主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年4月21日9時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼20日(木)の為替相場
(1):本邦貿易収支 赤字額は予想を下回る
(2):中国人民銀行 LPRを予想通り据え置き
(3):ラガルドECB総裁 「この道筋をもう少し進む必要がある」
(4):低調な米経済指標を受けドル円下落
▼20日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
20日(木)の為替相場
期間:20日(木)午前6時10分~21日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦貿易収支 赤字額は予想を下回る
日本3月貿易収支は7545億円の赤字となり、赤字額は市場予想(1兆2948億円)を下回った。資源価格の上昇一服などで輸入の伸びが鈍化した一方、自動車などの輸出がやや増加した。
(2):中国人民銀行 LPRを予想通り据え置き
中国人民銀行(PBOC)は貸出金利の指標であるローンプライムレート(LPR)の据え置きを決定。大方の予想通りにLPRの1年物は8カ月連続で3.65%に据え置かれ、住宅ローンの参照金利となる5年物も4.3%で維持された。
(3):ラガルドECB総裁 「この道筋をもう少し進む必要がある」
欧州中銀(ECB)は50bp(0.50%ポイント)の利上げを決めた3月理事会の議事要旨を公表。クレディ・スイスの経営不安が表面化する中での大幅利上げについて、「前回の会合で政策委員会が示した意向に沿って50bp利上げするというレーン理事の提案に、大多数が同意した。不確実性の高い現況では、不完全な情報に基づいて決定を下さざるを得ないと政策委は認めた」「先に意向を示した金利の軌道に沿って動くことは、信頼を醸成し金融市場に一段の不透明感を抱かせないために重要だと見なされた」と説明した。その後、ラガルドECB総裁は「インフレ率はECBの目標に対して高過ぎる」とし、2%の目標に戻すために「この道筋をもう少し進む必要がある」と語った。
(4):低調な米経済指標を受けドル円下落
米新規失業保険申請件数は24.5万件と予想および前週の24.0万件を上回った。また、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は-31.3と予想(-19.3)に反して前月の-23.2から低下。これらを受けてドル売りが強まった。なお、その後に発表された米3月中古住宅販売件数は年率換算で444万件と予想(450万件)を下回り、米3月景気先行指数も前月比-1.2%と予想(-0.7%)を下回った。米経済指標の低調な結果が続く中、ドル/円は134.01円前後まで下落した。
20日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値の重い展開が続きそう
昨日のドル/円は上値の重い展開。5・10日の仲値公示に向けて買いが先行したものの、135円目前で伸び悩んだ。その後134円台後半を中心にもみ合ったが、NY市場に入ると米新規失業保険申請件数と米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数の低調な結果を受けて134.01円前後まで下落した。そのほか、米3月中古住宅販売件数、米3月景気先行指数と、この日発表された米経済指標はことごとく低調で、利上げ打ち止め観測が再燃。米2年債利回りは10bp(0.10%ポイント)低下した。
本日のドル/円は、週末を前に再び135円どころを試す機運は高まりにくいと見られ、上値の重い展開が続きそうだ。なお、本日のNY市場では米4月購買担当者景気指数(PMI)・速報値が発表される。市場予想は製造業が49.0(前月49.2)、サービス業は51.5(前月52.6)となっており、やや弱めの結果が見込まれている。ドル/円は米経済指標に一喜一憂する展開が続いているだけに、本日も米4月PMIの結果に注目が集まりそうだ。
注目の経済指標:欧英米PMI
注目のイベント:米要人発言
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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