主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年5月18日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼17日(水)の為替相場
(1):本邦GDP市場予想を上回る伸び
(2):豪賃金指数を受け豪ドル軟化
(3):ベイリーBOE総裁「過去最大の試練」
(4):米住宅着工件数はほぼ予想通り
(5):バイデン大統領「デフォルト回避を確信」
▼17日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値抵抗を突破する可能性もあり/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
17日(水)の為替相場
期間:17日(水)午前6時10分~18日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦GDP市場予想を上回る伸び
日本1-3月期国内総生産(GDP)・一次速報は前期比年率+1.6%と市場予想(+0.8%)を上回る伸びとなった。個人消費の回復や企業の設備投資が持ち直したことが寄与した。
(2):豪賃金指数を受け豪ドル軟化
豪1-3月期賃金指数は前期比+0.8%と予想(+0.9%)に届かなかったが、前年比では+3.7%と予想(+3.6%)を上回った。豪中銀(RBA)の追加利上げ期待を高める内容ではなかったとの見方から、豪ドルは一時軟化した。
(3):ベイリーBOE総裁「過去最大の試練」
英中銀(BOE)のベイリー総裁は「インフレ率は、エネルギー価格の下落により今後数カ月に、現在の10.1%という水準から急低下するはずだ」と発言。「英経済が現在直面している異例の時期はインフレ目標という制度に対する過去最大の試練だ」との見解も示した。
(4):米住宅着工件数はほぼ予想通り
米4月住宅着工件数は年率換算140.1万件と、ほぼ市場予想(140.0万件)通りだった。同建設許可件数は141.6万件で予想(143.0万件)を下回った。
(5):バイデン大統領「デフォルト回避を確信」
バイデン米大統領はG7広島サミットに向けて出発する前にホワイトハウスで記者団に向けて「予算を巡って合意に達し、米国は債務不履行(デフォルト)を回避すると確信している」と発言。サミットから帰国する21日までに合意が成立することはないだろうとの見方を示した上で「これから数日かけて、議会指導部との話し合いを合意に達するまで続けていく」と述べた。その後、共和党のマッカーシー下院議長は「今週中に債務上限の問題を片づけるのは実行可能だ」との認識を示した。これらを受けて米国株が上昇幅を拡大するとともに米長期金利が上昇する中、ドル/円やクロス円にも上昇圧力がかかった。
17日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
<外為注文情報はこちら>
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値抵抗を突破する可能性もあり
昨日のドル/円は137円台後半へと大幅続伸。米債務上限問題に関する悲観的な見方が後退する中、NY市場で上げ足を速めた。米債務上限引き上げを巡る交渉について、バイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長がいずれも楽観的な見通しを示したことで、米長期金利の上昇や米株高が進むと137.71円前後まで上伸。今月2日に付けた月初来高値(137.77円前後)に迫った。
3月に付けた年初来高値(137.91円前後)も同時に視界に捉えており、リスク選好の動き継続が予想される本日は、これらの上値抵抗を一気に突破する可能性もありそうだ。仮に持ち高調整などで反落した場合は、昨日上抜けた200日移動平均線(137.10円前後)がサポートとして機能するか注目したい。
注目の経済指標:豪雇用統計
注目のイベント:ベイリーBOE総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。