリーリスクが発生した場合のリスクを抑えられる。分散投資は逆の値動きをする金融商品を選ぶのが基本であり、特徴が似ている通貨を選ぶと分散投資の効果を得にくい。
外貨預金を行う際は各通貨の特性をしっかり理解し、慎重に選ぼう。
●積立方式を検討する
一度に多額の外貨を購入すると、状況に合わせて柔軟にプランを変えることが難しくなり、損失を被るリスクが高くなる。そのため、定期的に (毎月・毎週など) 外貨を買い増す「積立方式」も検討しよう。
積立方式の中で、積み立てるタイミングと金額を固定したものを「ドル・コスト平均法」という。ドル・コスト平均法は「外貨が安い時に多く買う」「外貨が高い時に少なく買う」を自然に行う手法なので、長く続けるほど外貨の購入単価が平準化していく。
リスク管理をして安定した資産運用を心がけよう
投資にはさまざまなリスクが潜んでいるが、きちんとリスクを管理すれば安定した資産運用を実現できる。そのため余裕資金を使ったり、複数の外貨を組み合わせたりして、損失リスクをできるだけ抑えることを考えよう。
ただし、本コラムで紹介した分散投資やドル・コスト平均法といった手法を実践しても、リスクを完全になくすことはできない。外貨預金を行う場合は、為替レートや現地の情勢などをこまめに確認し、常に運用状況を把握しておくことが大切だ。
(提供:大和ネクスト銀行)
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