主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年4月13日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼12日(水)の為替相場
(1):米3月消費者物価指数 予想を下回る
(2):ECB高官 大幅利上げを示唆
(3):FOMC議事録公表
▼12日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米3月PPIに注目が集まる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(水)の為替相場
期間:12日(水)午前6時10分~13日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米3月消費者物価指数 予想を下回る
米3月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%、前年比+5.0%といずれも前月(+0.4%、+6.0%)から伸びが鈍化。市場予想(+0.2%、+5.1%)も下回った。一方、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比+0.4%、前年比+5.6%と予想通りで、前年比の伸び率は前月(+5.5%)を上回った。インフレ鈍化の兆候が見られたとして利上げ期待が弱まるとドル/円は132.74円前後まで反落した。ただ、コアインフレの高止まりを受けて米長期金利が低下幅を縮小したためドルは売り一巡後に買戻しが入った。
(2):ECB高官 大幅利上げを示唆
欧州中銀(ECB)の政策メンバーであるホルツマン・オーストリア中銀総裁は「インフレ見通しは5月にさらに0.50%の利上げを示唆」「ECBは5月以降も大幅に利上げを続ける必要がある」などと発言。これより前にはデギンドスECB副総裁も「基調的インフレは予想以上に根強い」と述べて物価高止まりへの警戒感を示した。米3月CPIを受けたドル/円の下落につれ安していたユーロ/円はECBの利上げ期待で反発。その後146.67円前後まで上昇して年初来高値を更新した。
(3):FOMC議事録公表
米連邦準備制度理事会(FRB)は3月の連邦公開市場(FOMC)議事録を公表。「銀行セクターで最近起きた展開が経済活動とインフレに与え得る影響を踏まえ、十分に景気抑制的となるFF金利誘導目標レンジの判断を下方修正したと、多くの参加者が指摘した」ことが明らかになった。議事録によれば、多くの当局者は銀行危機が発生する前の段階で、入手したデータから政策金利の道筋が従来予想より「幾分か高くなった」と見ていた。しかし3月会合が近づいた状況でシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行が破綻したことを受け、当局者らは金利見通しを昨年12月に示した予想に沿った内容に戻したとのこと。
12日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
<外為注文情報はこちら>
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米3月PPIに注目が集まる
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。東京市場で134円台にワンタッチしたが買いは続かず、NY市場に入ると132.74円前後まで反落した。米3月消費者物価指数(CPI)でインフレ鈍化が示されたことから米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ打ち止めが意識された。もっとも、米3月CPIを受けたドル売りが一巡すると133円台前半へと値を戻して取引を終えた。米3月CPIについては、総合指数が鈍化した一方で食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比で伸びが加速した。このため、FRBが利上げを停止するには不十分との見方も出ている。実際に米長期金利の低下は小幅なものにとどまった。
そうした中、本日のNY市場では米3月生産者物価指数(PPI)が発表される。PPIはCPIの先行指標との見方もできるだけに注目を集めそうだ。市場予想は前年比+3.0%となっており、前月の+4.6%から大幅な鈍化が見込まれている。コアPPIも前年比+3.4%(前月+4.4%)に鈍化する見通しだ。
注目の経済指標:米生産者物価指数
注目のイベント:ピルMPC委員発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。