メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「中銀利上げ一時停止示唆も、経済指標は強い、大統領病状心配」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.1-7.6

 (ポイント)
*今夜、1Q・GDP発表
*ロペスオブラドール大統領、コロナ感染で週末に一時意識途絶
*財政赤字は拡大
*ロドリゲス中銀総裁が、次回会合で利上げの一時停止を示唆
*4月前半の消費者物価は伸び率低下
*GDPを占う2月経済活動指数はまずまず
*3月貿易収支は黒字に転換
*重要指標はこれから、5月18日の金融会合まで
*米国とメキシコのハイレベル経済対話 は有効
*経済指標強い
*政策金利を据え置く余地、議事要旨
*通貨は年初来最強、株価指数も強い
*郷里送金とニアショア投資がペソを支える
*政府の成長見通しは3%と高い。民間予想の約倍
*政府のインフレ率見通しはを2023年は3.2%から5.0%へ引き上げ
*2024年に大統領選挙がある
*4Qの経常収支は赤字から黒字へ転換

(一時、米株下落によるリスク回避、メキシコの利上げ停止観測で下げる)
 メキシコペソ円はボリバン2σ上位から反落も中位以上は維持した。米株大幅下落によるリスク回避でペソが売られたが、さらにロドリゲス中銀総裁が、「5月18日の政策金利決定会合で利上げの一時停止について話し合う予定」と発言したことも売りを誘った。今週は7.481から一時7.321まで下落した。現在7.40。
 メキシコのボルサ株価指数は現在12.34%高、先週末は12.27%高。

(4月前半の消費者物価、上昇率縮小)
 4月前半の消費者物価が、前年同期比で6.24%上昇。3月前半(同7.12%上昇)に比べて伸び率が縮小したことも影響した。農畜産物とエネルギー価格を除くコアインフレ率は7.75%だった。コアインフレ率に含む「農畜産物を除く食料品と飲み物、たばこ」は前年同期比で12.38%上昇した。コアインフレ率に含まない「果物と野菜」は同2.83%の上昇にとどまった。「畜産」は同7.81%上昇した。 全体としてインフレ圧力がいくらか和らいでいる。

(重要指標はこれから)
5月18日の次回会合前に発表される1Q・GDPや4月製造業PMI、失業率、企業信頼感指数、4月全体の消費者物価などのデータも考慮される。

 GDPに影響する2月経済活動指数は前年比3.8%増で、前月の4.5%増からは若干伸び幅を縮小したが経済指標は、ニアショリング効果もあり強く雇用は増加している。

(3月貿易収支、3か月ぶりの黒字)
11.69億ドルの黒字。3か月ぶりの黒字となった。輸出が前年比3.2%増、一方輸入は1.1%増に留まった。石油関連を除く工業製品の輸出が5.5%増。

(米墨関係では対話充実)
 心強いのは米墨関係がしっかりしていることだ。自由化を求める米国と、左派的な政策もとるメキシコとの衝突も懸念されるが、頻繁に対話を行なって前に進んでいる。米国とメキシコのハイレベル経済対話 (HLED) は、メキシコと米国の戦略的な経済的および商業的優先事項を推進し、両国の経済発展と成長を促進し、雇用創出を促進し、競争力を高め、貧困と不平等を削減するとした。HLED は、4 つのテーマの柱を中心にしている。 共に再建、雇用機会を創出、将来の繁栄のためのツールを確保(情報通信など)、人々への投資などだ。