この記事は2023年3月24日に「CAR and DRIVER」で公開された「「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表」を一部編集し、転載したものです。


日産がGT-Rの2024年モデルを発表。エアロダイナミクスの改善や新構造マフラーの採用などを実施したほか、GT-R NISMOにはフロントメカニカルLSDや新RECARO製カーボンバックバケットシートを設定

日産自動車は2023年3月20日、GT-Rの2024年モデルを発表し、日産ハイパフォーマンスセンターの各店舗にて順次、注文の受付を開始した。

「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲日産GT-R Premium edition T-spec 価格:6DCT1896万700円 全長4710×全幅1895×全高1370mm ホイールベース2780mm 車重1760kg 乗車定員4(2+2)名 写真のボディカラーはミレニアムジェイド

2024年モデルの車種展開は従来と同様、VR38DETT型3799cc・V型6気筒DOHC24Vツインターボエンジン(最高出力570ps/6800rpm、最大トルク65.0kg・m/3300~5800rpm)を搭載したスタンダード仕様と、NISMO専用チューニングのVR38DETT型3799cc・V型6気筒DOHC24Vツインターボエンジン(最高出力600ps/6800rpm、最大トルク66.5kg・m/3600~5600rpm)を搭載したNISMO仕様で構成する。グレードはスタンダード仕様にGT-R Pure edition、GT-R Black edition、GT-R Premium edition、GT-R Premium edition T-spec、GT-R Track edition engineered by NISMO、GT-R Track edition engineered by NISMO T-specを、NIMO仕様にGT-R NISMO、GT-R NISMO Special editionを設定した。

「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲日産GT-R Premium edition 価格:6DCT1484万100円 全長4710×全幅1895×全高1370mm ホイールベース2780mm 車重1770kg 乗車定員4(2+2)名 写真のボディカラーはワンガンブルー

車両価格は以下の通り。

GT-R Pure edition:1375万円

GT-R Black edition:1535万500円

GT-R Premium edition:1484万100円

GT-R Premium edition T-spec:1896万700円

GT-R Track edition engineered by NISMO:1765万600円

GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec:2138万700円

GT-R NISMO:2865万600円

GT-R NISMO Special edition:2915万円

なお、発売はスタンダード仕様が4月下旬以降、NISMO系(GT-R NISMO/GT-R NISMO Special edition/GT-R Track edition engineered by NISMO/GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec)が今夏を予定。また、GT-R 2024年モデルは生産台数に限りがあり、受注状況によっては新規の注文を受けられない場合があるという。

「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲日産GT-R Black edition 価格:6DCT1535万500円 全長4710×全幅1895×全高1370mm ホイールベース2780mm 車重1760kg 乗車定員4(2+2)名 写真のボディカラーはメテオフレークブラックパール
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲日産GT-R Pure edition 価格:6DCT1375万円 全長4710×全幅1895×全高1370mm ホイールベース2780mm 車重1760kg 乗車定員4(2+2)名 写真のボディカラーはブリリアントホワイトパール
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲日産GT-R Track edition engineered by NISMO 価格:6DCT1765万600円 全長4710×全幅1895×全高1370mm ホイールベース2780mm 車重1760kg 乗車定員4(2+2)名 写真のボディカラーはアルティメイトメタルシルバー
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲日産GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec 価格:6DCT2138万700円 全長4710×全幅1895×全高1370mm ホイールベース2780mm 車重1740kg 乗車定員4(2+2)名 写真のボディカラーはミッドナイトパープル

2024年モデルの特徴を見ていこう。

シリーズ全体としては、「人の感性に気持ち良く。それでいて速い。」「トータルバランスをもっと高い次元へ」を目指して進化。スタンダードとNISMOともにハンドリング性能の向上を狙ってフロントバンパーやリアバンパー、チンスポイラー、リアウィングといった外装のデザインを変更し、これによって空力性能、特にダウンフォースの強化を図る。フロントセクションでは、グリルを上下2分割した水平基調のデザインを新採用。空気の流入量をそのままにグリル開口部を縮小することで、高い冷却効率を保ちながら空気抵抗を低減する。また、フロントバンパー両端のカナードをより彫りの深い形状とすることでダウンフォースを増強した。一方、リアセクションではバンパーサイドやトランクリッドのエッジをより立たせることで、空気の巻き込みを抑制している。

新車外騒音法規に対応する目的で、マフラー構造も刷新する。排気管の途中に分岐と消音室(レゾネーター)を配して低音域での消音を実現。また、ジェットエンジンを参考に排気音をつくり込み、合わせてVR38DETTエンジンと適合させることで、従来と同等のパフォーマンスと迫力あるサウンドを創出した。

