主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年4月26日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼25日(火)の為替相場
(1):植田日銀総裁 改めて金融緩和継続を示唆
(2):ブロードベントBOE副総裁 「インフレ緩和の兆候が見られる」
(3):米経済指標 結果はまちまち
(4):米金融システムへの不安が再燃 円全面高に
▼25日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開が見込まれる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
25日(火)の為替相場
期間:25日(火)午前6時10分~26日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):植田日銀総裁 改めて金融緩和継続を示唆
植田日銀総裁は「現行のイールドカーブコントロールによる金融緩和を継続していくことが適当」とした上で「仮に賃金や物価が想定以上に上昇なら、利上げなどで適切に対処」と述べた。
(2):ブロードベントBOE副総裁 「インフレ緩和の兆候が見られる」
英中銀(BOE)のブロードベント副総裁は「先週発表の(物価)データにもかかわらず、この3カ月間の公式データや調査結果でインフレ圧力が緩和され始めている兆候が見られている」との見解を示した。
(3):米経済指標 結果はまちまち
米4月消費者信頼感指数は101.3と市場予想および前月の104.0を下回った。同時に発表された米3月新築住宅販売件数は年率換算68.3万件と市場予想(63.2万件)を大きく上回った。また、米4月リッチモンド連銀製造業指数は-10と予想(-8)を下回った。
(4):米金融システムへの不安が再燃 円全面高に
米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)は前日の引け後に発表した1-3月期決算で、預金の約4割にあたるが1000億ドル前後が流出したことを明らかにした。金融システム不安の再燃で米景気の先行き不透明感が強まり株価が下落。リスク回避の動きから、安全資産とされる米国債やドルおよび円に買いが入った。米債買いで長期金利が低下する中、ドル/円は133.30円台へと下落した。クロス円はさらに下げがきつく、ユーロ/円は146.28円前後まで下落して東京市場で付けた8年4カ月ぶり高値の148.62円前後から2円超急落した。
25日(火)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値の重い展開が見込まれる
昨日のドル/円は米株安と米長期金利の低下を背景に一時133円台前半へと下落。NY市場で米地銀の健全性を巡る懸念が強まるとリスク回避の円買いが優勢となった。米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)が24日に発表した1-3月期決算で4割の預金流出したことが明らかになり市場の不安が再燃した。もっとも、ドルにもリスク回避目的の買いが入ったため133.37円前後で下げ渋ると133円台後半に持ち直してクローズ。この日の高値は東京市場で付けた134.47円前後だった。
金融不安の再燃で米国景気の先行きに対する懸念が強まる可能性がある中で、ドル/円は本日も上値の重い展開が見込まれる。昨日大幅に反落したユーロ/円などのクロス円の動きにも注目したい。
注目の経済指標:米耐久財受注
注目のイベント:米5年債入札
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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