自動車は「ブランディング」としても有用

例えば、取引相手が持っている名刺入れやペン、バッグなどを見て「この人はセンスが良い」「オシャレだ」と思ったことはないだろうか。その相手がクリエイティブな職業だとしたら、それは演出の一環として選んだ物かもしれない。

米国で提唱された心理学上の概念に「メラビアンの法則」がある。これは、感情や気持ちを伝える際に、どんな情報に基づいて印象が決定づけられるかを調べた結果であり、言葉よりも態度や表情といった外形的な要素が印象を決めることがわかっている。

これが転じて「人は見た目が9割」といった主張になる。それだけ見た目が持つインパクトは大きく、例えば、セルフブランディングとして「成功している経営者」を印象付けたいなら、それなりの高級車に運転手を付けたり、高価格のスポーツカーに乗ったりするのがベターだろう。

一方で「創造的な人」と思われたいなら、レトロな輸入車などに乗れば、相手に「こだわり」「美意識」といったものを感じさせることができるかもしれない。「力強い人」と思われたいなら、ややアウトドアテイストの入った車も良いと言える。

もっとも、ビジネスシーンであまり目立った車に乗っていくと、好意的に思わない人もいる。何事も限度をわきまえることが大切だ。

経営者が車を選ぶ際に考えること

ここまでは、「移動手段」「プライベート空間」「ブランディング」という3つの視点から、自動車を持つメリットとデメリットを紹介してきた。各項目でも少し触れてきたが、自動車は新車に中古車も含めると、車種が無数にある。

その中には全ての要望を満たす車もあるかも知れないが、現実的には以上の3つの視点に優先順位を設け、予算に応じて最適な車を探してはいかがだろうか。

もちろん、3つの視点だけではなく、次の車検までの期間、数年後に売却した場合に想定される価格など、他にも考慮すべき点を挙げればキリがない。確かに選択肢は無数にあるが、数百万円の出費に当たり、考えられる条件は可能な限り意識しておきたいところだ。

去り際の後ろ姿をどう演出するか

このように、自動車は単に乗り物であるだけでなく、自らの所有物の1つとして、イメージづくりにも関係してくる。

よく「第一印象が大切」と言う。確かにそうだろうが、去り際の印象も同じぐらい大切ではないだろうか。例えば取引先を訪れた際、到着時は車を降りて1人で建物に入るのが普通だが、帰りは玄関前まで見送られることも多いはずだ。相手は、あなたの訪問に伴う最後の印象を、車の後ろ姿を見て抱くことになる。

そう考えると、仮に実用性を重視して車を選ぶケースであっても、見た目を気にしないわけにはいかないと分かるだろう。大切なのはバランスであり、やや大げさに言えば、自分が経営者としてどのように生きたいか、どのように見られたいかを具体化するツールの1つとして、愛車選びにはじっくりと時間をかけたいところだ。

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文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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