「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲日産GT-R NISMO Special edition 価格:6DCT2915万円 全長4700×全幅1895×全高1370mm ホイールベース2780mm 車重1720kg 乗車定員4(2+2)名 写真のボディカラーはステルスグレー
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲日産GT-R NISMO 価格:6DCT2865万600円 全長4700×全幅1895×全高1370mm ホイールベース2780mm 車重1720kg 乗車定員4(2+2)名 写真のボディカラーはステルスグレー

仕様別の変更点に話を移そう。まずスタンダード仕様は、「R35史上最高の“洗練された乗り味”」を標榜する。エクステリアは前述の改良に加えて、2007年のデビュー以来で初めてリアウィングの形状を変更。翼幅を広げると同時に取り付け位置を後退させることで、ダウンフォースの向上とともに負圧の発生を低減した。また、電子制御サスペンションの制御を見直し、ハンドリング性能の深化を図る。さらに、GT-R Premium edition T-specでは専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキなどを採用し、よりしなやかで上質な走りと意のままに操れる楽しさを両立した。外板色については、T-spec exclusiveカラーのミレニアムジェイドとミッドナイトパープルのほか、ワンガンブルー、バイブラントレッド、メテオフレークブラックパール、ダークメタルグレー、アルティメイトメタルシルバー、ブリリアントホワイトパールという計8色をラインアップしている。

「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲ハンドリング性能の向上を狙ってフロントバンパーやリアバンパー、チンスポイラー、リアウィングといった外装のデザインを変更し、これによって空力性能、特にダウンフォースの強化を図る
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲スタンダード仕様は2007年のデビュー以来で初めてウィングの形状を変更。翼幅を広げると同時に取り付け位置を後退させることで、ダウンフォースの向上とともに負圧の発生を低減した
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲GT-R Premium edition T-specは専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキ、専用レイズ製アルミ鍛造ホイール(ブロンズ)を採用する
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲Premium edition T-specは専用内装(専用内装色コーディネーション、アルカンターラインストパネル、アルカンターラサンバイザー)を装備
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲Premium edition T-specは専用本革・パールスエードコンビ表皮シートを装着
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲GT-R Premium editionの内装。写真はオプションのセミアニリン本革/ライトグレー(ファッショナブルインテリア色)仕様
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲GT-R Black editionの内装。専用カラーのRECARO製シートを装着
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲GT-R Pure editionの内装。本革・パールスエードコンビ/ブラック表皮シートを装着
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲GT-R Track edition engineered by NISMOの内装。専用RECARO製シートを装着
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲スタンダード仕様は最高出力570ps/6800rpm、最大トルク65.0kg・m/3300~5800rpmを発生するVR38DETT型3799cc・V型6気筒DOHC24Vツインターボエンジンを搭載。T-specは専用エンジンカバーを配備

NISMO仕様に関しては、「R35史上最高の“トラクションマスター”」を標榜。エクステリアは前述の改良に加えて、より高いダウンフォースが得られるスワンネック型ステーを配した新リアウィングを採用する。また、シャシー面では電子制御サスペンションの制御変更やショックアブソーバー減衰力の再チューニングなどを実施。さらに、フロントメカニカルLSDの追加やATTESA ETSの制御変更を図って、フロントタイヤのトラクションを最大限に引き出した。カーボンフレームに分割構造のパッドを張り付けたアルカンターラ+レザー表皮の新RECARO製バケットシートを装着し、重量増を抑えるとともにシートの横剛性を50%高めたこともトピックだ。GT-R NISMO Special editionでは、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに高精度重量バランスエンジン部品を採用し、合わせてクリア塗装を施したNISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)などを特別装備している。外板色については、ステルスグレー、バイブラントレッド、メテオフレークブラックパール、アルティメイトメタルシルバー、ブリリアントホワイトパールという計5色をラインアップした。

「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲GT-R NISMOは電子制御サスペンションの制御変更やショックアブソーバー減衰力の再チューニングなどを実施
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲より高いダウンフォースが得られるスワンネック型ステーを配した新リアウィングを装備
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲GT-R NISMO Special editionはクリア塗装のNISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)を装着
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲インテリアにはアルカンターラ巻きステアリング(レッドセンターマーク付き)やNISMO専用コンビメーターなどを採用する
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲カーボンフレームに分割構造のパッドを張り付けたアルカンターラ+レザー表皮の新RECARO製バケットシートを装着
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲GT-R NISMO Special editionはVR38DETTエンジンのピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに高精度重量バランスエンジン部品を採用する
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
「重ねた時。走り抜いたその道。GT-Rの集大成」を謳う日産GT-Rの2024年モデルが発表
▲フロントメカニカルLSD(写真・上)の追加やATTESA ETSの制御変更を図って、フロントタイヤのトラクションを最大限に引き出す
Writer:大貫直次郎

(提供:CAR and DRIVER